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26:魔王様と将軍 鳥蛇編

魔王様は、第213代魔王様がお書きになった『金時拾遺物語』をお読みになりながら、本日のおやつのラスクを、紅茶と一緒にパリパリとお召し上がりになっています。

しかし集中してお読みになれないのか、ページを捲る回数よりも、顔をお上げになって執務室の扉を見る回数の方が多いくらいでございます。

正確には、扉の前の二人―――小一時間も低レベルな口喧嘩をなさっている、フォルカー様とモーズグズ様でございます。


「ところで、あの二人はいつまで放置しておけばいい?」

「私が追い出しましょうか?」

「・・・いや、大丈夫(ていうかケロの上司じゃなかった?)」

「あのお二人の家系は、前の前の、ずっと前の代からあのように仲が悪うございます」

「あー・・・まさに犬猿の仲」

「いえ、鳥蛇の仲でございます」

「と、とりへび?」

「はい。あのお二人のご先祖様の仲の悪さがいわれとなっております」

「鳥はモーズグズとして、じゃあ蛇って」

「フォルカー様の本来のお姿は、大蛇でございます」

「マジでか・・・」


「さっさと冬眠したらどうだ、フォルカー?」

「今は夏真っ盛りです!カーッ!」

「なに。お前がいなくとも、私が魔王様をしっかりお守りする故、安心して穴倉に引っ込め」

「黙れ、鳥!!」


「・・・子供だ。おっきい子供が二人もおる」

「魔王様。あのお二人はいかがなさいますか?」

「うむ。保護者として、しっかり叱っておかねば」


そうして魔王様は、大きく深呼吸をなさって―――


「じゃかしいわー!!(訳:うるさい)」


魔王様の強大な魔力で、フォルカー様とモーズグズ様が扉とともに吹っ飛びました。

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