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大丈夫。魔力の流れを良くするだけですから。

お風呂上りスタイルで突然僕の部屋にやってきたよしえさん。まず、どうして風呂上りなのに髪型は完璧なチリチリパーマなのか気になってしょうがない。


異世界だから。ではとても納得の出来る話ではないのだが。


しかし一体なんの用だろう。


「・・・今日は色々疲れたなぁマー君。」


そう言って、ベッドの上僕の横に腰掛けるよしえさん。近い。近いよ距離感が。


それに『今日は』と言われても、そもそも今日しかないというか、異世界生活初日なんだけどね。


「そうですねぇ。なんか全然わけわからないままに、気付けば英雄扱いで家まで借りられましたよ。」


思い出されるのは女騎士。シャイニング・よしえさん。今僕の隣にいるのは残念ながら無印よしえさん。


「・・・でな。今日は色々疲れたやろ?だから、そのご褒美にと思って・・・。」


そう言って、ベッドに横になるよしえさん。


「マッサージしてくれへん?」


「・・・え?僕が?」


「そらそうやろ。他に誰かおるん?怖い事言うわぁ。」


いや・・・そりゃまぁ、今日のMVPが誰かって言えばもちろんよしえさんだけど・・・。


僕の返事も聞かないままにうつ伏せになるよしえさん。そう言えば、シャイニングになった次の日には足腰が痛くなるとか言ってたような。


「・・・わかりましたよ。」


そう言って、よしえさんの上に乗り背中を指で押すと


「あぁぁぁ!・・・っあぁ!なんやの!ええわぁ!マー君!そこ!そこ凄いええわぁ!」


急に大きい声を出すのでビックリした。なんか、凄い声で悶えるよしえさん。


「もうちょっと・・・もうちょっと上・・・。あぁあ!そ、そこよ!そこ!あぁぁぁ!」


なんか段々腹が立ってきた。


しかし、こうしてマッサージをしてみると、よしえさんはなかなかいい体をしている気がする。スタイルがいいとかエロいとか、そういう意味ではない。


なんというか、肉質がいいのだ。いかにも女の子な、ムチっとふわっとした感じでもなく、かといって男らしいスジ肉でもなくて。


ちょっとお高いサーロインステーキのような、ほどよい柔らかさとそれでいてちゃんと肉を感じさせる手ごたえと・・・。


「あぁぁぁぁ!アカン!アカンでマー君!そ、そこは・・・あぁぁぁぁ!」


僕の下で悶えるサーロインの固まり。サーロイン・パーマネントミセス。


なんだこれ。どうしてこうなった。


「お、押すだけじゃなくて、もっとこう・・・優しく、時々強くこの腰の辺も揉んでほしい!」


リクエストに答えて腰を揉む。よく揉む方が柔らかくなるであろうよ。


「あ!ああっぁぁあ!!」



押して鳴き 揉んでも鳴きの 熟女かな まさよし



「・・・んっ・・・はぁ・・・。」


声を出し疲れたのか、小さく吐息を吐くよしえさん。


お風呂上りのいい匂いが、少し汗ばんでさらに女性的な匂いがする。相変わらず小さな吐息で悶えるよしえさん。


なにか、僕の中の新しいトビラが開きかけているような気がする。


ギィィィ・・・。


『コッチへコイ・・・コッチヘコイ・・・』


扉の向こうからは、悪魔が手招きをしていた。


あぁぁぁ!いやいやいやいや!ダメだダメだ!相手はチリチリパーマだぞ!!冷静になれ!!


「ま、マー君・・・。もっと・・・。」


僕の顔をうるんだ瞳で見上げるよしえさん。


ダメだダメだダメだ!相手はチリチリだぞ!オバサンだぞ!サーロインだぞ!!!


サーロイン・・・ステーキ・・・美味しい・・・。


『コッチヘコイ・・・コッチへコイ・・・』


チリチリパーマを覗くとき、チリチリパーマもまたこちらを覗いているのだ。


あぁぁぁぁっぁ!!これ以上はダメだ!頭がおかしくなりそうだ!


「あ、あの!今日はちょっともう疲れたので、もう寝ようと思うのでこの辺にしてもらえませんか!すみませんけど!」


「あ・・・あぁ。そやね。ごめんごめん。あんまりマー君のが凄かったからつい・・・。ほな、おやすみな。はよ寝るんやで。」


そう言って、フラフラになりながら僕の部屋から出て行ったよしえさん。


もう今日は心底疲れたし寝よう。そう思ってベッドに横になった。


とてもいい匂いだったのが、凄く腹が立った。

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