08.前進
「う~ん、お母さんはアスランちゃんみたいには出来ないなー」
「そっかー……」
何故か我が家には細かいことが苦手な人が多いな。圧倒的にオレが担当。
「お母さんはね~、散歩と狩りが得意だから」
「お母さんのそれはメイワクなの!あたしはお母さん捕まえるの得意!」
ははははは。母さんと姉さんの会話には、乾いた笑いしか浮かばないな。
「めっちゃ知ってるー、どっちも得意なのは知ってるけど自重して欲しい特技ー」
父さんのお人好しと同じくらい困った特技なんだよなぁ。
姉さんがそのうちカウガールになれそうな勢いで、母さんを捕獲している。
姉さんは将来、やはり冒険者とかを目指すんだろうか……弟としては是非とも危ない仕事は止めてもらいたい。
しかし、農家なんていや!って言ってたもんな……。
お茶をすすって、はたと思う。オレは将来、何をするんだろうか。
目立つ冒険者は却下。空間収納持ちだから誘われるだろうけど、却下!
成人するまでに、オレは他人とパーティーを組んで遠出とか会話とか出来るようになっているのか!?
出来ることなら料理をしながら畑で試行錯誤をする、今の生活を維持したいところだけど……農家で跡継ぎか。
でもってエルに商人をさせて流れ売り……めっちゃ今のまんまだな。元手は加護魔法だけで、けっこう小金が貯まりつつあるのだ。
料理……そして広めるためには料理教室?この時代だと、ビミョーだな。
料理人になるとしても、オレの前世知識をなんでどうしての質問なしに使わせてくれるとこがあるだろうか。
「主君。醤油と、頼まれたつきたての餅が出来たぞ」
「は!!しまった、準備忘れてた!」
エルが目の前に”瞬間移動”で、臼ごとつきたての餅を持って現れる。
餅パーティーのついでに、雑煮はどうかと味噌ベースと醤油ベースの支度をしようとして、完全に忘れてた。
過去に作って”収納”していたやつを出すしかない。
夏バテていて、更新がバラついております。そして作中は真冬。




