03:魔王様とダンジョン作り モンスター編
6個目の宝箱設置を阻まれた魔王様は、ふくれっ面で机をバシンバシン叩いていらっしゃいます。
よほどおもしろくないご様子。
でもあまり叩きすぎますと、御手が赤くなりますよ。
・・・
ああ、うっかり指を角にぶつけたんですね。
魔王様は悶え苦しんでいらっしゃいます。
「いたい」
「知りませんよ。魔王様が勝手にぶつけたのでしょう」
「ひどい!(ガーン)」
「今どき効果音でガーンを使う人(?)は、あなた様くらいでしょうね」
「ていうかぶつけただけでこれだけ痛いんだから、うっかり剣で斬られちゃったらモンスター達がかわいそうだよ」
「魔王様。なんとお優しい(じーん)」
「いや、じーんも使う人(?)いないと思うよ」
「せっかくの感動を台無しにしないで下さい」
「てなわけで、モンスターは配置しなくていいかな?」
「ジーザス!!」
「いやそれ、人間の宗教じゃん」
「なにをトンチンカンなことを仰っているのですか!カーッ!」
「トンチンカンはそっちの方じゃ・・・」
「モンスターのいないダンジョンなんて、肉じゃがに肉の無いようなものです!許しがたい行為です!」
「え!?食べたことあるんだ、肉じゃが(の、肉無し)!」
「とにかく!モンスターは必ず配置させてください」
「ねえ!肉じゃがってこっちにもあるの!食べたい!」
「(無視)モンスターは、先日新たに誕生したゴーレムがよろしいかと。それと先ほど没収した空箱もモンスターにしてしまいましょう」
「肉ーじゃがー」
「(無視)あとはアンデット系をいくつか呼んで、ラスボスは二丁目の空き地に住んでいるドラゴン兄弟にしましょう」
「肉!じゃが!」
「(無視)仕上げに魔王様の魔力でパワーアップさせれば、勇者にも負けません」
「肉じゃが、食べたいッ!」
「少しは真剣にお考え下さい!!」
魔王様の"肉じゃが食べたい病"は末期のようです。