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DON`T LET ME DOWN

Don’t let me down  (がっかりさせないで・・・)・・・①  元気を出せ!


時間は 2つ前の章 ⑨ Here Comes The Sun にさかのぼる・・・

 私がうとうと眠ってしまった研究室で小早川が一人で実験をして朝を迎えたその日の午後、私と小早川が朝まで一緒にいたということを不謹慎だと福島と加藤が言いがかりをつけてきた。そのあと小早川が学会で取り上げられた研修レポートに偽りがあると言ってきた。いっしょに上杉教授も真相を確かめるために私たちの研究室に入って来た。そして上杉教授、福島、加藤、小早川が深刻なかおをしている。私はその緊張しながら見守っていた。


上杉教授が福島、加藤の聞き取をした・・・

この検証5の実験についてだ。

「この実験はいつおこなった?」

2人とも黙っている。

「それではこの実験は2人でおこなったのか?」上杉教授は質問を変えた。

それでも2人は沈黙したままだ・・・

「だまっていたら、わからないだろ?」

それから福島がやっと重い口を開く。

「私は全く知らなかった。ここの部分は加藤君に任せてあったので、加藤君の実験結果をそのまま乗せました。」

「それじゃあ、ここで小早川君のレポートが正しいか、君たちのレポートが正しいか実験してみよう。」

「実験は・・・これは三成君にやってもらおう。」

加藤君、福島君、小早川君はだまってみていてほしい。

私はこのレポートを見ながら検証5に使われた実験の準備をした。2人のレポートだけを見て私が独自で行った。二人に「これでいいか?」とは聞かない。


実験と言っても準備に時間がかかる。ほんの1時間が一日のように感じた。

「それでは実験を始めます。」

皆が見ている中私は緊張のあまり脂汗が出た。少しでも書いてる通りにしないとやり直さなければならない。1回の実験結果が出るまでに

30分かかった。

上杉教授は時間を測り

「結果の数値を計測する。確かに小早川君のレポートと同じ結果だ。」

「念のため次は小早川君がやってみたまえ。」

また次の結果が出るまでに30分かかる。

同じように計測、やはり小早川のレポート通りだった。

「3回目は、福島君がやってみたまえ。」


すると・・・

「もうよくわかりました。私も加藤にまかせきりだったことを反省しています。」

「このうえは、どんな処分でも甘んじて受けます。上杉教授には大変ご迷惑をおかけいたしました。」

そのあと加藤が

「検証する時間がなかったので偽りの検証結果を載せてしまった。」

と認めた。すぐにこれは学会に報告されて福島と加藤の栄誉ははく奪された。ただし学生の身分なので責任問題までには発展しなかった。卒業後、トップ企業の就職が決まっている福島には何も咎はなかった。責任をとらされたのは、教授である上杉教授だった。教授は今回のことで助教授に格下げさせられた。この検証結果を偽りだと見破った、小早川 あきを称賛するものはない。しかし私と朝まで一緒に研究室にいたという悪い噂はなくなった。加藤はそれから泣き崩れ「申し訳ございません」と何度もあやまった。


私は正直言って福島も加藤も恨んではいない、何よりも私に大事なことは私と直江は、2人に負けていなかったことになる。もう一度やり直そう!そのことを直江に伝えたかった。直江のお父さんの病気のこともあったが、

一刻も早く彼に『おれたちは負けていない!』とそう伝えたかった。


次に話を前の章 ⑩ Strawberry Fields forever  軽井沢のイチゴ畑に戻す・・・


1時間ほど車を走らせたら

「あっ!!」

イチゴ畑に直江をみつけた・・・・・

「直江!」私は彼を呼んだ。私の呼びかけに直江は振り返った。

「どうしてここがわかった。」

「君がおれの最高のパートナーだからだ。」

「君は、私とのコンビを解消したいのではないのか?」

「そんなわけないだろ!」

「しかし・・・敗北者がコンビを組んでいいことないだろ!」

「おれたちは敗北者じゃない。」

私は小早川が福島、加藤のレポートに疑問を持ち捏造を暴いたことを話した。

「だから、おれたちは敗北者じゃない。」

「そうか・・・」

「だからといって勝利者でもない。勝利者になるためにおまえを迎えに来た。」

私と直江はもう一度決意を新たにした。


筆者の独り言

⑪ Don’t let me down  を書き始める。この章を書くに会ったって前回、前々回の終わらせ方が不充分であったためにこの章の冒頭が、その付け足しからはじめるという変な始まり方になった。前の章を書きなおそうかとも考えたが、しかし筆者のこの小説を読んでくれている方から、ところどころに入る、筆者の独り言・・・が独創的でありおもしろい。というご意見をいただいた。苦し紛れの注釈がおもしろいという感想なのでそれもあり、とあえてこのようなかたちをとった。これが私のオリジナリティとご理解いただき続けてお読みいただきたい。


 新学期を迎えた。私も直江もそして加藤も大学院2年生になった。私たちは新年度を迎えて、目を輝かせているのに対して、加藤は対照的だった 。新しい年度を迎えても罪の重さは重くのしかかる。実際に捏造を行ったのは加藤だからしかたがない。と言ってしまうとかわいそうな気がする。栄誉が2人にあったように責任も2人にあるはずだ。2年生だった福島は大学院を卒業、卒業した方はある意味よかったのかもしれない。新しい職場で心機一転切り替えればいい。H大大学院卒業の履歴が変わるわけではない。いっぽう1年生から2年生になった加藤はかわいそうなものだった。彼への信頼は失墜し,彼だけは蚊帳の外のような存在だった。レポート捏造という汚点はあるものの、彼の能力が下がったわけではない。仮にあの捏造の部分だけがないレポートでも、大学院生のレベルで書き上げられれば高評価のつくものだ。それが、たった一つの捏造で彼よりも能力が劣っているものにさえも加藤を見下している。

 罪というのは残ったものにつらくのしかかる。

なんといっても今回は、みんなが尊敬する上杉先生が責任を取る形になり、降格させられたのが大きかった。みんな上杉先生を尊敬しているからだ。 


 新学期そして新1年生の中に、小早川 あき の姿があった。それも加藤にとっては残酷な話だ。周りの友人はこんな風にも言った。

 「もし・・・もしも2人が捏造しなければ場合によっては、直江と三成のレポートが学会で取り上げられ、脚光を浴びたかもしれないね・・・」と

「残念だね」と慰めてくれる人もいる。私はだからといって、加藤を恨んではいない。少なくとも屈辱の挫折から私たちは這い上がってきたのだから・・・直江と私のきずなを強くしただけでいい。

 それと、ここで新大学院1年生の小早川を紹介する前に、彼女のその後のいきさつを読者にお話しておかなければならない。実は今から話すことはその時私は知らない。ずっとあとになって姉から教えられたことだ。


 「実はさ、小早川 あきさん、彼女大学院を卒業してうちのA社に内定が決まっていたの。それもフランス配属で・・・それでね、小早川さんが慣れてきたら佐和子さん日本に戻す予定だったの。つまりあなたと佐和子さん大学院卒業と同時にめでたく結婚だったかもね。だけど突然、彼女入社を取り消ししてきた、『あと2年大学院に行って学びたいと言ってきたの。勝手ですが2年たったらまたA社を希望します。私を三成さんのいる大学院に行かせてください!』ってそういってきたのよ。私よりあなたを取ったってことかしら?こう言っては何だけどあなたは自分の結婚を間接的に2年延ばしたことになるわね。」

 小早川 あきは姉と佐和子がいるA社に内定していたのにそれをふりきってまで大学院に来た。

 前置きが長くなった・・・・大学院2年生新年度がはじまり、3か月もすると昨年のように成績順位が明確になる。1位の直江は変わらない。次席はやはり加藤だ。加藤の実力は否めない、3番目は私が続いた。そして4番は今年大学院にあがってきたばかりの小早川だった。うかうかしていると小早川に抜かれるかも?といささか焦りを隠せなかった。


さてそうなると今年のペアが微妙になる。

言うまでもなく直江と私のペアは決定しているが、加藤と小早川のペアはちょっと厳しすぎる。なんといってもレポートの不正を見抜き捏造をあばいた後輩と一緒に研究はどう考えてもかわいそうだ。この組み合わせはない。

しかしそのあとのメンバーは昨年からの実力均衡のペア同士だから相手を変えたくないという。正直言っていくら秀才でも暗く落ち込んでいるものと組みたくはないというのが本音らしい。


そんな時私と直江が一緒にいるとき小早川が私たちを訪ねてきた。

「大学院に進学いたしました小早川です。直江先輩、三成先輩、今後ともよろしくお願いいたします。」

相変わらず元気のいいよく通る声だ。

私達が「こちらこそよろしく。」と会釈すると隅の方で1人でいる加藤の方にも歩み寄って

「加藤先輩、よろしくお願いいたします!」とあいさつをする。加藤は戸惑ったように会釈をした。するとまた直江の方に向き直って、

「直江先輩、私は誰よりも直江先輩を尊敬しております。今度の検証レポートのアシスタントをさせていただきたくお願いに上がりました。」

「アシスタント?」

直江は戸惑っているようだ。何言いだすの?という気持ちはあるが、先日の軽井沢で迷惑をかけた一件があるので邪険にはできない。

私が口をはさむ

「あきちゃん、アシスタントってそんなのないよ、研修レポートはペアで対等だ。」

「それでは、直江さんとペアを組ませていただきたいです。お考え下さいますようお願いいたします。」

そう、いうことだけ言って出ていった。


「相変わらず、無茶言う子だな。」

直江は閉口した。私も

「まったくだ・・・」と一笑に付した。

直江は何ごともなかったように机に向かってなにやらレポートを書き始めた。

私も同じように今日の授業をまとめていたのだが・・・しかしあとになってよくよく考えると・・・・


「その方法があったか・・・」

と私はふと我に返った。

直江のペアは誰にも務まるわけではない。彼の特別な思考回路を理解できるものでなければ無理だ。そう直江が、性不一致障害であることを知り理解できる人間が私以外にもう一人いるのだ。小早川ならば何もかもわかっている。これがうまくいけば、加藤と組むのは必然的に私だ。生きるしかばねのような加藤を私が生き返らせることができる。

しかし‥無理がある。直江は私とコンビ解消というだけで姿を消したのだ。私からコンビ解消を話せばまた裏切るのかといいだすにちがいない。私が提案するのは友情にひびが入る。私は自分のことだけを考え直江とレポートを書いてナンバー1になればいいのだ。加藤のことを心配する必要は全くないし、後輩の小早川は同級生からペアを見つければいい。しかし小早川がこれで引っ込むわけはない。彼女はミラクルを起こしかけないところがある。


Don’t let me down  (がっかりさせないで・・・)・・・② 作戦会議

 

しかしどうしても加藤のことは放っておけなかった。私はすっかりしょげ返った加藤に話しかけてみた。

「少しは元気出してくれよ・・・」

「今年は、おれ1人で君たちに挑むから・・・」

というものの覇気がない。

「何を言っているの?加藤はここじゃ直江に次ぐ優秀成績者だ。一度の失敗で終わる男じゃないだろ?」

「いや・・・これ以上みんなに迷惑をかけられない。」

「がっかりさせないで・・・」

しかし加藤はそれ以上答えなかった。

 私は加藤のしょげるのを見てだんだん私が何とかしなければという気持ちになっていった。かれはいずれは優秀なエンジニアになる。それだけのものを持っている。しかしこの世界で挫折したらおそらく彼は何もできないのではないだろうか?なにがなんでもここで彼を終わらせてはならない。今彼を生き返らせるのは私にしかできない。直江には小早川がいる。直江と小早川、私と加藤このコンビにすることが4人にとって一番良い選択ではなのかもしれない。そんな気がしてきたが直江や加藤はどう考えるのだろうか?


小早川の直江へのアタックは続く・・・

「直江先輩?私とのペアお考えいただきました?」

直江はあっけにとられている。

「はっきりいっておくよ・・・僕は小早川君とペアを組むつもりはない。」

小早川は直江に断られたあと私のところに来た。

「どうですか?加藤さん元気になりました?」

「全然だめだよ、」

「ちょっと作戦会議しません?」

「作戦会議?」

「一杯飲みながら作戦会議しましょう。じゃあ、今日いつもの居酒屋きていただけますか?」

小早川と直江がペアを組むために私が手助けをする理由はないのだがなんとなく彼女のペースに巻き込まれていく。何よりも彼女と一緒にいることが楽しかったのかもしれない。


私は小早川と3回一緒に飲みに行った居酒屋にいった。小早川は先に来ていて私が着くと

「こっちで~す!」と合図をした。まあ屈託にない明るいお嬢さんだ。気のせいだろうか?なんか今日は彼女が別人のような感じがする。

私が席に着くと

「すみません!生ビール2つ!」と注文した。ちなみに彼女はおかわりの分だ。

「おつかれさまで~~す!」

ビールが運ばれるとカチンとグラスを軽くぶつけて勢いよく飲む。

「今日は作戦会議だろ?いったい何の作戦だい?」

「福島加藤の不正を暴け作戦!」

「なんだよ、そんなの君がもうすでにやったことじゃないか?」

「まだまだ・・・根深いところに謎があるわ・・・」

「???」

私がきょとんとしていると彼女は、福島、加藤のレポートのコピーを出す。

「ちょっと待ってよ…もう加藤も充分痛手を受けた。これ以上彼に鞭打ってどうなるものでもないだろう。」

「ちがいます・・・加藤さんをお助けするためのお話です。」

いったいどういうことなのだろか?


「いいですか?このレポートは検証1~5の実験によって成り立っています。はっきり言って1と2は誰でもできるレベルのものよね、物理学科の学生なら大学生でもできるものだわ。だから1.2は別にして、検証3と4を見てほしいんです。」

「この検証かい?」

「どう思います?」

「これけっこう時間かかっただろうな・・・」

「そうですよね、検証5の実験なんて私が一日徹夜でやったのです。検証3と4はそれぞれ1週間でできますかね?」

「たしかに、これだけのものをつくりあげるのはそうとう時間かかるな・・・」

「それで、私加藤さんのお書きになったレポート拝見したことあるのですが、まさに検証3と4は。加藤さんお得意の分野の実験です。」

私は加藤が書いたレポートを思い出す。その通りだ、検証3,4は加藤が日頃から研究している通信機器の有線と無線分野のものだ。

「あああ・・・そうだ!確かに、あきちゃんはよく見てるね。」

「ということはですよ、検証1.2はいいとして、検証3.4は加藤さんの書いた検証だと思います。」

「そうだね・・・えっ??」ということは・・・・

「そうです、検証3.4.5すべて加藤さんが行ったとするとこのレポートはほぼ加藤さんのレポートということになります。」

「なるほど、そうかもしれない・・・・でもどういうこと?」


「三成先輩もちょっと考えて下さいよ。

つまり・・・このレポートの構想を考えたのは、福島さんとしましょうわかりませんが・・・福島さんがイニシアティブを握っていたとして、検証1.2を一緒に行った。その時点で検証3.4は加藤さんが。5は福島さんが担当した。3.4については緻密な加藤さんらしく細かく時間をかけて作られているわ。感心しますよね。どうですかこの検証報告。」

「う~ん、確かに加藤の緻密さはこの研究室誰も勝てない。」

「そして、福島さんが5を担当する。できあがって加藤さんは福島さんがでたらめの実験結果だと見破った。だから検証4で終わらせようと思った。4までで充分なレポートですよね。でも自分が入っていないと面白くないから、いい加減な検証5まで入れた!」

「なるほど~~面白い推理だ。でもなんで加藤は福島さんの罪までかぶることになるんだい?」

そうですね・・・ただ先輩後輩だけでない何かがあると思って調べました。


「それは就職ですよ。福島さんはP社に入社した。それは福島さんのおじさんが取締役だから?そんな噂を聞いたことがあります。」

「そんな情報なんでわかるの?」

「それは、噂です・・・・鈍感な三成さんの耳に入らないだけです。」

鈍感はよけいだと、私も苦笑いする。

「ちなみに加藤さんもP社の就職を考えています。その辺の約束が福島さんとあるのかと思います。」

「加藤さんはP社に就職したいので福島さんの言いなりだった。だからほぼ加藤さんが作ったようなレポートを共同作品として提出。不正がわかると罪をすべてかぶった。」

「なるほど~~本当だとするとひどい話だなあ~~確証がある?」

「ありません・・・これから確証を取ろうと思います。加藤さんに『かま』かければいいのです。」

「「どんなふうに?」

「三成先輩、少しはご自分で考えることしないのですか?」

小早川は」あきれたように私を見る。


「こういうの苦手なんだ・・・具体的に教えてよ。」

「例えば~~あのレポートの検証、3と4よくできてますよね。あれは加藤さんの専門分野だ。すばらしい!と言えば・・・墓穴を掘ってくれるかもしれません。もう一度3と4の続きを僕と一緒に作ろう!これでいいじゃないですか?」

「なるほどね~加藤がそう認めるかな?」

「別に認めなくたっていいじゃないですか、我々の目的は悪いのは福島さんだって認めさせることではないですよ。何もかもぶちまける必要はないのです。加藤さんのことを我々が理解してあげて彼がやる気になってくれればいいのです。別に福島さんとの仲を裂く必要はないのですから。」

「そうだよね。がっかりさせないで・・・って言えばいいだけか・・・」

「そういうことです。もう1杯飲みましょう。そうです、これで加藤さんと三成さんのペアが成立します。」


「ところで、加藤の方がうまくいって、加藤が俺と組んでもいいと言ったとしよう。でも直江が君と組むかどうか?こっちが問題だぜ。」

「それも、作戦があります。」

「どんな作戦??」

「今日の私を見て何かを感じません?」

「ええ・・・」そう言えばなんか雰囲気が違う。

「三成先輩、やっぱり鈍感・・・・佐和子さんじゃなくてよかったっですね。」

「ああ・・今日の小早川さん佐和ちゃんに似てる!」

「そうです、松田聖子カットにしたのです。」

「ああ・・・そうかそうか・・・」

「そうこの髪形で・・・・ペラペラぺらぺら・・・・・」

「フランス語?」

「そうです、私と直江さんはフランス語でつながることができるのです。」

「直江さんの大好きな佐和子さんにそっくりになってフランス語で語り合えば、きっとわかりあえる。」

「そうだよね、小早川さんもフランス語上手なんだ。」

「佐和子さんになって直江さんのハートをつかんじゃおう作戦です。」

「あったまいい!!」

「でしょ?言っときますけど三成さん私があまりにも佐和子さんに似てるからって、私をいやらしい目で見ないでくださいね。」

「またそういうこと言うの・・・」

「いやらしい目で見たら、お姉さんに言いつけますから。」

「あきちゃんは姉ちゃんにそっくりだ~~」

「そうですか~それ最高の誉め言葉です。」


 それから私は加藤を飲みに誘った。最初は「私は、そんな資格のある人間ではない。」そう言って断られた。やっぱりライバルとなるのは彼しかいない。どういう組み合わせになるとしても加藤には昔の加藤に戻ってもらわなければならない。直江も入れようかと思ったがそれじゃあ、捏造の詰問になってしまうので、2人で居酒屋で飲むことにした。小早川とよく行く居酒屋だ。加藤は無口な男だが私の誘いに承諾した。


Don’t let me down  (がっかりさせないで・・・)・・・③  敵と味方に


加藤と居酒屋に入るとなんと!びっくりする光景を見た。直江と小早川がふたりで差し向かいにすわっていた。直江は私に気づかないが、小早川はめざとく私を見つけて手をあげ合図した。まるで私たちがここに来るのをわかっていたかのように、小早川のフットワークのすごさはすごい。そんなことに何も気づかずに加藤は相変わらす浮かない顔をしている。


私たちが差し向かいで座わり、生ビールとつまみを注文した。それじゃあ乾杯とグラスをもつと、真面目な顔して話し始めた。

「今更ながら君たちには大変すまないことをした。」私に土下座をはじめた。

「やめようよそんなこと・・・」といったがやめない。勝手に謝りたいなら、好きにさせようとだまってみてた。丁寧にあやまり、もう二度と不正はしない、ゆるしてほしい。と私になみだをこぼした。

加藤は根っからの、真面目人間なんだ。冗談ひとつ言うこともなく、律儀な人間だ。これだけでわかる。あの捏造は、福島の一方的な仕業だろう。


「もうあやまるのはいいだろ。俺たちは仲間なんだからまず飲もうぜ。」

「仲間だと思ってくれるのか?」

「当たり前だろ。今日君と飲むのはほかでもない。今度の検証レポートのパートナーは僕と組もうとのお誘いさ。」

「えっ?だって君には直江がいるだろ?」

「気づかなかったかい?この居酒屋の向こうの席に、直江と小早川君がいただろ?」

「いや・・・全然わからなかった。」

「今、小早川君は懸命に直江を口説いてるよ。一緒にやりましょうって。」

「君たちは、打ち合わせをしたのか?」

「いや・・僕はできたら直江と組みたい、しかし直江があの子と組むと言ったら私ははみ出てしまう。はみ出されたもの同士だ。いやはっきり言って君のほうが私よりも成績が良い。今のうちからお願いしておいた方がよさそうだとおもったのさ。」

「そんなはずないだろ?昨年おれたちが直江を執拗に誘ったのに、彼は断固としておれのペアは三成しかいない!と言い放った。」

「まあ、あの小早川君のお手並み拝見だ。」

「直江がうんというかな?」

「彼女はもしも直江を口説けなかったら、加藤!君に矛先を変えるだろ。」

「まさか、彼女はおれたちの捏造を暴いた本人だ、俺が嫌いなはずさ。」

「そんなことはないさ、君はいやだろうが、向こうからお願いされれば承諾するだろ?彼女が君と組みたくない理由はない。ただ第一希望が直江、第2希望が加藤、と順番に頼むだけだ。一番正直なやり方だ。過去のことにこだわっていない。」

「そうなのか、俺は今年は一人でやるつもりでいた。むしろ福島さんの言いなりになるよりはましだから。」

「本音が出たね・・・」

「えっ?」

「君たちの研修レポートをじっくりこの前見たんだ。あのレポートの検証、3と4よくできてるね。あれは君の得意とするの通信の有線と無線の検証だ。すばらしい!検証5も君が書いたとなるとあれはほぼ、君1人のレポートだな。検証5 この不正だけが君が書いたのじゃないとすると、もっとすごいことになる。つまりね、今更福島さんがどうこうではなくて、まだ未完成な検証5から僕とやり直さないか?」

ここまで言ってもまだ信じれられないような顔をしている。

「とにかく、直江がうんと言うかわからないから何とも言えないが、君が優秀であることははっきりしている。前回のことは誰が悪いということではない。白紙に戻してもう一度やろう。だから『今回は一人でやる・・』なんて言わずに一緒にやろうと言っているんだ。」

加藤はただ下を向いているだけだった。


そして翌日直江と顔を合わせた。

「おはよう!昨日小早川 あきと居酒屋にいただろ?」

「何で知っているんだ?小早川君から聞いたのか?」

「いや、偶然見かけた。彼女からのプロポーズうけたのか?」

「プロポーズ??検証実験のペアになってほしいということだろ。それはお前に相談なく決められない。」

「じゃあ、相談してくれ。直江は彼女とくんでもいいのか?」

「昨日は久しぶりにフランス語で考え、フランス語で話した。」

「わかりあえたんじゃないのか?」

「できたらこの関係は大切にしたい。でもお前に申し訳ない。」

「ということは、直江・小早川ペアの誕生か?こっちはこっちで加藤と一緒にやろうという話をした。」

「三成、勝手なことを言う。おれはあの小早川 あきという子と、一緒に組んでみたい。」

「おれもそれがいいと思う。ことらとしては昨年の加藤の捏造レポートをもう一度作り直すつもりだ。」

「じゃあ、おれたち敵と味方だな・・・」

「そういうこと。ライバルで互いを高めあう、そういう友情もあっていいんじゃないかな。」

「わかった。今までありがとう。最後は君の力を借りずにやってみるよ。」

「加藤は今まで福島さんの下で言いたいことも言えずに来た。あいつは野に放てば虎になる。」

「加藤清正のようにか・・・」

「だから、手ごわいぞおれたち。」

「そういうが、小早川あきもあの捏造を見破ったのだから、そうとうやるぞ。覚悟しておけよ。」


 小早川の書いた筋書き通りになった。わたしはあの一年生の小早川あきの書いたシナリオ通りに手のひらでおどらされているのであった。私と直江は敵味方になった・・・・・


 私は佐和子に手紙を書いた。直江がフランスに行ったと思ったら、ジョンの足跡をたどって軽井沢のイチゴ畑にいたこと。小早川という大学4年生の女の子がA社のフランス支社に内定していたのに、内定をけって大学院に来たこと、こんどの研修課題は、直江と敵と味方になったことこんな経験は初めてなので緊張している。今までは直江なしではなにもできなかったのだから、今度の課題が大学、大学院の集大成になること。そんなことを書いた。私が手紙を書くと直江に声をかけた・・・

「一緒に手紙送ろうか?」

「いや、今回はいい・・・」


すぐさま佐和子から返事が来た。

仕事が楽しくって楽しくってしかたがないということ。それと小早川のことが書いてあった。お姉さんが言ってました。とてもユニークな性格で大学院を卒業したら、うちに就職したいというので、私と働かせてみたいと言っていること。ぜひお会いしたことはない彼女にメッセージを送りたいのでこの手紙を渡してほしいということが書いてあった。フランス語で書かれたメッセージカードが入っていて、これを小早川に渡してくださいと書いてある。そして直江にくれぐれもよろしくと書いて最後に「直江さんに負けないで!! がんばって!!」と書いてある。


私は佐和子からのメッセージカードを小早川に渡した。

「ええ、私にメッセージですか・・・うれしい!」

「ねえ、なんて書いてあるの。」私は聞いた。

「お会いできる日を楽しみにしています。三成さんに負けないで!!頑張ってくださいと書いてあります。」

「ハハハ、おれにも『直江に負けないで!!がんばって!!』って書いてあったよ。」

「きっと、なんて書いてあるんだ?って私に聞くことを見越して2人に書いたんですね。」

「そうかもしれないね。」

この対決は私と小早川というよりも、直江と加藤の対決だ。われわれの役割は、いかに2人をうまくサポートできるか?これが勝負のカギになるだろう。」


さて翌日から研究室で直江と小早川の話す声が聞こえてきた。聞こえてくると言ってもフランス語だから何を言っているのかわからない。最も日本語でしゃべっていても真剣に聞き耳を立てなければわからない。しかしフランス語でしゃべられると、なんとなく何を言っているのか気になり聞き耳を立てる。おもしろいものでわからないから不気味な存在に感じる。

 さて私たちも負けるわけにはいかない。決意を新たにしたが相変わらず、おとなしい様子の加藤だった。

「もしよければ、僕の方がサポートに回ってもいいんだけど・・・」

「またそんなことを言う。おれが加藤の指示に従う。最高のレポートをつくることを考えて変なわだかまりを捨てよう!」

「すまない。」

「なんで謝る?まあその謙虚なところが、君の実直で慎重で緻密なレポートが書けるゆえんだろう。」

こういうところからも加藤は福島の言いなりになっていたことがうかがわれる。私が鈍感で気づかないだけで小早川が気づいたように、上杉先生も最初はこれは、ほとんど加藤の書いたレポートだということに気づいただろう。だから先生もあの捏造は福島の仕業とうすうす感じているのではないだろうか?


 今回の研修レポートはいろいろな思いが交差する・・・・


 それから私のところに意外な人物が訪ねてきた。福島が私達の研究室を訪れた。さんざん私たちを振り回し本来なら私たちの前には姿を見せられない人物だ。いったい何の用で私の前に現れたのだろうか?

「よう、!久しぶり元気にやっているか?」

そういってこれはみんなに差し入れだと菓子折りを持ってきた。私は何と言っていいかわからず・・・

「加藤に御用ですか?探してきましょうか?」

と言った。


「いや、今日は三成君に会いに来たんだ。ちょっと話ができたらと思うのだが・・・」

「僕にですか?」

わかりました。外の空気も吸いたいので学食に行きましょうと誘った。しかし福島は私に何の用があるのだろうか?


私たちは学食に行き私は福島に食券を渡した。

「どうぞ・・」

「ありがとう・・・懐かしいなあ・・・食堂の飯を久しぶりに食いたかったんだ。」

と嬉しそうにいった。

「食券をただでもらったら悪い、よかったらこれで飲みにでも行ってくれ。」

そう言って1万円札を一枚くれた。

「いや・・・そんな・・・食券1枚で受け取れないですよ。」

私は遠慮したが

「これでも給料もらっている。だまって受け取ってくれ。できたら加藤をつれて飲みに連れて行ってくれ。」

「それじゃあ、遠慮なく・・・」

「ところで加藤は元気にやっているのか?」

「相当落ち込んでましたよ。いまだに引きずってるかな・・・・」

「そうか・・・しかし今度の検証レポートは君と加藤が組むのだろう?」

「よくご存じで」

「落ち込んだ彼の力になってやってほしい。よろしく頼む。」

「何言っているんですか、加藤の才能はすごい。誰よりも福島さんが知ってらっしゃると思いますが、ほらあの昨年の検証レポートだって、検証2と3は加藤の得意とする分野だ。あれを実験して書いたのは加藤でしょ?すごい才能ですよ。」

私がそういうと福島は少し反撃するように

「確かにあの検証3.4は加藤の得意分野だが書いたのは私だ。まあそんなことはどうでもいいか…彼ということでもいい。」

私のけん制パンチが見事に入ったというところだろうか・・・福島は少しうろたえるように返してきた。

そしてその話題をしたくないと言わんばかりに話を変えてきた。

「ところでほかでもない、今日ここに私が来たのは三成君に来年わがP社に就職しないか誘いに来たのだ。」

「僕がですか?」

「会社の人事から良い後輩がいたら、いまから勧誘するように言われているんだ。」

「加藤がP社希望と聞いてますが・・・私より彼を誘ってください。」

「そこなんだよ今日の話は、ほら例のおれたちの書いた研究レポート不正をしたのは彼だろ?会社で噂なんだよ、彼にはうちをあきらめさせてくれって会社は言うんだ。・・・そこで私は君を推薦したいんだ。」

「福島さん、そんなこと今彼の耳に入れたらますます落ち込んじゃいますよ。」

「そうだよな・・・とにかく今日のところは彼には何も言わない。それとなく彼をフォローしてくれ。」

「あっ!!!」私が思い出したように何か言いかけると

「どうした?」と福島が私に聞く。

「いや、今研修の段取りが浮かんだんで・・・実験室戻ります・・・」

「ほう、君は相変わらず熱心だな。」

すみません、とにかく今の話加藤には言わないでください。」

そういって私は学食の定食を半分のまま福島には帰ってもらい研究室に戻った。


さっき「あっ!!」と叫んだのは私の目の前を加藤が一目散で走り去ろうとしていたからだ。福島の背中での出来事なので彼は気づかなかっただろう。加藤は今の私たちの話をそこの隅の方で聞いていたのだ。私は本当に鈍感な男だ。今の会話を一部始終聞かされていたとしたら彼はますます落ち込む、いや怒り心頭になるかもしれない。


 研究室に戻ったが彼はいなかった。そして今日はそのままどこに行ったのかかえってこなかった。

私は途方に暮れてしまった。困ったことになった・・・

困ったときは小早川 あきの顔が浮かんだ。


ちょうどその時小早川が帰ろうとしていた。そのタイミングで声をかけた。

「あきちゃん・・・ちょっとこれから飲まない?」

「いいですよ。でも・・・」

「研修レポートとは関係のない話。それと今日は私がおごる・・・」

「ありがとうございます。珍しいですね三成さんがお金持っているなんて、」

いろいろおカネの面では彼女に迷惑をかけたことがあった。しかし福島にもらったお金があるとは言えない。


そして私たちは居酒屋に行った。

「どうしたんですか?私を飲みに誘うなんて・・・だめですよ。研修レポートについてはシークレットですから。敵の三成さんには教えない。」

「いいよ、そんなこと言わなくたって、言ったところでフランス語じゃわからない。」

「じゃあ・・何の用かしら?私があまりにも可愛いから口説きたくなっちゃったんですか?」

「ば~~か!」

「失礼しました、佐和子さんが一番で2番は松田聖子3.4がなくて5番目はお姉さん~~三成さんの好きな人・・・」

私は苦笑いをした。なにも姉まで出さなくてもよいものだ。


 そこでいつもの生ビールが運ばれてくる。ビールを飲みながら今日福島が来たこと、P社に来ないかと誘われたこと、逆に加藤にはあきらめてほしいと本人にはいえないがそのつもりであること、それを全部加藤に盗み聞ぎされてしまったことを話す。ねえ?あきちゃんどう思う?」

「三成さん鈍感だからな~~福島さんとあなたが食事をしたとき加藤さんどの辺に座ってたかしら?」

「わかんない・・・」

「おそらく私の想像だと三成さんの横じゃいかな?少し離れた・・・前を見ている三成さんには死角になる位置、横を見ない限り見えない場所。逆に福島さんからは見える所、福島さんはそこに加藤さんがいることに気づいた。気づいても気づかないふりをしてわざと、彼に聞こえるように彼には言えないが・・・なんて言って話をした。それを加藤さんは一部始終聞いていた。さすがに鈍感な三成さんも加藤さんが席を立って行こうとするのは気づく。そこで「あっ!!」と声を上げたけど、とっさに三成さんがごまかしたのでそのままごまかしに福島さんはあわせた。こうすることによって福島さんは伝えたいのだけれど、自分の口からでは言えない話をあなたを利用して巧妙なトリックで加藤さんに伝えた。

「加藤さんはP社には入社できないということを・・・・」

そして加藤さんは一人悩んでまた奈落の底ね。


「そんな・・・まるで俺が悪いみたいじゃないか・・・」

「すみません・・・でもなんで福島さんは加藤さんをP社に入れたくないのかしら?」

「それは検証レポートの不正がばれるからだろ?」

「そうかしら?ばれたっていいじゃない別に。」

「だって、加藤はあれだけ落ち込んでいるんだよ。」

「それは、学生の間だからよ。一緒にやってきた仲間とかに迷惑をかけるってことでしょ?でも社会から見たらどうってことない話でしょ?たかだか学生の論文よ、捏造だなんだって大げさなのよ。故意じゃなくて過失だっていったらどう?「若気の至り・・・」で終わる話よ。終わらないのは上杉先生だけ、たとえば上杉先生の論文に作為的な不正があったらこれは問題よ。上杉先生はプロですから、だから今回処分された。学会に出す前に上杉先生がきちんとチェックしなかった、これは社会的批判を浴びる話なの。だから今回先生は降格という処分を受けた。


上杉先生がかわいそうだとみんな言うけど、先生はプロなんだから不正が見抜けなかったのは問題。だから処分はまとを得ている。これが社会なのよ。私は上杉先生大好きだけど仕方ないことだと思う。」

「なるほど・・・その通りだ。じゃあなんで社会に出てまで福島はあの論文にこだわるの?」

「福島さんが論文にこだわっているのは、不正のところじゃないと思う。」

「つまり、検証3,4の加藤の緻密な検証レポートか?」

「そう・・・私思うんだけど・・・・これは私はよくわからないので三成さんのご意見が聞きたい。今持ち歩く電話の普及がさけばれているでしょ?近い将来携帯電話が普及するんじゃないかしら?」

「携帯電話?」

「電話を持ち歩くのよ。」

「そんな時代が来るかね・・・」

「各企業その開発に全力を挙げてるんじゃないかなあって思う・・・」

「わかった、あきちゃんが言いたいこと・・・」

「さすが先輩、三成さんはあの検証3,4についてどう思う??」

「そうだ、携帯電話の開発には、加藤の得意とする検証3,4の専門知識は必要かもしれない・・・・」

「私もそう思うの、つまりP社はその専門知識があると思われるあの検証レポートを書いた福島さんを引っ張り込んだ。しかし実際は、あの知識は加藤さんのもの、福島さんにはそれほど深い知識はなかった。P社は福島さんより加藤さんが欲しいのよ。」

「ところが。それをいち早く知った福島さんは、加藤さんが入ってきたら自分はつぶれてしまう。そんな後輩を入れたくない。」

「そう、自分を脅かす加藤を早めにその才能を摘み取ってしまいたいと考えた。」

「それで、気のいい三成さんを使って死角のトリックを使って加藤さんを奈落の底に突き落とした。」

「なるほど・・・」


小早川はまるで探偵のように推理をする。そう私の姉のようだ。

「じゃあどうすればいいの?」

「加藤さんは自分の才能が卓越していることに自分自身気づいていないのよ。P社に入れるのは福島さんのおかげと思っている。落ち込むことないの、P社は加藤さんを望んでいる。だからP社に入るか、逆に福島さんのいないライバル会社に入ってもいいじゃない。あとは加藤さん自身が決めればいいこと。とにかく加藤さんは三成さんが手伝って前回のものを超えるレポートを提出すればいいの。それだけの話。」

「そうか・・・そしたらおれたちの勝ちだ。君と直江の負けになるよ。」

「そう簡単に決められるほど直江さんを甘く見ないで。」

「それじゃあ、正直言ってあきちゃんは直江と加藤のどちらを尊敬する?」

「私物理学者じゃないから・・・エンジニア志望じゃない。私が尊敬するのはあなたのお姉さん。」

「姉き?」

「そうです、だから三成さん、私を妹だと思ってこれからも仲良くして。」

「姉きか・・・確かに姉はすごい・・・」

そうと決まったら早く加藤を探し出さなければならない・・・


しかし次の日研究室に行くと私の机の上に置手紙が残っていた・・・・

「三成君・・・ご迷惑をお返した。本当に申し訳ない。君が私を友と言ってくれたことは忘れない。だけど僕は福島が許せない!」

と書いてあった。


加藤のやつ・・・

Don’t let me down  (がっかりさせないで・・・)  


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