第十章の11
次回は6月19日です
あれから冷菜は目を覚まさない。
学校は剛田の一件により変わらず休校となっているため、出席数は大丈夫ではある。だが、それは目を覚ました場合にかかわってくるものだ。
もし、最悪の事態になったら。
「考えたくないものだな。」
俺は二回注射を打ち、その二回とも助かった。だが、それで冷菜が助かることが証明された訳ではない。
「二式君。」
「依代さん。」
「今回打った注射は二式君に打ったモノよりも改良されているよ。百パーセントという事ではないから神頼みであることは変わらない。でも。」
慰めのつもりだろう。
だが、神頼みであることは変わらない。この言葉で余計に心配になる。
「依代さん。冷菜はすべてを知ったうえで選択したのですか。」
「そうだよ。薬についても話したし、能力者のこと、逮捕協力も。」
「冷菜は死を恐れなかったのでしょうか。」
「それは分からない。でも、それ以上に二式君との関係への思いが強かったんじゃないかな。」
「俺との関係、ですか。」
「うん。実は、君が来る前に話をしていたんだ。その時、霜月さんは終始、二式君のことを気にかけていた。」
冷菜が俺を。
「彼女は強いね。だから二式君。彼女の強さを信じてあげよう。きっと大丈夫。」
依代さんの発言には根拠なんてものはない。結局は確立。しかし、この言葉に俺の心はなぜか軽くなった。
冷菜。頼むから目覚めてくれ。




