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夢はひとりみるものじゃない  作者: 小林汐希・菜須よつ葉
50/71

50話

 看護師国家試験を無事に終え、翌日紺野班で自己採点をしようということになっていたので、大学で集まった。


 必修問題から採点を始めた。それぞれに答えと見比べる。


「おぉ、俺スゲー」


 小野君が自己採点をしながら声をあげた。


「小野、うるさい。黙ってしろ」


 紺野君の一言が浮かれている小野君のテンションを下げる。それぞれに必修問題の50問の答えあわせが終わる。


「嘘! 小野君に負けた」


 紺野班全員が思っただろう。ショックを隠しきれないまま、一般問題の採点に取りかかる。シーンとした中で、赤ペンが走る音だけが流れる。長い時間をかけ行われ、それぞれの自己採点が全て終わる。



紺野 48/241(必修/一般問題)

前原 48/244

柊  47/238

小野 49/207

美羽 43/210

美佳 46/232

ゆみ 46/238

よつ葉48/247



 必修問題で小野君がトップ?


「おのっち、答え合わせ間違ってない?」


 うわっ、美羽ちゃんのキツイ質問に小野君を除く紺野班全員が笑う。


「げっ、お前ら酷くね?」


 とりあえず紺野班全員が合格圏内に入っていると思う。でも足切りラインがどこなのかわからないため結果を見るまで不安は消えない。その不安を拭いたいためスマホを手に外に出た。



『小野くんに負けた……』


 パパに電話をかけた。パパの声が聞きたかったから。


『書く欄間違えたか?』

『自己採点だけど、必修の知識問題の点数が負けてる』


 パパと話をして少し落ち着いた。


 午後からの紺野班、何をしてどう過ごしたかははっきり覚えていないけど、大学を後にして向かった先は自宅ではなくパパの元、どうしても病棟に行けない気持ちがあって病院の前からパパにメールを入れた。そんなよつ葉の気持ちを察してくれたパパは、



『総合受付の先のカフェカウンターで落ち合おう』


 そう返信が返ってきた。しばらく待っているとパパが来てくれた。



「お疲れさん」

「あー、今日は疲れた……」

「結局、総合点ではどうだった?」


 オープンスペースの席に、コーヒーを買ってもらって向かい合う。そして紺野班全員分の採点結果をメモした紙を見せる。


「総合点では負けなかった」

「そりゃそうだろうなぁ」


 小野君に一点差とは言え負けたことが国家試験に失敗したような感覚に陥っていた。


「とりあえず、総合点では負けてないんだから、問題はないだろう。結果が出るまで1ヶ月か……。長いよな……」


「うん、長いー」


 パパから、退院に向けた話があった事を聞いた。よつ葉もこっそりある計画の準備を始めていた。


「退院といっても、すぐに仕事が始まる訳じゃないし、実生活のリハビリも必要になる。それに、あの計画も進めなくちゃな」


 パパが退院に前向きに取り組み始めてくれた。


「忙しくなるかもしれないけど、まぁいろいろと協力してくれ」


「退院の日程が決まったら教えて? いろいろと準備することもあるから」

「悪いな……」


 国家試験の結果を待つ間に色々な事を進めていかなくてはいけない。長いようで、実はそうでもない1ヶ月がこの日から始まった。

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