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夢はひとりみるものじゃない  作者: 小林汐希・菜須よつ葉
40/71

40話

 延長実習は年末までとなった。それからのよつ葉は、4年生はゼミ単位で勉強会が実施されていた。


 ゼミが終わったあとは、家には帰らずパパの病室に行くことにしている。パパは、口出しをすることなく見守ってくれている。窓際に机と椅子を用意してくれた。


 いつもパパは売店で軽食などを用意しておいてくれる。よつ葉が勉強をしている間、パパは自分のベッドで仕事を片付けたり本を読んだりして過ごしている。




 よつ葉がこの部屋を出ていくのは、11時近くで、これ以上遅いと部屋に帰ってから確認や復習の時間がとれない。


 パパに外部講習のこと伝えておいた方がいいよね?


「パパ、今度ね……」

「うん?」


パパが心配そうな表情に変わったのがわかった。


「試験の最終直前の講習があるんだけど、それ出た方がいいかなぁ」

「よつ葉の実力としては十分なんだろうけど、少しでも不安だと思えば、受けてきてもいいんじゃないか?」


「やっぱりそう思う……?」


 うん、良かった。やっぱり受けておいて損はないもんね。


「その講習、いくらかかるんだ?」

「えっと、5万3000円。ても、それはもう奨学金で払ってきた」


 ちょっと高額だったけど、食費と光熱費を最小限に押さえたらギリギリ生活はできるはず。お姉ちゃんもお給料から少し仕送りしてくれている。ゼミが終わって病室に行くとパパが売店で夕御飯を準備してくれている。嬉しいと思う気持ちと情けないなぁって思う。こんなことで心配をかけたくないんだけど。



 河西看護師長はパパもそろそろ退院に向けたリハビリを本格化しようと言ってくれていた。だから、こっそり準備していたことを河西看護師長だけに伝えておいた。その事について、よつ葉さんって意外と行動派なのねって笑っていた。

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