10:魔王様と魔法の鏡
いま魔王様は、初代魔王様がお創りになった魔法の鏡をご覧になってらっしゃいます。
それは、遠くのものを映し出す、千里眼の力を宿す魔法の鏡。魔王様にしか扱えぬものでございます。
魔王様は好奇心いっぱいのお顔で、魔王様の身の丈ほどある鏡を眺めてらっしゃいます。
「ケロ。これ、どうやって映すの?」
「・・・ケロとは、私のことでございますか?」
「うん。ケルベロスのケロ」
「然様でございましたか(カエルのようだ)」
「ケロケロッ」
「・・・」
「で、使い方は?」
「・・・魔王様ほどの魔力でしたら、ただ念じていただくだけで、遥か彼方のあらゆるものが映りましょう」
「おお!」
「映したいものの名前や姿など、思い浮かべてください」
「よ~し・・・(むむむ)」
「きゃーーッ!!」
「・・・」
「・・・」
「な、なんだいまの?」
「魔王様。いったい何を念じたのです?」
「いや、わざわざ有給とってるフォルカーが、何をしてるか覗き見しようと思って・・・」
「念じられたのですね?」
「だってまさか・・・まさか・・・・・・入浴中だなんて!!しかもシャワーキャップ!?あの面にシャワーキャップかよって!!(しかもキャーッって)」
「あの方は有給を使ってまで、いったい何をなさっているのか・・・」
「アヒル隊長いたね」
「バブルバスでした」
「なにあれ自宅?フォルカーってどこに住んでるの?」
「この塔の95階でございます」
「まじでか」
「あれでも一応、魔王様の右腕でございますので、一番側近くにいるのですが・・・」
「あれで大丈夫?右腕、変えたほうが良くね?」
「・・・」
コメントは控えさせていただきます。
漢字間違っていたので直しました。