文化祭当日
文化祭当日。
学校内は本当にお祭り騒ぎだ。
華やかに彩られた装飾品や賑やかな出店、俺たちの展示物…。この光景だけで胸が躍る。
人も多く訪れ、俺たちの展示物で写真を撮ってくれる人も多くいた。
「委員長、展示うまくいきましたね」
その頃俺はと言うと見回り担当が同じの神崎さんと文化祭の成功を話し合っていた。
「本当にうまくいってよかった。これもクラスのみんなのおかげだよ」
そんなことを話しながら歩いていると向こうから男女が歩いてきた。見たことがある…。
あれは…神崎さんの妹!
来るとは言ってたがこんなに早く会うとは。
「ど、どうも。来てくれてたんだね。えっと千鶴ちゃんだっけ…」
素通りするのもなんだと思い俺は話しかけてしまった。この選択が凶と出た。
「おい、千鶴になんか用かよ。気安く話しかけてんじゃねぇぞ」
横にいた男が急に俺に突っかかってきた。
背丈は俺より少し低いくらいで目つきは悪いがとても顔立ちの良い男の子だった。
いやそんなことより、なぜ怒られてるんだ俺。
普通に挨拶しただけじゃないか。
「え、いや。神崎さんにいつもお世話になってるし挨拶しようと思って…」
「おい千鶴、こんな奴がお前の言ってた奴かよ。正直期待外れだぞ。俺らの方が…」
「もういいってやめなよ。すみません一ノ瀬さん」
俺の話をしていたのか。
てか期待外れってなんなんだ。勝手に。
「いいか、俺と千鶴は来年ここに入る。ちょっと頭がいいからって図に乗るな。格の違いを見せてやる」
そう言って2人は行ってしまった。
なんだったんだ…。
何もしてないのに悪いことをした気分だ。
「すみません委員長。ああいう子なので話しかけない方がいいと言ったんです…。根はいい子なんですよ」
神崎さんに必死に頭を下げられた。
別にいいんだけどさ。でも来年からあの子たちが後輩になるってのは少し不安だな。
今は文化祭を楽しむことだけを考えよう。
そう思って俺は神崎さんと別れ、1人で歩いていた。
そんな時、背後から急に肩を掴まれた。
「よっ、琥珀。空き時間か?一緒に回ろうぜ」
声をかけてきたのは皐月だった。
そうか、皐月もあんま友達いないって言ってたな。せっかく俺にできた友達だ。思い出を作ろう。
「アイリスちゃんも一緒だよな?」
「学校じゃあんまり表立って出せないんだよ」
——あまり出てくることはできませんが、ずっと一緒ですよ——
ずっと一緒か。
ずっとこんな日々が続けばいいのにな。
舞い上がってくる装飾品の風船を見ながらそんなことを呟いた。




