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夢はひとりみるものじゃない  作者: 小林汐希・菜須よつ葉
54/71

54話

 パパが家庭裁判所に提出書類を記入したりバタバタと慌ただしくしている。


「おねえちゃん、パパが手続きしてくれてるよ」

「うん、電話で確認されたから知ってるよ」


 電話の様子では、おねえちゃんにもよつ葉と同じような聞き取り調査が行われたみたい。


「生徒から先生結婚したの?とか言われそうだね」

「学校では面倒だからそのままのつもりだよ。校長や事務長には報告するけど」

「いちいち説明や興味本意であれこれ聞かれるの面倒だもんね」


 そんなことを姉と電話で話をしていた。看護師国家試験が終わり、少し余裕ができたからこんな姉妹の時間を持つようになっていた。


 教授室で片付けを手伝ったり後輩の居残りのフォロー学生としてお手伝いしながら過ごしていた。少ない学生生活を有意義に過ごそうと紺野班長の提案だった。


 今日のフォローでは、血圧一つ満足に測れないような後輩もいて、ちょっとお説教的な話もしちゃって、紺野班のメンバーにも笑われたけれど。


 これまでの生活と、一番大きく変わったのは、学校を終えて帰ってきてからの時間だった。

 引っ越してからはパパの部屋で、ご飯を一緒に食べて、お風呂も済ませて自分の部屋へ帰るだけの生活をしている。夕食もお風呂も自分で用意する必要がなくなったから、その分の時間に余裕ができたような気がする。


「湯冷めしないうちに寝るんだぞ?」

「うん、そうする」


 いつもどおり、夕食と入浴も済ませて、玄関口までパパに見送ってもらい隣の部屋へ帰る。



 今までの習慣で、看護基礎の教科書を目直す日々を過ごしていた。看護師国家試験の結果がわかるのに1ヶ月以上先なので、何かしていないと落ち着かないというのが本心かも知れない。

 それに、勉強漬けのよつ葉の部屋には娯楽のようなものは殆ど置いていない。教科書や参考書ばかりの本棚。読むものといったら、こういう本ばかりだった気がする。


 この日もパパに見送られて部屋に帰ってきた。そしていつもどおり教科書を見直すくらいの勉強を始めた……。


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