天使見習いの半魔族なおいらと団子好き天使な師匠
冬童話2016参加作品です。
遅くなっちゃったみゅ。
怒られちゃうみゅ。
おいらは勢い良く走った、屋根の上は気持ちいいけど遅れるとお仕置きされるみゅー。
三ヶ月がうっすらと中天にかかるのが見えた。
猫会議が長引いちゃったみゅ。
向こうに家が見える……そして麗しい師匠の金髪も街灯に浮かんで見える……みゅー時間切れですかみゅ。
「ハルキさん、夜遊びはいけませんよ」
師匠がおいらを抱き上げた。
「みゅー」
おいらの黒い耳が伏せられた。
「良いですか? お外には悪いどら猫がたくさんいるんです、ハルキさんみたいな美人猫はすぐに食べられてしまいます」
「みゅー」
おいらは師匠の青い目をみた。
そこには小さな黒猫が写っている。
そう、おいらは黒猫だみゅ。
でも本性は違うみゅ。
「では帰りましょう」
きっちりとホールドされて連行されたみゅ。
筋骨隆々美丈夫ってさいてーにゅー。
師匠とおいらの家は人界のとある地方都市にあるみゅ。
小さな一軒家で防音はさっき師匠が術かけたから完璧だみゅー。
「夜遊びの理由を聞きましょうか? 」
師匠が腕組みしながら本性の人間に黒い猫耳と尻尾のある猫人姿で正座しているおいらの前に立ったにゅ。
「お友達のハナちゃんと恋バナしてたら遅くなっちゃったのですみゅ」
女のコトークは楽しいみゅ。
「ハナちゃんというのは? 」
「有田さんのお家の三毛猫みゅ、美人さんみゅ」
師匠が眉間にシワを寄せたので慌てて答えた。
「そうですか……でもお仕置きです」
「お、お団子……」
おいらはブルブル震えながらつぶやいた。
「団子?」
「みたらし団子を貢ぐのでゆるしてほしいみゅ」
いつでもとびだせるように猫型になってかけかけて転んだみゅ。
足が……足がしびれてるみゅ。
「本当に天軍大隊長のご令嬢はのろまですね」
首筋をヒョイっとつかまれて猫姿で目を合わせられた。
「セリアシス師匠ちょっと首が苦しいみゅ」
「さて、今日はくすぐりにしましょうか……」
師匠が片手をワキワキさせた。
いや~んくすぐらないでーお耳は許してみゅー。
ハアハアと息切れしながら身体をグルーミングしていると師匠の通信機がなった。
師匠がすぐ出て応対する。
「ハルキさん、仕事のようです」
猫姿のおいらを膝に乗せて楽しそうに見ていた師匠がすくっとたった。
背中に四枚の翼が出現したみゅ。
ころんと転がったままおいらは羨ましくなったみゅ。
普通の長ティーにジーパンの格好が光とともに黒い軍服と黒ローブに変わる……そして手には棒のついた網ですみゅ。
天使連合軍の活動服かっこいいですにゅ。
バサッとローブの帽子を被って顔を隠す様はクールですにゅ。
「ハルキさんも着替えなさい」
「はいみゅ」
おいらも四次元空間から軍服と黒ローブを猫サイズにして取り出して着たみゅ。
背中のちっちゃい翼がはずかしいみゅ。
窓から師匠に抱えられて飛んだ。
おいらの翼は役立たずなのであんまり飛べないみゅ。
下に広がる地方都市の家々の灯りを見ながらおもいをはせた。
おいらは大天使のお父ちゃんと魔族のおかあちゃんを持つ……半魔族だみゅ。
お兄ちゃんもおねえちゃんもみーんな天使なのにー。
なんでおいらだけ半魔族なのにゅー。
だから天使になるために師匠と特訓中なのにゅ。
魔界に行きたくないみゅ。
おかあちゃんは帰りたがってるけど……きっと魔界は恐ろしいところに決まってるみゅ。
「寒いですか? 」
「純毛100%だみゅ」
心配そうな師匠にちょいと前足を上げた。
そうですねと楽しそうに笑って師匠が神社に舞い降りた。
由緒正しき風の神様をお祭りする神社の神域は夜なのにあかあかと灯りがともりざわついている。
神使さんが通信機を手にホッとしたようにお辞儀をした。
案内されて社殿の前に来るとしーんと静まり返っている。
御座で風を織る神様が扉を閉めて閉じこもってしまったらしい。
「風司主様お仕事のお時間でございます」
白い着物に水色の袴に何かの動物の仮面の神使さんが社殿に声をかけてる。
「起きてこられませんか? 」
師匠が声をかけると神使さんが静かに頭を下げた。
「風音様が風寝様になってしまいました」
「そうですか……風司主様出てこられて仕事をされる気はございませんか?」
眼光鋭く師匠が社を見るとスーっと戸が開いた。
「われは失恋したのじゃ、ふて寝くらいさせてたもれ」
銀の髪を長く垂らした浅葱色の目の女性が風紋の綺麗な軽やかな衣装で出てきた。
泣きはらしたのか目が少し赤い。
師匠が目でお行きなさいといったみゅ。
「お仕事してほしいですみゅ」
おいらは師匠の腕からでて風司主様の前の地面に座って前足で拝んだ。
まずは下手にでるんですみゅね? 師匠。
「かわゆいのう……じゃが……」
風司主様が目を細めた。
羽扇をすっとだして神気が放たれる。
「魔族が何故わが神域にいるのじゃ!! 」
羽扇が一閃して何故かペチっと頭を叩かれた。
「痛いみゅ」
両前足で頭を押さえた、涙が出そうになったから上むいてこらえるみゅ。
「風音様は鬼です」
あんなにかわいいのに叩くなんてと神使さんが風司主に抗議した。
師匠がおいらの前に出た。
「風司主様……うちの弟子が失礼いたしました」
師匠が丁寧に礼をした。
「わ、分かれば良いのじゃ」
風司主様がたじろいで後退った。
「力不足の弟子に変わり、私がしっかりお相手させていただきます」
師匠が網を構えた。
「生意気じゃ」
風司主様が羽扇を一閃した。
暴風が起こって立ってられないみゅ。
「みゅーん」
「大丈夫?」
飛ばされそうになった所を神使さんにつかまれる。
さすがに風の神使さんは飛ばされないみたいだみゅ。
師匠が風の中で翼を広げた。
荒ぶる風司主様に飛び込んで網をかけるのが見えた。
「なんじゃ! 」
風司主様がクルクル縮んで手のひらサイズの銀と青色の小鳥に変わった。
風が止まった……
「失恋には同情致しますが、仕事をサボる神様方をいさめるのが私達天使の定めでございます、ご容赦を」
「われをいさめるなど……」
ピーピーと言う鳥の声とともに風司主様の声がした。
「ちょうどよいサイズですね、弟子をけしかけますよ」
師匠が暴れる風司主様を結界をしいた籠に閉じ込めてスーっとおいらの前に出した。
羽がフワフワして丁度いい獲物なのみゅ。
ちょいちょいと神使さんにだかれたところから手を出した。
「やめよ、バカ魔族!! 」
風司主様が翼をバタバタさせた。
ますますそそられるみゅ〜。
チョイチョイと前足で翼をさわろうとするのに……なかなかつかめないみゅ。
「ああ、このこは魔族ではありません……半魔族で未来の天使見習いです」
おいらから風司主様を離して師匠の目の前に持ってきたみゅ。
「そなた……麗しいくせして鬼畜じゃのう」
プイッと顔をそむけて仕事をするからここから出すようにと風司主様はつぶやいた。
「最初からそうしていただければこちらも手荒な真似はいたしません」
「ふん、そこな、ま……いや猫の為にわざわざ縮めたくせに」
風司主がかごから出されてすぐに人型に戻った。
「風音様、お仕事が滞ります」
神使さんにうながされて風司主様が社殿を向いた。
そのまま御座について風を織る。
風があたりを吹き出した。
神使さんに丁重にお辞儀をされながら神社を出たみゅ。
「……ミニエイトでもよって団子買いましょうか」
「ツナマヨおにぎり欲しいですみゅ」
おいらは師匠の肩に乗ってねだった。
はいはい、いいですけど入るときは人型でねと師匠が支えながら答えたのでクルンとまわって降りて猫耳と尻尾のついた人型になった。
着てるローブは伸縮自在なのでそのままでカッコいいですみゅ。
下もきちんと天連の見習いの軍服ですみゅ。
自動ドアが開いたみゅ。
「いらっしゃいませ……」
あ……またコスプレ父娘が来たよと店員がつぶやいたのが聞こえた。
ほとんど聴こえないくらいなんだけどおいら猫人だからきこえるみゅ。
コスプレってなんなんにゅ? おいらと師匠は親娘じゃないですみゅ。
この辺りの神社とか仏閣とか教会とか神殿が多いからついこのコンビニで帰りに買い食いしちゃうみゅ。
「カップDEみたらしにしましょう」
「ぐ~沢山ツナマヨおにぎりあったみゅ〜」
おいらはぴょんぴょんとんで取ろうとするとおにぎりを師匠がとってくれたみゅ。
本当にあの衣装どこのアニメのコスプレなんだろうと店員さんがつぶやいてる。
天連……天界連合軍の軍服とローブだみゅ。
「では買って帰りましょう」
師匠がレジに商品を置いたみゅ。
帰り道、猫に戻って師匠の肩の上で見た朝焼けは綺麗でいつになったら一人前の天連の軍人として働けるんだろうと思ったみゅ。
天連……天使の仕事は今日みたいなサボってる神族をさとしたり、捕まえたり……あと困ってたらサポートするのが仕事だにゅ。
おいらは……半魔族だしお母ちゃんみたいに猫人で超小柄だみゅー。
修行すれば天使になれるかみゅ。
師匠の綺麗な顔を見た。
朝焼けに照らされた師匠の顔はキリッと凛々しくて綺麗でドキッとしたみゅ。
「大丈夫ですよ」
師匠が何か察したようになでてくれたみゅ。
「うーんみたらし団子は最強グルメですね」
お家に帰ってハムハムツナマヨおにぎりを食べてたら団子を朝日にかざしてうっとりする師匠見ちゃったみゅ。
さっきのキリッとした表情が台無しだみゅ。
うっとりとみたらし団子を口に運ぶ様は綺麗だけど不気味だみゅ。
そう……師匠は団子……特にみたらし団子至高の変態? だみゅ。
仮眠をとってからそっと猫型で猫用ドアを抜け出たみゅ。
今日は怒られないように団子代持ってきたみゅ。
猫仲間に会いにいくにゅ。
会田さんのうちの二階の屋根で猫会議ちゅうだみゅ。
おつまみは美味しい煮干しだみゅ。
『ハルキちゃん、ししょうさんのことが好きなの? 』
ハナちゃんが尻尾をフリフリした。
『おいらは師匠よりツナマヨおにぎりの方が好きだみゅ』
おいらは煮干しをかじりながら空を見た。
『ハルキはガキだなぁ』
キジトラのゲンタが煮干しに爪をかけて引き寄せた。
『ゲンタにあげると言ってないにゅ』
おいらはゲンタの手を叩いたみゅ。
『ケチ、この黒チビ』
『おいらチビじゃないにゅ』
『そんなんだから恋もわかんねーんじゃねーか』
おいらはゲンタに猫パンチをかましたみゅ。
やったな〜 やったみゅ〜 と猫パンチでする喧嘩している横を灰色猫のカーナママがあらあらと言いながら子猫三匹を連れて通り過ぎていった。
疲れたゲンタとおいらは屋根の上で寝っ転がって休戦したみゅ。
空に綺麗な雲が浮かんでいて……平和だみゅ。
遠くでなんか飛んでるのが見えた。
眠いみゅ……
「魔族が俺の領域で寝てるとはな」
気がつくと黒いカラスみたいな翼の男性に首を持ってぶらさげられていた。
「みゅーん? 」
「風音の匂いがする……」
不機嫌そうに男性がおいらをにらんだ。
『は、ハルキを離しやがれ』
ゲンタが男性に猫パンチを繰り出して避けられた。
「ふん、ケダモノごときが……」
男性は忌々しそうにつぶやいてそのまま飛びはじめた。
師匠の飛行と違って怖いみゅ。
ゲンタは呆然ところがっていてハナちゃんが慌ててどっかにかけてくのが見えた。
「おいらは天連の見習い軍人だみゅ」
「ああ、あのこうるさい連中か? お前……魔族だよな? 」
「おいらは半魔族でいずれ天使になるために修行中だみゅ、あなたは誰ですみゅ? 」
男性は半魔族が天使だとと鼻で笑った。
本気だみゅ、お母ちゃんは魔族からとうちゃんの浄化? で天使族になった実績があるみゅ。
どうやってなったのかは知らないけど……
「俺は風音の元カレと最近の言語でいうのか? 放浪の旅をし過ぎて捨てられたんだが……」
闇を背負ったかのように男性は暗くなった。
「風司主様は未練たっぷりだみゅ、復縁頑張るみゅ」
おいらは慰めてみた。
そうか……そうだよなと言いながら男性は古い社殿の上に降り立った。
雨模様の装飾が麗しいみゅ。
「嵐守尊様、おかえりなさいませ」
綺麗なお姉さんが天女みたいな格好で羽衣をひらめかせて屋根まで飛んできた。
「変わりないか?」
ぶらーんと下がるおいらを片手に嵐守尊様が尊大に聞いた。
「風司主様のところで昨夜何かあったようでございます」
「そうか、このちび魔族と風音のところに行く」
ニヤリと笑って嵐守尊様が社殿から飛び降りた。
「風司主様にご連絡を……」
天女さんがいいかけた時にはもう遥か彼方だったみゅ。
男性は空中で大きな黒い鳥になって私を一瞬放り出してくちばしに挟んだ。
く、食われちゃうみゅ〜。
ジタバタすると落ちそうなので固まった。
嵐守尊様にくわえられたまま空を再びとんだ。
「おかーさん、子猫ちゃんがカラスにつかまってるの」
「お母さんは見えないわよ」
小さい児が指差すのをお母さんらしい人が目を細めてみた。
あ~たぶん見えないみゅ。
結界が張ってあるから……でもあの児は不思議が見えるみたいみゅ?
見覚えある社殿に降りた。
猫型のまま放り出されたので逃げようとしたらまたつかまって今度は両手で脇の下を持たれた。
「愛しい風音〜」
「なんのようじゃ、この唐変木」
嵐守尊様の呼びかけに風司主様がつかさず返した。
「この半魔族から聞いたんだが俺に未練が……」
少したじろいで嵐守尊様がおいらを前につき出した。
風司主様がほーっとつぶやいて目を細めた。
羽扇を出したので慌てて逃げようとモゾモゾしたみゅ。
「小さき者を盾にする臆病者など未練はないわ」
羽扇を空中で切ると風が刃のように飛んだ。
嵐守尊様の腕に直撃する。
痛いとうめく嵐守尊様の腕からおいらは落ちていった。
うけみとれるかみゅ?
「まったく……困った弟子ですね」
師匠の声がする……筋肉質の腕に安心感を感じるみゅ。
気がつくと黒ローブ姿の師匠に抱きかかえられてた。
「師匠〜怖かったみゅ〜」
おいらは師匠の筋肉質のお腹にしがみついた。
「猫語思い出すのに時間がかかりました……無事でよかった」
ハナさんが知らせてくれたんですよと師匠がおいらの背中を撫でた。
ああ、気持ちいいにゅ。
振り返ると風司主様が羽扇を大きく変えているのが見えたみゅ。
「わが気持ちも知らず全国津々浦々に女がおるのであろう!! 」
「わ~風音、やめろ! 」
風司主様が大きい羽扇で嵐守尊様をあおいだ。
暴風が吹き荒れる。
師匠がおいらを抱えたまま木陰に隠れた。
「俺は……放浪癖はあるが……」
嵐守尊様が前で腕を交差させて耐えながら声をしぼりだした。
「な、なんじゃ」
風司主様がたじろいだ。
「女は風音しかいねぇ〜愛してる〜」
嵐守尊様がさけんだ。
ぴたっと風が止まった。
風司主様が両頬をおさえて社殿の方へ逃げた。
嵐守尊様が風音〜と叫んで追いかけていった。
「やれやれ……痴話げんかは犬も食わないですよ、団子でも買いに行きますかね」
「けんかは猫も食べられないみゅ? ツナマヨおにぎりがいいみゅ」
おいらは団子代をチャリーンと肉球で触って師匠を見上げた。
ミニエイト行きますかねと師匠がつぶやいて歩きだした。
「そういえば……師匠、魔族と間違いられちゃったみゅ」
早く天使になりたいみゅと師匠を見上げると何故か師匠が咳込んだ。
「……ハルキさんが大人になったらなれますよ、とりあえず人型になってください」
師匠がコンビニの影で下ろしたので急いで猫人型になったみゅ。
お気に入りのピンクのワンピースと寒いから猫耳パーカーにゅ。
「いらっしゃいませ」
上品そうなコンビニ店員の服の壮年女性が愛想笑いを浮かべた。
あら、ひろき君が言ってた変装親子ってあの人たちかしらとふつうの大きさの声でおばさんがとなりの若い女性店員さんの肩を叩いた。
コスプレ父娘ですよチヨカさんと若い女性店員さんがこちらを見てイケメンな育メンパパに可愛い娘ちゃんっていいなぁとつぶやいた。
おいらたち親子じゃ無いみゅ。
「やっぱりカップDEみたらしにします、ハルキさんは? 」
「ぐ~沢山ツナマヨおにぎりがいいですみゅ」
師匠が自分の団子と一緒にツナマヨおにぎりもとってくれた。
「これだけでいいですか? 」
「おいらが払いますみゅ」
師匠がカウンターに向かいかけたのではいっと手を上げた。
「ハルキさん、気を使ってくれなくても良いんですよ」
師匠はみたらし風パンをカゴに入れてレジに向かった。
「おいらいつもお世話になってるにゅ、今日も迷惑かけたみゅ」
お気に入りの金魚柄の財布を取り出した。
あら、可愛いとチヨカ店員さんが微笑んだ。
「ハルキさんありがとうございます」
師匠が嬉しそうにカゴをカウンターに置いた。
「お願いしますみゅ」
「はい」
チヨカ店員さんはニコニコしながらお会計してくれて硬貨何枚よとか教えてくれたみゅ。
そのくらいわかるみゅ。
背伸びして払ったみゅ。
若い女性店員さんとチヨカ店員さんに手を振って師匠に抱えられて帰るとき店員さん二人がほのぼのしてたけど……どうしてだみゅ?
「さて……帰ったら少し訓練ですね」
「はい、今度こそ神様たちに翻弄されないように頑張るみゅ」
おいらは師匠を見上げた。
師匠は笑って癖の強い人たちですからね頑張りましょうと頭をなでてくれた。
それから後で猫仲間さんたちにお礼を言ってくださいねと笑った師匠は綺麗でドキドキした。
うん、早く師匠みたいな立派な天連の天使になるんだみゅ。
おいらはやっぱりみたらし団子は美味しい今度は三森屋さんで買ってみましょうかとコンビニの袋を見てる師匠に少しうんざりしながら空を見上げた。
あの神様カップルは追いかけっこの結果よりを戻したそうだみゅ。
まったくお騒がせカップルだみゅ。
田んぼの祠でねこける小さな龍にしゃがみこんで声をかける。
「畦守護様〜お仕事してくださいみゅ」
「んぁ……天連のチビちゃんか……こう陽気がいいと眠くてな……」
一瞬目を開けて畦守護様はまたとぐろを巻いて寝はじめた。
畦の水が溢れそうだ。
なんども揺り起こそうとするけど起きないみゅ。
「ハルキさん、甘いです」
師匠が網を構えた。
小龍すくいされた畦守護様がこの無礼天使〜と騒いでる。
ああ、師匠はかっこいいみゅ。
でもこの後また、みたらし団子買いに行くんだろうみゅ。
でも……いつか師匠みたいな立派な天界連合軍の軍人になるんだみゅ。
おいらはシロツメクサさく畦道から空を見上げて改めてちかった。
だから師匠、はやく天使になる方法教えてくださいみゅ。
畦守護様と話をつけた師匠が振り返った。
「ハルキさん、みたらし買いに行きますよ」
「はいみゅ、ツナマヨおにぎり買ってくださいみゅ」
おいらは師匠の肩に乗った。
今日も世の中は平和いいですみゅ。
あしたも平和で師匠とみたらし団子とツナマヨおにぎり食べたいですみゅ。
シロツメクサがゆらゆら揺れて畦守護様じゃないけど眠くなっちゃったみゅ。
読んでいただきありがとうございます❤
中級魔族な僕と大天使なお前の関連作となっております。
魔族から天使のなり方はそちらに……(*´艸`*)一方法ですが……
ハルキはそちらの主人公たちの子供です❤