表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/78

第59話:「試される言葉」

 夜の街を覆うように黒い靄が広がり、建物の輪郭を飲み込んでいく。

 カイが剣を抜き、ミナが魔法陣を展開する。だが、空気そのものが重い。

「また……あいつらか」

 俺は一歩前へ出た。

 以前なら恐怖で足がすくんでいただろう。だが今は違う。

 心臓の鼓動が落ち着いている。

 ――冷静すぎるほどに。

 語詐師の影が現れた。フードの奥から覗く瞳は、嘲笑と期待の色を帯びている。

「強くなったな、言葉の戦士よ。だが、お前のその強さは……本当に“お前自身”のものか?」

 胸の奥で、何かがざわめいた。

 冷静さと力を得た俺は、果たして“本当の俺”なのか?

 それとも、ただのバージョンアップという名の異物なのか?

 答えられずに剣を構える俺に、語詐師は続けた。

「ならば証明してみせろ。力ではなく、“自分自身の言葉”でな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ