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これが放課後で相手が幼馴染だったらよかったのに

・・・にしても、気まずい。なんだかよくわからない世界でなんだかよくわからないパーマのオバサンと2人きり。無言で歩くのも正直キツイ。


これがもし見た目も可愛い性格も優しいお姉さん女神様なら、沈黙もいい感じのドキドキ感になっただろうに、僕の隣にいるのはパーマネントミセス。


ただの自称女神だし、本物かどうかも怪しい。そもそも、どうしてこんな事になったのかもよくわからない。


そんな事を考えていると、よしえさんが話しかけてきた。


「マー君はあれ?彼女とかおったんか?」


なんだろうこのオバサンは。いきなりぶっこんできた。


「いや・・・。彼女は・・・。」


僕の人生の中で今までいた事はない。恋愛に憧れはあるけど、どうしても女性を前にすると緊張してしまって上手くいかない。


「1人もか?」


「・・・はい。」


「そうか~。ほなアレか。マー君は童貞か?可愛らしいやないの~!じゃあ、チューもまだか!」


なんだこの失礼なオバサンは。


「ほな頑張って魔王倒さなアカンね。そしたらモテモテライフや!あれやろ?ハーレムとかいうやつ。メイクラブやな!」


魔王を倒す・・・。そう。それですよ。大事な事なので確認しておかないと。


「・・・その、魔王討伐?とかいうのはどういう事なんでしょうか?なんか、急にローブの人に勇者だとか言われてボタン押したら突然ここに来て、なにがなにやらさっぱりわからないんですけどよしえさんは何か知ってるんでしょうか?」


少し早口で一気にまくしたてた。


「ん~・・・。私もあんまり詳しくは知らんのよ。それに、知っててもその辺の仕組みの詳しい事は言うたらアカンのやわ。」


よしえさん、まさかの秘密主義。


「そうですか・・・。じゃあ、魔王ってどんな人なんですか?やっぱり悪い人なんですか?」


僕が質問すると、よしえさんは少し考え込むようにしてこう言った。


「・・・そらもう、悪いなんてもんちゃうよ。手下のモンスターを使って世界を征服しようとしてるんやからな。」


僕の思う魔王感と、実際に異世界に住む魔王とはそう大差ないらしい。


「・・・僕、帰れるんですかね?元の世界に。そもそも、どうして僕なんでしょう?勇者とか突然言われても・・・。」


たしかに、自主的にボタンを押したんだけど、よくわからない事が多すぎて不安になってきた。


「その辺は・・・。たぶん・・・。大丈夫やと思うよ。」


よしえさんは、僕と目を合わせないでそう言った。


「あ!ほら!街に着いたで!」


気がつけば、もう街が目の前だった。やはりモンスターがいるんだろうか。高い塀にグルっと周りを囲まれた町並みは、元の世界では見慣れない威圧感がある。


「・・・ん?」


なにか街の様子がおかしい事に気付いた。おそらく門番がいそうな入り口には誰もいないし、どうにも街の中から火があがっている気がする。


「アカン!マー君!中の様子を見に行くで!」


よしえさんと2人、走って街の中へ入った。

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