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泡沫の夢、幻の未来  作者: 蚊取り線香
第五章
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第五章の1

「眠い。今日から学校か。」


ミリタリーヲタ2人の能力発動条件を聞いてから自分にあった発動条件を考えた結果、眼鏡をかける事を発動条件にした。


視力自体は悪くないが持ち運びしやすいだけでなく、周囲から不審に思われない。さらに、着替えたりしないため労力もいらない。


そんな素晴らしいものを発動条件に決めたのだが、このスクエア型の紺色フレーム眼鏡を選ぶのに気疲れするようなことが起きたのだ。


そのことは後の機会にでもはなそう。今は、この閑散とした自分の部屋で朝食を用意しなければ。


麗化曰く、俺がリストになった事で、提出する資料の作成で1週間ほど忙しい。


これは、今まで家事全般を請け負ってくれた井端さんも例外ではないそうだ。しかし、不定期ではあるが時間を捻出して家に来るとの事。理由は、俺が怠惰な生活を送ってないか気になる、だが。


瞳の色は、月の初めに政府から封筒で送られてくる変色する前の瞳の色に似せたカラーコンタクトを使えば、誤魔化すことができるらしい。


朝食を食べ終え、俺は早めに学校へ着くように家を出た。学校に行ってなかった間の勉強を埋めるためと言えば真面目な学生と呼べるのだが、転校生について知りたいというのが本音だ。


7日と能力の発動練習をした3日、計10日明けての登校。すっかりサボり癖のついた俺はこう思う。


「行きたくない。」


学校に着くと、驚きが待っていた。10日間休んでいた俺に対して質問や心配の声が全くないのだ。


「先生が一気に代わる。」


校内の生徒はこの話で持ちきりなのだ。担任が代わるのかとも思ったのだが、どうやら違うらしい。

遠山高校の先生が大勢辞めて、それを補うかのように新任する先生が、これもまた大勢入ったそうだ。


そして、この辞めた先生の中に俺たちの担任もいたようで、1-Cクラスを請け負う先生が変更するという。


ちなみに、前任していた先生は、思わぬ臨時収入で働かなくても一生遊んで生活できるようになった、という理由で辞めたらしい。


何とも羨ましい話なのだが、どこか怪しい。俺が学校に通い出すタイミングと重なっているし、遊んで暮らせるだけのお金を他人に気前良く渡す人なんかいないだろう。


「担任は男かな?女かな?」や「担任はカッコいいかな?それとも可愛いかな?」などの話を友好関係が壊れない程度でいい加減に答えていると予鈴が鳴り、今日で辞めるはずの前担任の先生と1人の白衣を羽織ったリムレス眼鏡の男性が教室に入ってきた。


「みんな席に着いたか?今日で俺は先生を辞める事になるが、これからお前らの担任を紹介するぞ。」


それはもう、ストレスが消えたかのようにスッキリとして晴れやかな声だった。ここまでされると物言う気にもなりませんよ。


「これから担任を務めさせていただきます、帯刀(たてわき) 鏡也(きょうや)です。よろしくお願いします。」


知ってました。顔を見て一瞬で分かりましたよ。眼鏡の一件以来ですね帯刀さん。


そう、俺は能力発動の条件で話ある眼鏡を選ぶ時に、馬鹿みたいなスケールの体育館でこの人と会ったのだ。

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