35.千々に記憶や感情が去来し、揺さぶられるはず。
作品タイトル:[新装版]水鏡に照らされた嘘
作品URL:https://ncode.syosetu.com/n7083gx/
作者名:鶯埜 餡
レビュー投稿日:2021年5月15日
◇◇◇
◇文章
優華が祖母の葬儀で十四年ぶりに再会したのは、幼馴染みの康太。
しかし、胸にわき起こったのは深い懐かしさや喜びではなく、苦々しさ。
原因は、かつて通っていた中学校で優華が遭遇した、あまりにも辛い出来事にあった。
そのさ中での彼との関係は辛く冷たいものであり、最後まで距離が縮まることはなかった。
にもかかわらず、再び目の前に現れた康太は苦い表情を向けてくる。
そこには複雑な事情と様々な感情が多分に含まれていた。
過去から未来へと繋げようとする二人の姿には、心を強く揺さぶられます。
こんな風に生きられたらと、羨ましく感じられるほどでした。
「隕石阻止企画」参加作品。ぜひお読み下さい。
◇◇◇
文字数:7,790文字(短編)
◇補足
最近は簡潔さに気を付けてレビューを書いていたのですが、久しぶりにやや長めになりました。
その分、ポップは抑えたシンプルなものにして、文章に集中して頂けるようにしています。
◇感想
読んだ誰もが、多少なりとも過去の自分と向き合う物語ではないでしょうか。
レビューにも書きましたが、二人の生き方の姿勢や気持ちの交流が羨ましくなってしまいますね。




