第五章の4
冷菜にどうやって謝ったものか。
呼び出すか、それとも謝罪の意を込めて手紙か。それはさすがにやりすぎだろう。
やはり、話しかけて、それとなく謝るのが一番か。
何故いきなり謝りかたを悩んでるのかって?
それは、華さんから別れ際に言われたからだ。「冷菜さんが、学校に来る約束を破られたことを怒ってましたよ。」と。最後に、先輩からのアドバイスとか言っていたがどう言う意味なのだろうか。
学校に行けなかったのは、逮捕協力とかいう物に巻き込まれたからで責任は俺にないと思える。しかし、説明できる内容ではないし、学校に行く約束を忘れていたのもまた事実だ。
それに冷菜の機嫌を損ねたくない。
何が原因かは忘れたが、冷菜を怒らせたことがある。冷菜はいわゆる静かに怒るタイプで、話しかけても反応しないし、一度怒ると長い。あの時は3日間無視され続けた。だから、謝って怒りを鎮めてもらいたい。
「よう、冷菜。」
「こんにちは、ひーくん。」
教室に戻ってからすぐに話しかけて見たが、かなりご立腹のようだ。いつもは返答あっても時候の挨拶はない。精々、朝の「おはよう」ぐらいだろう。
そういえば、今日、これが初めの会話だ。朝一番に謝ればまだマシだったのかもしれないな。
「この前、学校に来るとか言ってたのに行けなくて悪かったな。」
「気にしてないですよ。」
確実に気にしていますよね。柔らかな言い方じゃなく、言い放っているから。
「誰から言われて来たんですか。」
早速来たか。俺の行動原理は読まれやすいのか。
「可変 華さんから言われました。」
経験則からここは素直に認めるのが吉。
「取り繕うこともしないんですね。」
「他の人ならやってたかもしれないが、冷菜は直ぐに見破るだろ。」
「二人は阿吽の呼吸だからね。」
「宮か。」いきなり入って来るなよ。心臓が止まるかと思った。
「誠意を持って霜月さんに謝るべきだよ。なにせ、二式が学校に来るはずだった日に全教科分のノートを持って来てたんだから。」
マジかよ。それは悪いことをしたな。
「冷菜、改めて謝る。ごめん。」
「もうすぐ従業が始まる時間です。自分の席に戻ったらどうですか宮さん。それとひーくん。」
「余計な気遣いだったかな。じゃあ僕は戻るよ。」
これ以上話を続けたら、次は無視になるかもしれないな。ここは引こう。
「あぁ、そうするよ。」




