23:魔王様と将軍
先の勇者騒動で、魔王様はひとつ疑問に思われたことがあるらしいのですが。
「ねぇフォル。」
「いかがなさいましたか?」
「この国って、軍とか将軍とか―――」
「ヒッ!!」
「ど、どしたのフォル?そんな、初めて納豆を食べた外国人のような顔して!?」
「魔王様。例えが微妙かと」
「ケロ!フォルが変顔になった!」
「それはフォルカー様にとって将軍が・・・いえ、説明するよりご覧になった方がよろしいかと」
「ケルベロス!余計なこ―――」
「それでは魔王様。"ギャッラルブルーの監視役"のモーズグズ将軍をお呼びします」
「え?ギャ、なに?」
「すぐにわかります」
フォルカー様がまだ何か仰っていましたが、私は構わず、執務室の窓から身を乗り出して咆哮しました。地響きのような我が咆哮は、大陸の端にまで届くかというほど響き渡り、風を切りながらしばし木霊しておりました。
ややあって、一羽の優美な鳥が、窓からするりと入り込んできました。
炎のように紅い緋色の羽に、ラピスラズリの群青を宿す瞳。鷲のように威風堂々、獲物の体に食らいつく鋭利な爪―――数多の猛禽類を束ねるに相応しい風格を備え持つ、一羽の火の鳥でございます。
「お呼びでございますか。魔王様」
ギャッラルブルーの監視役"のモーズグズ将軍は、恭しく頭を垂れました。
少々変更しました。
内容はそれほど変わっていませんが、ちょっとおかしなところがありましたので、そのあたりを直しました。
誤字・脱字など、何かおかしなところがありましたら、ぜひご報告ください。未熟者ですが、これからもよろしくお願いします。