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第三章の4
どうなっている。
なぜか俺は自身の身体のことよりも現状況の把握が優先した。
もう一度思い出せ、さっきの情報を……
相手が脚に力を入れた瞬間、俺の近くに来て腹部に衝撃、後ろに突き飛ばされて植木にぶつかった。
今の情報では少なすぎる。もう一度さっきと同じことが起きれば答えが導き出せるかもしれない。
何を考えてるんだよ俺。このままだと死んでしまう可能性がある。逃げることが先だろう。
「おまえチョッキ着てやがったのか。」
そう言って男は俺を殴ったと思われる右手を上下に振る。
彼の言うチョッキとは防弾チョッキの事だろう。これはパトカー内で図体の大きい警察官から渡されたものだ。
防護性は男性職員いわく、ないよりマシ。防弾にはあまり向いていないという事だろうが、人の拳からは護ってくれるようだ。
しかし、チョッキありでもあの衝撃。もし無かったら今頃……
あまり考えないでおこう。今はあいつの能力だ。
このまま座り込んでいてもただの的だろう。あの攻撃を避けられる気はしないが、立っている方が何かしら噛みつく事が出来るかもしれない。
今度こそ見切ってやる。




