番外編 光に包まれた日々(家族の時間)
竜の国の白い離宮。庭には色とりどりの花が咲き、湖面は朝日の光でキラキラと輝く。
リリアは庭の芝生に子供を座らせ、手を取りながら微笑んでいた。
「今日は光の小球を作る練習ね」
子供は小さな掌を広げ、リリアの導きで光を集める。
跳ねる光が空気を揺らし、子供の目がきらきらと輝く。
「うわあ……見て!光が踊ってる!」
リリアはその笑顔を見て、思わず頬を緩めた。
「上手ね、あなたの光はとても強くなったわ」
離れた場所でアシュレインは立ち、金色の髪を風に揺らしながら、炎の光で庭を柔らかく照らす。
「ふむ……お前の光も、すっかり立派になったな」
子供の頭を優しく撫で、微笑むその瞳には父としての温かさがあふれていた。
午後には湖のほとりへ移動し、三人で光の小球を使った遊びを楽しむ。
子供は光の球を跳ねさせ、母と父がそれを受け止める。
光と炎が混ざり合い、湖面に七色の光が映る。
「きれい……!」
リリアの声が湖面に反射し、アシュレインも小さく笑った。
「お前たちが笑っているだけで、世界は輝く」
夕暮れには、湖のほとりに座り込み、空を見上げる三人。
光を宿した子供の手を握り、リリアはそっと囁く。
「今日も楽しかったね」
アシュレインは子供の頭を撫でながら、穏やかな笑みを浮かべる。
「ああ、そうだな」
夜になり、湖面に映る月の光が三人を優しく包む。
リリアと子供を腕に抱き、アシュレインは静かに微笑む。
「これからも、ずっと一緒だ」
リリアも笑顔で頷き、子供は眠そうに目を閉じる。
竜たちは遠くの空を舞い、風と光が家族を優しく包む。
戦いの記憶は遠くにあり、今はただ
三人だけの平和で確かな幸せが、永遠に続いていた。




