第十一章の12
今日はなんだかいろんな人と交流するな。
交流だと言葉が合わないな。意外な出会い、という意味では遭遇か。
冷菜のリハビリは9時からだったそうだが、時計はそれを優に超えている。
しかし、リハビリを終えているかといえば首をかしげるものがある。
何とも中途半端な時間だ。
こうなったのは十中八九、麗化との会話、いや、愚痴を聞いていたことによるものだろう。
「どう入っていくのがベストか。」
頼もう。と、大声で叫んでノリと勢いだけで入っていくのはどうだ。
これは遅れたことを払拭するほどの印象を与えることができる。しかし、冷めた目が返ってくるのが目に見えているな。
モーションであくびをし、相手にいつのまにか寝ていた。という言い訳を植え付ければ、相手が勝手に察して適当な理解をしてくれるのではないか。
ただの阿呆だな。今朝言われたのにそれを考えずに俺が寝たことになる。
ならば遅れたことを謝罪し手土産を持っていくのはどうか。どれほどの重責を負っているのだ、俺は。仕事でも何でもない、ただの顔出しだぞ。
考えるのに疲れる。コーヒーでも持って行って、感情のこもっていない労いの言葉を言えば終わりだ。これこそベター。当たり障りのない行動だ。
そうと決まれば早速、給湯室へいってコーヒーを…
「場所、知らない。」
ここにきて重大なミス。俺は今の今まで給湯室へ行ったことが無い。教えてもらったこともない。ただ、存在することは知っている。
今思えば、依代さんに持ってきてもらうばかりで、自ら淹れたことが無い。なんという失態。
これでは、気の利かない遅刻した人。というイメージだ。
この状況を打破するウルトラCを考え出すほかないのか。だが、こうしているうちにも時間が。
落ち着け、俺。深呼吸だ。深呼吸は短く2回吸ってから吐く動作、だったよな。擬音語ならヒ、ヒ、フー。
「これは出産だ。」
取り乱しすぎだぞ、俺。
「おはよう、二式君。今なら、こんにちはかな。」
笑いをかみ殺したかのような声。感情が入っているが誰かはわかる。
「接客だと“おはようございます”の時間ですね。環さん。」
短いですが許してください




