第十二章の6
「だから、何をしていたのですか。」
どう説明しようか。
俺は今、ものが散乱した部屋で正座をしている。先ほどまで綺麗に折りたたまれていた服も面影がない。
「よくもまぁ、散らかしてくれましたね。お陰で掃除したのが無駄になりましたよ。」
俺の前には腕を組みこの状況を作り出した犯人を蔑む井端さん。いつ以来だろうか。
久しぶりに出会った矢先にこれだ。
俺は先ほどまで、仕掛けられたものがないか、無くなったものがないかを知るため自室を隈なく調べていた。最初こそ一か所を調べ終えるたびに片付けていたが途中から面倒になったのだ。
そして、床が物で溢れたころにインターホンを慣らすこともなくいきなり玄関の鍵が開き井端さんが部屋に上がり込んできたのだ。
再会した時の挨拶は「何しているのですか。」体調を聞かれるのではなく、俺の行動に対しての質問。
叱りつけるように言ってくれたのならまだよかった。ただ低く、抑えた声で言い聞かせるように訊ねてきた。
この問いかけに俺は身震いし、今までにないほどの速度で姿勢を正し、正座して今に至る。
「どのようにお詫びをしてくれるのですか。」
詰め寄ってくる。実際は変わらぬ現状。しかし、ガラス細工のように繊細な俺の精神が錯覚させる。
「聞いていますか。」
「はい。此度は申し訳ありません。」
井端さんが部屋を片付けてくれたとは思っていなかった。
俺が避けられたこともあったのだ。
「なら、どうしてこのようなことになったのか説明してください。」
「はい。それは」
こうして俺はすべて吐くことになった。
理由を聞いた井端さんは黙って部屋を掃除したことの非を認めるも散らかした俺への非難は続いた。
怒り疲れた井端さんにため息交じりに散らかった部屋を掃除するよう求められるも正座をしていた足が悲鳴を上げていたためしばらく動くことができず、結局井端さんが片付けてくれた。
火曜は投稿できずすみません。




