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第68話:「影の囁き」

 その夜。村を囲む森に、黒い靄が立ち込めた。

 言葉をかき消すように、低い囁きが響く。

『幻に縋る愚か者ども……真実など存在しない』

 現れたのは、かつて戦った「影」に似た存在。

 だが今回は異様に強大で、村を覆うほどに膨れ上がっていた。

「……まずい、園子を狙ってる」

 俺は剣を握りしめる。

 影は嘲るように囁き続ける。

『お前たちは嘘を吐く。存在しない像を描き、言葉を虚飾に変える。

 その弱さが、この村を滅ぼす』

 園子は震えていた。幻像が暴走し、空に巨大な“ありもしない竜”を描き出してしまう。

 村人たちが悲鳴を上げた。

「やめろ園子! お前の力は呪いじゃない!」

 俺は叫んだ。

 だが影は彼女の耳元にまで忍び寄り、

『信じるな。お前は化け物だ』

 と、言葉を突き刺す。




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