お姫様との出会い。
モテモテのお姫様と一緒に行動しなければならなくなった私のお話。
梨花との出会いは大学の入学式の日だった。
私が一人で座っていると、笑顔で隣いいですか?と
座ってきた。
同じクラスになり、帰りも一緒。
学校から一番近い、JRのY駅までバスに
乗るのも一緒だったからだ。
隣に座りながら、連絡先を交換した。
梨花は、また明日ね!と、上りのホームの階段へ
消えていった。
ねぇ、一緒のサークルに入らない?
梨花は、構内で配られる勧誘チラシを受け取りながら
私に聞いてきた。
うーん、でも、梨花のもらっている量と、私が
受け取った量は明らかに差があるけど?
学食で休憩しながら、私が苦笑いしてたら、一緒に
くれなかったところのものは、ミオと一緒じゃなきゃ
嫌だもん!と、見比べて捨てていた。
見学、行くでしょ?と私に聞いてきた梨花に向かって、
君たち新入生でしょ?と先輩達が声をかけて
梨花の肩をたたいた。
梨花の隣にその先輩が座り、その逆にもう一人が座った。
よくある、テニスやスキーをやって、あとは飲み会ばかりの
みんなで仲良くしようサークルっぽかった。
俺たちで作ったサークルだから、歴史は浅いけど、
こじんまりとした集いだよ、とチラシをくれた。
一番最初に話した先輩が会長さん、梨花の逆隣が副会長さん
私の隣に座ったのが会計さんだと紹介された。
どうする?と梨花は首をかしげながら私を見た。
どっちでも、と私は首をかしげ返した。
梨花が入るかどうかは、私には関係ない。
正直冷めたキモチだった。私が誘われたわけじゃないしね。
(あ。この考え方、ダメなやつだ・・・)と、私の気持ちが
後ろ向きになり始めた時、私の隣に座ってた先輩が、どう?
楽しいよ?と、私の方へ珍しく声をかけた。
それを見て、彼女は、じゃあミオが行くなら、見学に行こうかな♪
と、私を見つめた。
おーい、それ、否定できないよね?丸投げかーいっ!
ぇぇ。行きますよ。はい。
お姫様のお気にめすままに。