02:魔王様とダンジョン作り 宝箱編
魔王様は今日も職務に励んでおられます。
前回、地下2階のダンジョンにケチつけられた為、仕方ないのでもう少し難易度を上げようと頑張っておられます。
が、どうやら難航しているようです。
「ていうか、何階まで作ればいいの?」
「それはもう、深ければ深いだけ」
「あんまり深くても、途中で飽きられるんじゃない?」
「いいえ!愚かな勇者どもは、ダンジョン攻略に命を懸けておりますゆえ!うんと難易度をあげるがよろしいかと!」
「あーまさに命がけだよね、ほんと」
「・・・それはそうと魔王様。机の上にございますこの空箱は、どうなさるおつもりで?宝箱型のモンスターでも生み出すご予定ですか?」
「え?これ?回復アイテム入れてダンジョンに設置す―――」
「なんですとぉぉぉ!?敵に情けをかけるとは何事ですか!カーッ!」
「だってダンジョンの定番じゃん」
「”定番じゃん”ではありません!倒す相手を回復してどうするんですか!」
「じゃあ伝説の武器」
「もっと駄目です!今すぐ!今すぐモンスターに変更なさってください!」
「えー」
「なんですか、その不満そうなお顔は!」
「でももう、五個も設置しちゃったよ」
「ノォォォォォォォォオ!!」
魔王様の半分以上は優しさでできているようです。