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守護霊とうっかり道連れ転生  作者: 相木ナナ
13/28

03.前進

夏場の水分補給は大事です

「アスランはいつも何か考えて色々作るな、梅干し以外は父さんは大好きだぞ」


「梅干しだって、夏にいいんだけどなあ」


 この国、梅干し系をなかなか受け入れてくれないのだ。

 まあ、前世のオレの国の要素ないし、オリーブの漬けたものとかは好まれるのに梅酢からしそ酢、梅干しなど、評価が低い。


 ……梅味噌も多分アウトかな……無念。オレだけでも食べよう。

 唯一の攻められるコースは、ジュースとかだろう。氷砂糖で自家製の酒やジュースを作る家が増えた。

 と、いうかそれ以外は未だ砂糖の分類が曖昧で、オレがなまじ種類をたくさん一度に生み出したせいで使い分けがされていない。


 ただし、甘いものは皆大好きなので、シソジュースや梅ジュースなどの甘みが多い分には、梅酒なども好む人が居るようだ。

 柑橘は人気が高いのに、梅へのあたりが強いのはなんで?

 とりあえず水筒を検討しつつ、戻ろう。


「念の為に、エルに”浄化回復”をかけさせて――」

 

 あれ、手作りドリンクを作らずに魔法をかければ早かったのでは?

 砂糖事件以外に魔力ぎれみたいなものはないけど、オレだって風邪くらいは引く。

 ジンジャーシロップか、はちみつ大根を飲もうかなぁと思っていたらそのたびに、エルが魔法で回復してきたんだ。

 家族にはエルが水の加護だと言ってるから、体裁だけは気にするオレは作業場以外でなるべく使わないようにセーブしていたんだけど。


「なんでおまえってオレには過保護で、父さんには雑なんだよ!」


主君ミロードは例外的な優先事項だ。その他は、緊急事態じゃないなら使わない」


「その他ってなんだよ、いくら父さんがフラフラしてすぐに物を失くして、騙されてお前のベッドまであげちゃったりしたからってそんな扱い許さないからな!」


「アスラン、父さん今の言葉に傷ついたよ?だけど、やってしまったことには言い訳はしない!」


「そこは反省して!父さんもエルも学べよ、オレは自分よりオレの家族を大切にしてほしいんだよ!」


主君ミロードの優先順位を動かすことは、主君ミロードから命令されても不可能だ」


「エルのわからずや!!あと、父さんは寝てて!!そして反省して!」


 エルとこの手の喧嘩は初めてじゃない。

 母さんは迷子になったのを察知したエルは、作業に思考が偏って気づかないオレに教えてくれなかった。

 そのせいで、3つ向こうの村のシェッテ村まで母さんは大移動していた。


 おおいに揉めて、作業していても家族になにかあれば教えてくれるように、これでも融通が利くようになった方なんだ。

 勿論、オレが気づいていればいいだけの話で、エルを一方的に責めるのはおかしいんだけどさ……。

 魔法で解決すればいいのはオレでも出来るのに、料理脳でなんでも料理で解決しようとするオレが変なのか?


 こんなの子供の癇癪だ、家族はエルも家族として認めてるのに、エルはオレばっかり優先する。

 オレは自分だけならどうでもいい。初めて手に入れた家族が、大事で……大切で。

 熱中症ってだけでも、何かあったらどうしようと不安になる。

 オレはそのくらい家族が大事で……エルにもそれを分かって欲しいっていうのはワガママなのか。


『ワガママだ。主君ミロードはもっと自分を大切にすべきだ』


『うっさい、勝手に脳内ハッキングすんな。バーカバーカ』

 

 作業場に移動したオレは、水筒の案を実行しつつエルの思考を追い払う。

 付与作業は簡単だが、”生成”したアルミをイメージ通りに重ねるのが難しい。

 目立たないのが一番だから考えもしなかったけど、水そのものに体内吸収率とミネラル抽出して付与すればレモンを切ったり蜂蜜に漬けたりする必要はないんだ。


 だけど、それは「もしこの一口の食べ物で一日の栄養も空腹もまかなえる」と言われて毎日それだけで暮らせるか、という問いに近い気がする。

 合理的な人の一部はそれを受け入れるかもしれないけど、人間やはり食べるということは食べる行為そのものも楽しむんだって思う。


 前世では、食べることは超能力を制御するのに必要としていたけど、ぼっち飯での味は寂しかった。

 今は家族とわいわい食べることが、やりがいも楽しみも、味わうことがトータルで食べるという意味になっていた。


 だからこそ、美味しいと思って貰うために工夫する努力は何の苦にもならない。

 きっと、前世の世界の料理の発展は、人々の美味しく食べるための試行錯誤から生み出されていたんだ。

 結論、オレは悪くない!

 前世からオレの守護者をやっていたエルからしたら、オレの親代わりのつもりかもしれないけど、これからその考え方を変えさせてやる。


 家に帰っても、仲直りのようなことはしなかった。

 エルも何もなかったようにしているのが、なんだかムカつく。

 家族に、特製の水筒を配って水分摂取の大事さを説明したけど、レモンの蜂蜜漬けは夕飯のデザートと化し。

 残りはあっという間に母さんの”空間収納”にしまわれてしまい、姉さんが帽子をあげて倒れた父さんに物理攻撃を始めたので色々とうやむやになった。


 後日、姉さんに「エルと痴話喧嘩したの?」と心配されたが、姉さんが痴話喧嘩の意味を理解していないようなので適当にスルーした。

 

エルとアスランの別行動が多すぎて、こういうターンをはさみます。

きび砂糖でのスポーツドリンクは少しカロリーが高いので、そのへんが気になる方は三温糖がおすすめです。

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