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アイリス—Siriと恋する高校生活—  作者: ぽむのすけ
高校二年生 それぞれの進む道
30/35

いざ尋常に。

アイリスとの話し合いの結果、勉強は平日1日3時間まで、土日は体力が持つ限りということになった。

正直、これだけの時間があれば十分だ。

もう無理をしてアイリスを悲しませることだけはしたくない。

試験まであと少し、吠えずらかかしてやるぜ…。

あれ、俺こんなキャラだっけ?

アイリスと付き合ってから俺にも多少なりとも変化が生じているのかな…。


——琥珀くん、いつにもなく気合が入ってますね——


「ああ、限られた時間の中でやれるだけのことをしときたいんだ。」


——試験まであと少し、琥珀くんなら大丈夫です。自信を持って。——


そう言うアイリスに愛しさを覚え、「ありがとう」とだけ伝えて俺は勉強に戻った。

.

.

.

いよいよ試験当日。

俺は朝早く学校に向かった。

もちろん最後の悪あがきをするためだ。

アイリスに激励も貰ったし、あとは全力を尽くすだけ。

学校に着くと、俺を待っていたかのように校門の前に仁王立ちする男…。

そう、いわずもがな宮崎大雅だ。


「よう、待ってたぜ先輩。いよいよ勝負…」


俺はこんなやつに絡む時間すら惜しかった。

華麗なスルーを決め込んで宮崎大雅の横を通り過ぎる。


「おいおい!待てよ!なんだお前、そんなに余裕がないのか?俺と話す時間すら惜しいってか!」


「その通りだよ。中途半端に勝つのは嫌なんでな、完膚なきまでに叩き潰してやるためだ」


そのセリフに宮崎は「なるほどねぇ」とでも言いたげな薄気味悪い笑みを浮かべていた。

まるで強者が好敵手を見つけ、己を高めることができることに喜びを感じているように。


俺は校舎に入り、自分の机に向かい、勉強を始めた。

お互い準備はバッチリってとこか…。

いざ勝負だ。宮崎大雅。

.

.

.

そうして試験は終了した。

結果は2日後に掲示板により発表される。

全力は尽くした。

帰り道に差し掛かると、あの男が再来した。


「2日後の発表前、掲示板前に集合だ。悪りぃが今回俺は完璧だぞ」


「そういうのは言わないほうがいいんだよ。もしかしてお前根は馬鹿なのか?」


「な、、結果発表が楽しみだな、一ノ瀬琥珀!」


そう言って宮崎は帰っていった。


——そんなに煽ってしまって大丈夫なんですか?琥珀くん。——


「心配すんなアイリス。俺も完璧だ。」

.

.

.

2日後。結果発表の日がやってきた。

生徒たちがぞろぞろと掲示板前に集まる。

テスト内容は数、国、英、理、社

一般的だがレベルは高い。それぞれが100点満点で500点が最大だ。

成績の良かった上位10名だけはそれぞれの科目の点数が掲示板に記載され、それ以下は合計点だけが発表される仕組みになっている。

全校生徒は約700人。

上位10に入ることすらかなり難しい。

そうして、時間が来て結果が発表された。


高杉皐月 合計点388点 105位

神崎姫花 合計点453点 31位

神崎千鶴 合計点480点 11位


俺たちはまだ出ていない。上位10名には入っている…。

周りは喜びに溢れる声や、安堵の声などが漏れている者もいる。

そうして、俺たちの名前が発表された。


宮崎大雅 合計点499点 2位

一ノ瀬琥珀 合計点500点 1位

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