ALL YOU NEED IS LOVE (愛こそはすべて)
筆者の独り言
天下分け目の関ケ原合戦
徳川家康と石田三成の戦いの決着は、その重大な結末にふさわしくない男がキャスティングボードを握っている。の男が東と言えば徳川が勝ち、西と言えば石田が勝つ。果たしてその男の下した決断は・・・・三成の陣めがけて駆けだした。彼は東を選んだ。かねてよりその男の裏切りを予想していた三成の盟友大谷吉継の背後を襲った。その男の名は 小早川 秀秋 彼の功績により徳川300年の世が始まった。しかし彼自身は関ケ原の合戦後病死し小早川家はない。ただ「うらぎり」の代名詞として小早川の名前が残った。筆者はいつかこのへんの小早川秀秋の心の動きを小説にしたいと思っている。そのうらぎりの代名詞 小早川 秀秋からお名前をいただいてこの章から 小早川 あき という女性が私、三成とかかわってくるドラマを描きたいと思っている。
All you need is love (愛こそはすべて)
自宅に戻ると佐和子からの手紙が来ていた。
直江がお客様としてきてくれて化粧品を買ってくれたという内容の話、休日にパリの街を案内してもらった話。どうしても仕事が忙しくて休日は、掃除洗濯に追われていたの毎日でしたが、2人で遊びに行ったと書いてある。佐和子と直江が一緒に写っている写真が同封されてあった。
写真の直江は、可愛い女の子だった。楽しそうにしている笑顔の2人の女の子の写真だった。私は写真を机においていた。
おそらく誰かに見られたとしても、周りのみんなにはこの子が直江だとはまず気づかないだろう。
私は佐和子に返事を書いた。
正月実家に行って姉からお年玉をもらったこと、佐和ちゃんが新人の中でもナンバー1だとほめちぎっていたこと、そんなことを書いて返事をした。写真をもらったので私もと思い1人で写っているのがないので、姉と2人で近所の初詣に行った写真を送った。考えてみたら佐和子の手紙は直江のことばかりが書いてあったが、私の手紙は姉のことばかりが書いてある。
それから直江が日本に戻ってきた。写真のかわいらしさは消えてちょっとニヒルなかっこいい男として戻ってきた。
さてある日のこと研究室にひとりの女ん子が尋ねてきた。ちょっと目がくりくりっとしたかわいい子だ。
「私、物理学部4年の小早川と言います。直江さんいらっしゃいますでしょうか?」
彼女は大学4年生、私たちは大学院生だから年齢は1つだけ下になる。
「今日は午後から研究室に来ると思うけど・・・」
「それじゃあ、三成さんにお聞きしていいですか?」
「なに?」
「直江さんって彼女いますかね?」
「知らないよ。」
「そういうこと男友達ってお話しされないんですか?」
「あんまり個人的なことはしないかな・・・」
「ええ・・・私直江さんの大ファンなんです。」
「そう・・」
「あれ?これフランスですね?この写真、三成さんの彼女ですか?」
おいていた写真を小早川という後輩に見られてしまった。
「ああ・・」
「どっち?」
「どっちでもいいじゃない。私は恥ずかしくなって写真を引き出しにしまった。」
写真は右は佐和子で左は直江だ。小早川は何か意味ありげにうなずいている。
「大丈夫だよ。あいつは彼女いないんじゃないの?詳しく知らないけど。」
「ここで、直江さん来るの待っていてもいいですか?」
「どうぞ・・・」
といったものの知らない後輩を研究室に入れて直江はどう思うだろうか‥‥それからすぐ直江が入ってきた。
「直江さん先日はどうもありがとうございました。・・・物理学部4年の小早川 あき と言います。今度一緒に飲みにでも行きませんか?三成さんには、OKとりました。」
「えっ??」
私はそんなこと言っていない。
「これから、実験があるんでお話しは今度にしてもらえませんか・・・」
「わかりました、お邪魔しました。大変失礼いたしました。」
そう言って小早川は出ていった。
「なんだ今の?」
「直江にあこがれているんだって・・・」
直江はにこりともしない。
「でも、先日はありがとうございましたって言ってたけど・・・」
それには直江は答えない。それからないごともなかったように私たちは次の実験レポートに取り組んだ。こんどの課題はペアで組んでのレポート提出ではない。個人で行うようになる。
小早川 あきは次の日も来た。
私は正直興味があった。直江は女の子に胸をときめかすはずだ。いままでは外見が女性だったから女の子が男としての直江によって来るということはなかったが、今度は果たしてどんな反応を示すか‥‥
「こんにちは~」
小早川は今日は直江がいたので私に見向きもせずに直江に直接アタックをする。
「今度お時間つくってくれませんか?」
このストレートなものの言いようは、はたで見ていてあっけにとられる。しかし直江は乗り気ではなさそうだ。
「僕は、実験で忙しいので・・・」
そういわれると小早川はわたしの方に向き直って
「それじゃあ、三成さん一緒に飲みに行きません?」
「はあ?おれと?」
「私今勉強している物理学についておしえていただきたいなあと思って。」
あまりにも変わり目の速さにあっけにとられていると直江の方が、
「もし。時間があったら、彼女にちょとだけつきあってやってよ。」
そういわれても・・・
「お願いしします!!」
可愛い女の子からお願いをされると悪い気はしない。1時間程度飲むくらいはかまわないだろう。
「まあ、いいけど・・・」
「本当ですか?約束ですよ。」
直江にあこがれている小早川と私が一緒に飲みに行くのはどう考えても、私を利用して直江との仲を取り持ってほしいという以外考えられない。まさか瞬時にあこがれの相手を私に変えるということはあり得ないだろう。この前「先日はありがとうございました。」と彼女は言っていたので、お互い知っているのだろう。最も知らなければ一目ぼれで直江にアタックすることもないだろう。しかし直江も自分が行きたくないからといって、いきなりこっちにふることもないと思うのだが、実験レポートのことはパートナーだからいいとして、プラーベートでは、佐和子がお世話になった手前、その借りとしてここで返しておくかと、何も聞かずに私は彼女と居酒屋に行った。
2人で居酒屋に入る。そういえば直江とは二人で飲みに行ったことはない。ここにきて女の子と2人で飲むのは初めてだ。そういえば佐和子より先に、志摩と居酒屋に行ったことを思い出した。ここで私の過去の中で消してしまいたい、1日を思い出してしまった。
居酒屋に入ると小早川はなれたように店員を呼んで
「どうします?三成さんお飲み物は?」
「俺は生ビールで・・・」
私がそういうと
「生ビールを2本とやきとりと、おしんこ・・・・なにかお召し上がりになります?」
「まかせます。」
「それじゃあ、とりあえずそれで・・・」
年下の女の子にこうてきぱきと仕切られて面食らっていると
「三成さん今日は私がお誘いしたんで、ごちそうさせていただきます。」
「何言ってるの?そうはいかないよ。先輩の面目が立たないよ。」
「すみません・・・じゃあ、割り勘で・・・」
はっきりした女の子だ。私は正直アルバイトする暇がない。父と母は仕送りしてくれるそれに奨学金をもらっている。がそれだけでは正直言ってこんなふうに飲みに行くこともできない。私の通帳に知らないうちにお金が振り込まれている。姉だ姉がこっそり振り込んでくれるのだ。この前のお年玉も3万円入っていた。一度もお礼らしきこともしないが「佐和ちゃんを泣かしたらゆるさないわよ!」というメッセージが込められているような気がする。
生ビールがふたつ運ばれると小早川は
「お近づきのしるしに乾杯!」そういって私のグラスに自分のグラスをあててグイグイと飲み始めた。私も1口飲んだ。
「すみません!もう1杯お願いします。三成さんは?」
「おれはまだいいよ。」
そう過去の忘れたい1日の一件があるから、調子に乗ってがぶ飲みするのは自重することにした。
2人の話は私から切り出した
「君は、直江のことが好きなんだよね?」
「はい、先輩方のレポートも見せていただきました。感銘を受けました。私は直江さんを尊敬しています。」
私達2人のレポートを見て感銘を受けるのはいいがなぜ直江だけを尊敬するのかちょっと面白くない気分でいると、それを悟ったか
「あっ、もちろん三成さんも尊敬しています。」
とってつけたように言う。彼女は本当に屈託がない。
「何度か、私達の授業に上杉先生の助手として来てくださいましたよね。三成さんは私の顔を覚えていらっしゃらないと思いますが・・・」
いや覚えている。確かにクラスは30人くらいいたが、女の子は2~3人しかいなかったので顔だけは覚えていた。
「実は私、今年の冬休みフランスに行ったんです。偶然帰りの飛行機の中で直江先輩が隣に座っていたんです。」
「私は、すぐわかったので話しかけて挨拶をしたのですが、直江さんは12時間ものフライトの間終始黙って私には気にもかけずに物理学の勉強されていました。」
「まあ、直江は誰に対してもそういうやつだから、気にすることはない。ところで飛行機の中、あいつはどんな格好していた?」
そう私の疑問はこうだ、直江は日本では男になり、男のの格好をしている。フランスでは女になって女の格好をしている。それじゃあ飛行機ではどっちなのかというのが知りたかった。」
「服装はこの前の来ていたカジュアルな格好ですよ。すごい素敵でした。」
なるほど、日本に向かう飛行機ではもう男になる準備をしていたことになる。
「私、三成さんに聞きたいことがあるんです。」
「直江が君に興味があるかどうかとかは、全くわからないよ・・・・」
「そうじゃないのです。三成さん自身のことです。」
「えっ??」
「この前、三成さんのデスクに1枚の写真がありましたよね。フランスの凱旋門の写真です。女の子が2人写っていました。机において大事にしてらっしゃるので、『どちらかが彼女ですか?』って聞いたら『ああ…』とあいまいに答えました。全く関係ない2人の写真を大事にしているわけないので聞きたいのですが、どっちが三成さんの彼女ですか?それが聞きたいんです。」
「確かに、彼女だけど・・・」
「右の方ですか?左の方ですか?」
いったい彼女はなにが聞きたいのだろうか?まさか佐和子のことを知っているのだろうか?
「君は、佐和子のこと知ってるの?」
「ありがとうございます。佐和子さんっていう方なのですね、もちろん私は知りません。左側に写っていた方ですよね。松田聖子さんに似ていてかわいい方ですね。それだけ教えていただければそれ以上は何もおっしゃらなくてもいいです。」
「えっ??何で左側だってわかるんだい?」
「だって、右側の女の子は直江さんでしょ?」
私は驚きのあまり声が出なかった。最初写真を送ってきたとき私ですら佐和子の隣の女の子は誰なのか見当がつかなかった。それを瞬時にみて見破った小早川とはいったいどういう女の子なんだろうか・・・・
私は茫然となって小早川をまざまざと見てしまった。
「どうされました?私って変な女ですか?」
「いや・・・」
「私が知りたかったのは、直江さんが男なのか女なのかを知りたかったんです。三成さんの彼女が直江さんなら彼女は女ということになりますよね、でもそうでなければ直江さんは男ということになります。だから聞きたかったんです。」
小早川は生ビールを2本飲みほして3本目を注文した。
それでもまだ私には彼女の言っていることが理解できない。私は茫然としてまた一口ビールに口をつけるのだが1本目を持てあましている。
「ごめんなさい。1人で飲んじゃって、三成さんあまり飲まないんですね。」
「いや・・・そういうわけじゃないけど、何が何だかわからなくて・・・」
そこで小早川の頼んだ3本目のビールが運ばれてきた。彼女はそれをまた口に運び・・・
「三成さんにすべてを告白します。酔っぱらわないと話せないんですみません・・・」
告白?彼女もなにか秘密を持っているのだろうか?
「私、レズビアンなんです。」
そういうことか・・・私はわからない世界ではあるが、なんとなく理解できてきた。
それから小早川は私に今までのことをわかりやすく説明をしてくれた。
「私は直江さんと三成さんの書かれた研究レポートを読んでお二人を尊敬しています。それは物理学のうえでです。私は恋については対象は女性ですから、そういう意味でのあこがれはありませんでした。ですから飛行機の中で偶然ご一緒させていただきましたがその時は別にただの偶然ということで過ごしました。もちろん物理のことをお話しできたうれしいのですが、昔親切に教えてくれる先輩がいて、そのうちに口説かれてしまって困った経験があるので、男性が親切にしてくださるのもあとで嫌な思いをするので、あの時挨拶だけで何もお話しにならない直江さんを特にそれはそれでいいと思ってました。ただ飛行機の中で熱心に物理学の本をお読みになっているのを見て、ますます尊敬の念は深まりました。」
私も、興味深い話に生ビールを飲みほして、もう1本お代わりをした。
「フランスから日本まで12時間のフライトずっと隣に座っていたでしょ・・・・私気づいてしまったんです。直江さんの胸のふくらみ・・・この人は女だって・・・・これは同じ性の不一致障害を持つもの同士だからわかるんです。それからずっと私、胸の鼓動が高鳴って抑えられなくなって。
一番最初に気になったのが三成さんあなたです。」
「そうか・・・女の体をしている直江と私が特別な関係かと思ったわけだね・・・」
「そうです・・・直江さんが女の体であることは間違えないのですが、直江さんがレズビアンであるとは限らない。三成さんには理解できないと思いますが、いろいろな愛の形があるのです。まず私が知りたいのは三成さんが直江さんが女であることを知っているのか?です。
あれだけの論文を書く仲だから当然分かり合っているものと思いますが、それを確認したかった。研究室に行きました。そしたらフランスの凱旋門で2人の女性の写真があった。私は直江さんがフランスに行ってたのを知っていましたからすぐ右側の女性が直江さんだとわかりました。でもなぜ三成さんが女性の姿をした直江さんの写真を大事に持っているのか?お二人の仲を疑いました。
『三成さんの彼女ですか?』って聞いたら『ああ・・・』とおっしゃったんで私は絶望しました。
しかし、もう片方の女性が三成さんの彼女という可能性もある、そうだとすれば三成さんは直江さんのことを何もかも知っていることになる。
それで今日お誘いしました。」
なるほど・・・とうなずきながら小早川の話を聞く
「どうして三成さんの彼女と直江さんがフランスの凱旋門で2人が写真を撮っているのか私には不可解ですが、それは私には関係のない話かと思うのでお聞きしませんが、直江さんと三成さんの仲が何もないのないということ、それと同時に佐和子さんが三成さんの彼女なら、この写真で仲良く一緒に写ってますが一緒に写っている女同士の二人の間に特別な関係もないことになります。よかった三成さんに感謝します。」
「お礼をいわれるのはいいが、ただ私は君の力になれるかわからない。」
「大丈夫です。ここから先は三成さんのお力は借りません。性不一致障害というのはデリケートなんです。私がそれに気づいたことも嫌だと思うのです。だから今日は話は聞いたが適当にあしらった程度であまりおっしゃらないでくださっとほうがいいです。あとは、もし直江さんが私が望むような方だったら自分の愛を告げます。それまでは三成さんは私のこともお話ししないでいただければと思います。」
「わかりました。」
「ありがとうございます。やはり今日はお願い事ばかりでしたからここのお勘定は私にさせてください。」
「えっ??」
「お願いいします。」
そう言って私はこの小早川という後輩にごちそうになった。これから直江はどうなるのか?
それから直江といつものように研究に日々が続いた。私は小早川の話はあえて触れなかった。触れなかったが、小早川が研究室に直江を訪ねてきたようなのだが、なにも話さないので私も口をつぐんでいた。ある日上杉教授に呼ばれた。
「明日の午前中、大学生の授業私のアシスタントとして手伝ってもらえないかな?」
「私1人ですか?」
「そう、君1人でお願いしたい。もちろんバイト代を出すので。」
「ありがとうございます。かしこまりました。」
大学生の上杉先生が担当している授業をアシスタントとしてサポートする。講師でもない私が優秀な大学生あいてにアシスタントとはおこがましいが。教員免許のために教育実習のような感じだ。実は将来私は大学の講師として残りたいと考えている。
授業に先立ち私が学生の前で講義をする。みんな熱心に私の話にメモを取る。それからその検証実験をみんなで行い。最後は上杉教授がこの実験結果を踏まえてあらためて講義をするという内容の。午前中たっぷり3時間の授業だ。最初は学生に近い研究生の私が話した方が身近に感じてよいのでというのが上杉教授の考えだ。生徒の中に小早川 あきがいた。小早川と講義の最中にで目が合うと思わず笑顔になってしまう。
授業が終わると小早川が私のところにかけつけた、質問をするふりをして
「今日、飲みに行きません?」という
「いいけど、今日は僕のおごりというのだったらいいよ。」
「かしこまりました。先生よろしくお願いします。」
「先生は勘弁してよ・・・」
そして私たちはまたこの前の居酒屋に行く。今日は私の方が
「生ビール2本と・・・・」と素早く注文する。
生ビールが2本来ると・・・乾杯をした。
「三成さん、いろいろとご心配おかけしました。おそらく直江さんは自分のことをおしゃべりする人ではないと思ったので私の方から報告いたします。」
ビールを飲みいながら小早川は楽しそうに話す。愛の行方はどうなったのでしょう?
「はい!見事にふられました。」
「そうだったか・・・」
「人はみんな愛情が欲しい、ALL YOU NEED IS LOVE 『愛こそすべて』なんですけどね。直江さんは私と結ばれるのが一番幸せとうぬぼれていましたがいろいろな愛があるようです。」
「愛こそはすべて・・・そうかもしれないね。」
「三成さん・・・直江さんの愛は無償の愛ですよ。私は愛がほしいだから自分と愛し方が一致する人を探していた。それが直江さんはちがう。愛に代償は求めない。人を愛することは尊いことです。でも代償を求めてはいけない。私こんなこと三成さんにいうべきではないのかもしれない。
でも直江さんの無償の愛を伝えたい・・・」
「物理学とは違う難しい理論だね・・・・」
「なんとなく似ているところもありますけどね・・・・直江さんは2人の人を愛しています。好きな人が2人います。直江さんは男でいるときと、女でいる時では別の人格を持った人間になります。直江さんの愛する人は三成さんと佐和子さんです。直江さんは日本にいるときは男性として三成さんを友として佐和子さんを愛しているのです。佐和子さんを愛する時はフランス語で綴ります。そしてフランスに行けば女になって佐和子さんを友として三成さんを愛しているのです。その愛はお二人にとっては拒絶反応を起こすようなゆがんだ愛です。でも愛に歪みなどないんです。直江さんの愛はまっすぐな透き通った無償の愛なのです。これは普通の愛し方ができない私だからわかるんです。」
私は衝撃的な告白に何も言えなくなった。
「直江さんは男性と女性を両方を持っているまた私とは違った性不一致障害者なのです。本当は三成さんに言うべきことではない。もちろん三成さんは直江さんに何もできない。わかっていないふりをしてわかってあげてくださるとのが、直江さんの無償の愛に答えられる唯一の
ことかなあって、すっごい生意気ですけどそう思って話しました。そして三成さんと佐和子さんの愛が永遠であることが直江さんの思いなんです。それと関係ないって思われるかもしれませんが、私も三成さんと佐和子さんの愛が永遠であることを心から望みます。」
なんて答えていいかわからない。彼女の恋は破れたのだ。なぜ」かなわぬ恋かというとそれは私にあるという。
そうか・・・理解できないが私と佐和子をそんなふうに直江はおもっていたのか・・・
それよりか、目の前に恋に破れ傷ついた女の子がいる。しかし気の利いた慰めの言葉もみつからない・・・・
だまって話を聞いてあげるしかなかった。
「直江さんはいいなあ・・・・三成さんという研究室でのすばらしいパートナーがいて・・・」
「小早川さん、それについては私は自信をもって答えられる。まだ大学生だろ?これからもっともっと学ぶことがあるんだ。自分が成長していけばかならず最高のパートナーに巡り合える。僕と直江は大学3年生まで口もきいたことがなかった。私たちの研究レポートを見て上杉先生が僕のパートナーには直江がふさわしいと推薦してくれたんだ。君にも上杉教授がいるだろ?しっかり勉強すれば素晴らしいパートナーを推薦してくれる。来年大学院においでよ。」
「三成さんありがとう!私、直江さんと三成さんを目標にがんばります!」
今日は私がお勘定をして居酒屋を出た。小早川は何度も私にお辞儀をして私の前からいなくなっていった。
小早川 あき のおかげで私と直江の研究はレポートはまた変わっていく・・・・




