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彼女は違う。

梨花の心中を書きます。

小さい頃から、女の子と仲良くできなかった。

私と話している男の子がいると、女の子が遠ざかっていくのだ。

中学までも、なんとなく、自分がいわゆるモテる方だとは思っていた。

だから女の子には逆にうとまれるのだろうと。

でもいいことばかりじゃない。

名前も知らない先輩に声をかけられたり、帰り道に知らない人に

つきまとわれたり。

もちろん、家族には言って、遅くなる日には時間で途中まで

迎えに来てもらったりもした。

なので、あえて高校は女子高に通ってみた。

いわゆるお嬢様学校で、親にも人気のある学校だったから

通うことには反対されなかった。


フタをあけてみると、付属校あるあるで、女子チームの確執だらけだった。

外部から来た私は、仲良しチームに入ることは難しく、なんとなく外部からの

人間同士で一緒にいることになった。

その女の子たちは、ある意味奔放だった。

うちの高校は制服もかわいいと評判だったから、合コンなんかも多かった。

私のいるチームは、合コン常連の人たちで形成されていた。

最初は気を使って一緒に行ってみたのだが、トイレにみんなで行って

どの男の子を狙うのかとか、邪魔するなとか、そういう打ち合わせが

面倒だった。

そして、声どころか、態度も男の子たちの前では替える女の子たち。

私はおもしろさも感じず、うざい男どもの手を払いのけ、安全のために

酒も飲まずにいつもまっすぐ帰った。


何回目かの合コンで、ある男をおしつけられた。

男はあきらかに私をねらっていて、必ず隣に座り、ヘタをすればトイレまで

ついてくるいきおいで、ずっと私から離れなかった。

なれなれしくさわってくる男の手は、電車であう痴漢を想像させ、私は

男の手を払い続けた。

私はがまんできずに、彼女たちにトイレで文句を言った。

彼女たちは、私を人数合わせで誘っていたのもあったので、、

いいじゃん、一回ぐらいやらせてあげればと、感情のよめない表情で

私に言った。そういうことなの?そのために私を呼んだの?

そのうち、合コンにも行かなくなり、彼女たちとも一線をひくようになった。


男の人に対しての苦手意識はより悪化した。

恋人ができたら変わるのかと、バイト先の先輩で連絡先を教えてくれてた人と

連絡をとり、何回か会ってみたが、やはりやること前提で、つきあうという

意味ではなく最低だった。

何事も経験だし、やってみたら気持ちも変わるかとためしたが、

痛いだけの初体験は私の対人感情を拗らせるだけだった。


そんなこんなで3年間、ろくな友人もできず、つきあう人も作らず、ほぼ一人で

過ごしていたので、付属の女子大に入るのはあきらめた。

逆に共学で、男の子もいるような学部を選択すれば、サバサバとした人と

楽しい学生生活を過ごせるようになるかとも思えた。

入学式は学部ごとだったので、会場の後ろから入って状況を確認した。

話しやすそうな一人で座っている女の子を探し、声をかけた。

笑顔がかわいい、やさしそうな女の子だった。

どうか彼女は私を嫌いませんように。


入学式の帰りに、Y駅までのバスも一緒だったミオとLINE交換も無事すませ。

私の大学生活が始まった。

サークルの勧誘もすごかったが、私だけではなく、ミオにも声をかけてくれる人が

いるところを選んだ。

私がしっかりしないと、ミオは人がいい鈍感娘だから、狼に襲われてしまう。

大好きな女の子を守って、ちゃんとした男とつきあわせるんだ!

私が握りこぶしを作っているとは知らず、ミオはのほほんとしている。

初めてできた友達。大事にするんだ。


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