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従者は侍女兵で魔術師のアリア・コーランと近衛騎士のカミオ・セルナンデの2人か。
ってか、魔力∞の奴に魔術師付けるってどーなんだ? 教師役? でもって騎士に剣も習って、"Wで最強!!"みたいな?
2章:デアイノワオン
*2
顔合わせを終えた3人は音羽の私室にいたが、誰一人としてしゃべらない。主たる音羽が窓辺に腰かけ外を眺め続けているのでは、それもまた当然か。
"カチャカチャ―――コポコポコポッ"
長い事、従者の1人、侍女兵のアリアが紅茶を淹れる音だけが空しく響いていた。
「さて、行くか。」
紅茶を飲みほした音羽はそれだけ言うとさっさと歩きだした。
対する従者2人の反応は実に対照的だった。アリアは「少々お待ちを」等と言って音羽に外套と剣を装備させ、自らも手早く準備を済ませたが、騎士のカミオは「は?どちらへ行かれるので?」と困惑気味で転びそうになりながらついてゆく。
役目としてはアリアの振る舞いが正しいのだろうが、カミオの方が愛嬌があり好感が持てるのではないだろうか。音羽もそのクチなのか、表情を和らげて答えている。
「協会に行くんだよ。宰相殿にも言われたしな」
「もう、依頼を受けられるので?」
「いや、依頼を出しに行く。登録はするけどな」
「はっ?」「左様ですか。」
アリアは納得したようだが、どういう事なのだろうか。一刻も早く実力をつけねばならならだろうに。
*3
冒険者協会に着くと、3人は奥に通されたのだが、音羽は早々に手続きをすませたようだ。
「では、こちらが冒険者カードになります。それから
――ご依頼の方は『ランクDの冒険者に魔法と剣による戦い方を仕込み、二日でランクB以上にする。前金 金貨5枚、成功報酬金貨10枚』でよろしいですか?」
どうやら音羽は手っ取り早く実力を付けるために現役冒険者に教わることにしたようだ。習うより慣れろとも言うが、3日で慣れるとも思えない。なかなか、名案だと本人は考えていたのだがカミオはやや不満げだ。
「何故わざわざ大金を払って冒険者などに教わるのです。剣は私が、魔法はアリアがお教えできます!」
彼にもエリート意識という者があるようでそう主張する。しかし、音羽は呆れ顔でエントランスに向かってゆく。
「そんなこと顔合わせで聞いてるさ。……誰がいいかな。」
数人ずつ固まっている冒険者を見回し呟く音羽。自分でスカウトに行くつもりなのだ。
「では何故ッ――「"魔術剣士"ですか?」
遮ったのはアリア―――ではなく細身の男性。音羽がニンマリ笑っているところをみると当たりらしい。アリアがとっさに向けた短剣をさりげなくおさえているあたりやり手だな、と音羽は評価を下す。
「俺はトワ。失礼ですけどお名前と主なスタイルは?」
「おれはジャックです。魔術剣士でそこそこの腕だと自負してますよ。」
ジャックねぇ・・・、仲間になんのかなぁ
しっかし、魔力∞なんだから無双しよーぜ無s「■□駅~■□駅~」―――あ、降りねぇと