第十三章の5
「どうしてこうも面倒事をポンポンと…」
もって来るかな、と頭を抱えながらため息交じりに言うのは麗化だ。
今いるところは俺の部屋、葉山荘だ。ファミレスで解散した後、俺の家で宮と落ち合う予定であった。人数等、詳しい事は決められていなかったが、宮と俺の二人だと思っていた。
しかし、蓋を開けてみれば俺、宮、麗化の三人だ。想像のできない組み合わせだったため、理解するのにしばらくの時間を要した。
「宮。確認だが、お前は能力者ではないのだな。」
「うん。ただの監視。情報を政府へリークする役。」
そう、驚いたことに宮はこっち側の人間だったのだ。
これ程身近に政府の人間がいるとは思わなかった。
もう、俺のクラス全員が関係者と言われても驚かないんじゃないか。
「で、それを俺に教えて何かあるのか。」
「それは僕が政府関係者であることを教えることかな。で、ここからなんだけど。」
そういうと宮から表情が消え、声のトーンが下がる。次の話題が本題であって重要なことを言うのだろう。
「僕の姉さんが第四課へ配属された。」
宮は何と言った。第四課へ宮の姉が。いや、宮に姉がいたことも驚きだが、その姉が第四課へ配属。
「これは私からも説明しようかな。」
非常に面倒くさいようであからさまな溜息をし、できれば関わりたくない、なし崩しで、そして自分の意志で巻き込まれたのではないことをアピールするように言う。
「こいつの名前は宮辺 宮成。友達の名前だから君も知っているかな。そして、名字は漢字では宮と辺、彼の名字ではクベと読んでいるが、ミヤベとも読めるかな。これでわかるかな。」
ここであることを思い出す「宮辺さん、シカへ左遷されるみたいね。」俺が地下研究所で居た時に聞いた会話だ。
「もしかして。」
「そうそれかな。」
なんといえばよいのだろうか、漢字を読みかえれば説明として成り立つと思っていることもそうだが、何より宮辺さんとやらを俺が知っている前提で話をしたことが可笑しい。
これだと女性職員が宮辺さんの左遷を俺が聞き耳立てていたことを知っているようではないか。
「宮辺 香。実名、宮辺 香。大学の学生だった彼女が地下研究所へ研究員として配属されるときに名字の読みを変更、そして家族との縁を切り、携帯電話等の連絡手段を遮断、外部との繋がりを無くしたかな。」
もしかしなくても、あそこにいる研究員、全員が宮の姉のような状況に置かれているのか。外部との連絡が取れず完全に社会から孤立、表に出ることもできない、話したりできるのは同じ研究員のみの状況。最悪だな。
「そして、突然連絡が取れなくなったことに疑問を以って弟の宮成が奔走。政府もお手上げ、政府関係者として手元においておくしかなくなったかな。」
執念だな。政府が音を上げるって相当だぞ。
「で、今その姉が第四課へ異動。弟が必死になっているかな。」
これに俺も巻き込まれているのか。麗化ではないが、俺も気が重くなってきた。
師走。。。
本当に師が駆けるほど忙しい季節ですね。。。
今週も2話投稿できそうにないです。
次回の投稿1/1になりそうです。




