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夢はひとりみるものじゃない  作者: 小林汐希・菜須よつ葉
62/71

62話

 パパとの生活が始まって、はじめはお互い緊張や遠慮などもあったと思うが、そこは父娘すぐに慣れていった。


 時々、パパを見ていて思うことがある。社会復帰に向けてのリハビリを始めているけれど、社会にたいしてなのか会社にたいしてなのか負目や、復帰後の不安があるんだろうなぁと思う。


 パパとの合言葉「焦らない焦らない」。


 そんな日々を過ごし、遂に明日が看護師国家試験の合格発表。心臓がバクバクして緊張がよつ葉の心を包み込む。



「明日は特に持っていくものないんだろう? 受験票くらいか?」


「うん……」


 合格発表については、直接会場に見に行くか、インターネットで自分で確認する。どうしようか迷ったあげく、ここまで頑張った結果だったから「直接見に行く」ことにした。パパに伝えると


「学校には行かなくていいのか?」


 と心配をしてくれている。


「結果見たら、合否を教授に電話すればいいことになってる。その日は特になにもすることないって聞いてるから」




 夕食の時、そんな会話をした。



「明日、一緒についていってもいいか?」


 パパからの提案に、よつ葉は


「もちろん。一人じゃ怖くて見られないかもしれないし」


「そんなことはないだろうがなあ。でも、それだと第一声を考えておかなくちゃならないな」


「もし、番号がなかったらどうする? そっちの方も考えておいてよ?」


「そっちもか? 全然考えてない。一晩で思い付くかな?」



 そんなことを話ながら緊張を紛らせていた。


 人生をかけた試験の結果発表は明日の午後2時。できればパパと一緒に喜びたい。


 この時パパが、そのあとの事を色々と考えてくれていたなんて思ってもみなかった。

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