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STRAWBERRY FIELDS FOREVER

Strawberry Fields forever (イチゴ畑を永遠に・・・)・・・① 直江のゆくえ


私は佐和子に手紙を書いた。


 私と直江が必死の思いで書き綴った検証レポートが、ライバルの福島加藤の検証レポートに負けた。彼らの検証レポートが学会に取り上げられたが私たちのレポートは日の目を見なかったこと。それから私と直江の仲はぎくしゃくしてしまったこと。しばらく直江は実家のフランスに帰ったこと、しかしそれを私たちを尊敬してますという小早川という大学生の後輩が、福島加藤の検証レポートに疑問を持ち、私の研究室に来て検証実験をして2人の捏造を証明した。おかげで彼らの栄誉は失脚した。しかし代わりに私たちのレポートが学会に取り上げられるということはない。

、われわれの評価があがったわけではないが、少なくとも私たちは福島加藤に負けたわけではない。私たちのぎくしゃくした仲は元に戻るはずだ。フランスにいる直江と会っているのなら、この手紙を見せて直江に伝えてほしい。


「おれ達は、福島、加藤に負けてはいない!」・・・と




 そう、加藤、福島の失脚をいち早く直江に伝えたいのだが、彼の連絡先を知らない。おそらくフランスで佐和子に会ってるのだろうから、佐和子に手紙を書いた。しばらくして佐和子から手紙が来た。お手紙ありがとうございます。佐和子の最近の近況報告であった。自分の仕事実績が認められて特別にボーナスをもらったそうだ。そんな高い金額じゃあないけどお姉さんからお褒めの言葉をいただきうれしかったと書かれている。そして、直江については私のお店には来ていない。フランスに帰っていることも知らなかった。と書いてあった。


 直江は佐和子とは会っていなかったのか・・・・

それから私のところに上杉先生が私のところに血相を変えて来た。

「三成君!三成君!」

「どうしました?」

「今、フランスの直江君のご実家からお電話があったんだ。お父さんが危篤なので帰ってこれないか?って伝えてほしいというんだ。」

「えっ??あいつ実家に帰ったんじゃないんですか?」


「僕もそういう認識していたんだよ。」

「私には春休みはフランスに帰るって行ってましたけど・・・」

「実家には帰っていないようだね。」

「わかりました、心当たりを当たっています…ちなみにお電話はいつあったんですか?」

「今、直江君のご実家からお電話をいただいた。」

「今11時ですから・・・フランスとは7時間時差があります。向こうは朝の4時に連絡しているってことですよね。」

「そうか・・・危篤もかなり深刻っということか・・・」


私はいつも佐和子のことを思う時、今頃起きたかなあ~と時間を繰り下げて考えるくせがついているので、その辺は計算が早かった。

と言っても彼が行きそうな場所の心当たりはない。どうする?

とにかくお父さんが危篤だというのだ早く伝えてあげたい。

まずは、直江の家に電話をした。直江の家とは彼が下宿している部屋の電話だ。



「はい直江です。しばらく留守にします。ピーという発信音の後に続いてお名前とご用件をお話しください。」

「ピー」

「三成だ!お父さんが危篤だそうだ。どこにいるんだ?」

留守番電話は直江自身の声で録音されていた。


 どうしよう?いったい直江はどこに行ったのだろう?家に帰っていないとなるとなにか思い詰めていることがあるといことだろうか?ここを出ていくときに私たちの間はぎくしゃくしていた。決して息抜きにどこか旅行しているという気分ではない。気になる・・・それから直江のことが気になってしょうがない。こういう時に頼りになるのは昔は姉だがここにはいない。私はふと小早川の顔が浮かんだ。どこかしら姉に似たところがある。彼女は誰よりも直江を心配している。こういう時は彼女の感とひらめきに頼るしかない。


 早速小早川に連絡を取った。ただ・・・この前のお礼もきちんと言っていなかったし、なによりも未遂とはいえ、研究室でいやらしい目で彼女を見たことを思い出すと気まずい。小早川の家に電話をするとすぐ出てくれた。


「こんにちは、この前は・・・、いろいろとお礼を言わなくちゃいけないのにすっかりご無沙汰して・・・」

「いえ、そんなことはどうでもいいです。先輩が私に電話するってことは急用ですよね?どうぞ先にご用件からお話しください。」

彼女は相変わらず勘が鋭い何らかの異変を悟ったようだ。

「ああ、実は直江のゆくえがわからないんだ。ご実家のお父さんが危篤という連絡が入った。直江に連絡が取れなくて・・・」


「わかりました。三成さんは今研究室から電話しているんですね?上杉先生もそちらにいらっしゃるなら、私がそちらに行きます。一緒に考えましょう。研究室お邪魔してもいいですか?」

「もちろん、大丈夫です。」

それからすぐ小早川は私の研究室に走ってきた。研究室で2人になると、どうしてもいやらしい目で彼女を見たあの日のことを思い出すのだが、彼女は気にしていない。

「直江さんの行きそうな場所をまず考えましょう・・・・」



小早川はまるで探偵のように今までの情報をまとめ上げて私に的確な指示をする。

「まず、直江さんの行きそうなところはフランスです。ご実家も佐和子さんの会社にも行っていない。そうなるとフランスにいるとすると 高校の時の友人等になると思います。これは上杉先生が詳しいと思うので上杉先生に心当たりを聞いてもらいましょう。


 次に大学時代ですが、大学時代上杉先生と三成さん以外に、親しい友人はいませんか?ここが一番のポイントになると思います。私たち以外の大学院の友人と一緒にいる可能性はないと思うんです。もし大学院の友人とコンタクトを取っているとしたら、その友人から、福島さんと加藤さんの捏造が耳に入るはずです。そうなれば直江さんは誰よりも三成さんに会いたくなるはず。『福島さんと加藤さんの捏造』を一日も早く直江さんに伝えることですからね。」


 なるほどいちいち彼女の言うことは筋が通っている。

「おそらく一人でいる可能性が強いですが、ここをでてから誰かに会っている可能性があります。その人を探すことです。」

「そういっても、大学の頃は友人はいなかったからな・・・・」

「そこをなんとかさがしてください。」




Strawberry Fields forever (イチゴ畑を永遠に・・・)・・・② 大学時代の研究室



私が浮かんだのはまず石田だ。といっても石田と直江は接点が全くない。ただ直江という友人が私にいるといった程度の認識だ。

「それで電話してもね・・・」というと。


「まずその方に電話してください。」と小早川は言う。

100%無意味な気がするが、久しぶりに石田と話したいので連絡を取ってみることにした。お店に電話するとちょうど休憩とかでゆっくり話ができた。いきなり本題を話しても何のことか?と戸惑うので世間話から入る。


「久しぶりだなあ、元気にしてる。」

石田も元気そうだ。オーナーは別の事業にかかりきりなので、石田は今や事実上このお店のオーナー代行と言っても過言ではない。


私は 大学院で 可もなく不可もなく 過ごしているようなことを 話した。 すると石田の方から そういえば 昨日君の後輩でチーフの宇喜多君がたいそう君のことを誉めたたえているという話をしてきた。彼は君が前いた研究室の同じ部屋に今いるそうだ。功績をみたら君ともう一人の女性なんってったっけ?・・・」


「直江のこと?」

「そうそう、」

「君もすごいが直江さんもすごい。ふたりの仲を疑った自分が恥ずかしい。私にもしなにかの機会におまえと話することがあったら謝ってほしい。そういってたよ。」


意外なことに・・・石田から私が探している直江の名前が出た・・・・

「宇喜多君が俺のいた研究室にいるのか…行って会ってみたいな。」

「そうそう、それでその直江って人もなつかしがってこの前宇喜多君のところに訪ねてきたそうだ。それで話をしたらますますその人を尊敬しているっていってたよ。」


私はその瞬間体が震えた 直江が大学時代の研究室に顔出してるのだ。

「それで直江が大学を訪ねたのはいつのことだかわかるか?」

「詳しくわからないけど昨日の話だから 最近じゃないかな ?なんでそんなこと聞く?」

「 実は、その直江が行方不明なんだ 。今どこにいるのか探してる。」


「 そうなんだ・・・それでおれに電話してきたのか、それなら宇喜多君、今日夕方4時から9時まで お店入ってるから、 その時もう一度電話してみたらどうだ?本人に確認したらいいさ。」 そこで電話を切った 。


というわけなんだよ。すると 小早川は

「これから東京行きましょう 。今すぐその宇喜多さんにお会いしましょう。私も一緒に行きますから。」

「今から、東京に行くのかい?」


「今から飛行機にのれば、その宇喜多さんという方が 仕事を終える9時に はお店に着くんじゃないかしら。」

「確かに…飛行機なら間に合う。」

「じゃあいきましょう。」



「三成さん、直江さんの写真あります?」

「この前 上杉先生と撮った写真があったなあー。」

「いいですね、これは直江さんが男である写真です。あと女の写真が必要です、フランスで佐和子さんと一緒に撮った写真がありますよね。それと2枚持って行ってください。」

「わかった。」


なるほど、この人を知っていますか?と聞くときにたしかに2枚必要だ。

「それと、上杉先生のところに直江さんのご実家から、もしくは直江さん自身から連絡が入る可能性があります。そのときわれわれと連絡が取れるようにしなければいけません。先ほどのお友達の方のお店の電話番号を先生にお教えしておいた方がよいかと思います。」


なるほど場合によっては直江がひょっこり帰ってくることだってある。

「じゃあ、上杉先生には東京にいる姉の電話番号意を教えておけばいいね。姉は大学の近くに住んでいるんだ。」

「お願いします。」

小早川の言う通りにして私たちは一緒に千歳空港に向かおうとした。しかしもう一つ大事な問題がある・・・


「ちょっと待って・・・ 俺 飛行機代持ち合わせががないんだ 。先生から借りるか・・・」

すると小早川が笑って

「私持ってますから大丈夫です。」

恥ずかしかったがしかたがない。小早川と 二人並んで 飛行機に乗った。



筆者の独り言  


 前の章でもお話ししたが携帯電話のない時代、こういう時はとにかく急を知らせるとき大変だった。

私など学生時代は遊び歩いて、いちいち親にどこでなにをしているのか言わない。もっとも携帯電話がない時代はそれが当たり前だったのだが、こんなエピソードがある。筆者が大学生のころ私のいとこが交通事故にあい危篤状態におちいった。血液型A型の血を集めなければならなと、いとこの母親である私のおばさんは考えた。友達がたくさんいそうですぐ友達をたくさん集められそうな私を頼った。私はその時大学の一人暮らしをしている友人の家に泊まっていた。朝7時だったかその友人の家に電話がかかった。「お前に、おばさんから電話だよ。」という・・・なんで?電話の向こうで、私のいとこが交通事故で危篤だ。A型の人を何人か集めてほしいというのだ。まずびっくりしたのがどうやってこの友人の電話番号を調べたのかだ。といより私がここに泊まっていることを実は母に告げていない。おそらく母も協力して電話のわかる友人に電話をして、必死に調べたんだろう。友達からおそらくここにいると知らされて、かけてかけて・・・苦労してそれで私に電話がつながった。私はその時「わかった、A型ね、まかせておいて。」といって友人にいう。たまたま泊まった先の友人がA型だった。2~3人A型の友人を探すのはたやすいことだった。それからしばらくして。またおばさんから電話があった。2~3人連れていけそうだと言うと、


「ありがとう、大丈夫だった。その人たちに大丈夫だったとお礼を言ってください。」

大きな事故だったので彼は顔が変ってしまったが、普通の生活ができるようになる。いまでは何事もなく大手企業の部長さんで結婚して子供もいる。私はあの時よくあの友人の電話番号をつきとめたと、母の子を思う思いがわすれない。そのおばさんまだ90歳近いがご健在です。




 フランスに行くわけではないのでフライト時間は1時間程度だが小早川は一つ一つメモを取ってまとめていた。

「直江さんは大学時代が懐かしくなったのね、そう三成さんと一緒に研究した思い出の場所研究室を訪ねた。そして昔のことをおもいだした。その次に訪れる場所はどこかかを考えます。三成さん、そういう場所に心当たりはないですか?2人だけで行った場所・・・例えば喫茶店とか居酒屋とか・・・」


「そうね~~」

「学校以外にないの?」

「研究室以外に彼と会ったりしたりとか、食事したりとかしていないもの・・・」

「例えば、佐和子さんとの思い出の場所とかない?」


「ああ・・・彼女を引き合わせた時のレストラン。」

「そこに行きましょう!9時に宇喜多さん仕事を終えるんですよね、その前にそのお店で食事しましょう。」



私達は羽田から電車で私と佐和子と直江といったお店に小早川とでかけていった。思わず私は懐かしくなった。素敵な音楽が流れている。そうこのお店はビートルズの曲が流れるお店で私も佐和子もお気に入りだ。そこで私たちは食事の注文をしようとした。


「ねえ、オーダーを受けたウェートレスさんに写真見せて最近この人ここにきていません?って聞いてみて。」


「どっちを見せたらいいかな?」

「女の子の方、この町では女の子だったんでしょ?」

なるほど・・・

私は料理を注文して、さりげなく「こういう女性が最近来ていないか?」を聞いた。


「そうですね・・・最近来る人に似てるかな・・・」

「本当ですか?」

「一人できてお店に流れる音楽を聴いて本を読まれていました。日本語の本じゃなかったです。英語かな?お昼と、夜2回きますよ。」

「フランス語の本ですね。」

「今日とか昨日は来てます?」

「ここ2~3日来てないかな・・・・」


少しずつ直江の足取りがわかってくる・・・・

私は公衆電話で石田に電話をしてこれからお店に電話して宇喜多君にこれから会いたいというむねの電話を入れた。宇喜多は歓迎してくれてお店は閉店しているが9時にお店でお会いしましょう。と快く承諾してくれた。


「先輩お久しぶりです。今僕は先輩の使っていた研究室にいます。」

宇喜多は笑顔で私たちを迎えてくれた。

「こちらは小早川 あきさん直江の友人なんだ。心配で一緒に直江の行方を捜しているんだ。ちなみに君と同じ大学生で、応用物理学科を専攻している。」


「先輩、君と同じっていっても、うちの大学とH大じゃ同じって言えないですよ。」

「よろしくお願いいたします。」

「直江は君の研究室に行ったのかい?」

「ええ、すごく懐かしがってここで三成さんと朝までいたんだってお話ししてくれました。」


「直江見た時、昔と変わらなかった?」

「全然違いますよ。この大学にいた時はなんか田舎むすめみたかったじゃないですか?今すごい奇麗ですよね。」

「こんな感じでしょ?」

私はフランスの佐和子と写っている写真を見せた。


「あっ!佐和子さんですね、へ~直江さんと佐和子さん友達なんだ。ここフランスですよね。先輩はいかなかったんですか?」

「おれは、フランス行ったことないんだよ。」


「それで、先輩たちの残した研修レポートのこっていたんで、いろいろ質問させていただいたんです。そしたらその時実験した時のこと詳しく教えてくださいました。僕にとっては知らないことを教えていただき、すごく有意義な日でした。そういうと直江さんは、私に『私の生涯の大切な思い出を思い出させてくれました。ありがとうございます!』っておっしゃってくださいました。」


「それからどこに行ったかなあ?」

「一度来てくださっただけなんですよね。」

すると小早川が質問した。

「なにか次に行く場所のヒントみたいなものを残してないですかね?例えばその実験以外にお話ししたこととか・・・」

「三成さんとの思い出と物理学の話ばっかりだったなあ~~」



Strawberry Fields forever (イチゴ畑を永遠に・・・)・・・② ジョンレノンの思い出


すこし沈黙すると思いだしたように・・・

「そういえば、ジョンレノンがなくなった日の夜ここで三成さんと泣いたって言ってたなあ~ジョンが好きだったって言ってました。」

「ジョンレノンか・・・・」

それ以上はなにも進展しなかった。夜も更けてきてきた。


そうだ、今日は遅い今日泊まるところ考えなければいけない…


「ねえ、宇喜多君お願いがあるんだけど、君は一人暮らしだよね。今日君の部屋に僕を泊めてもらえないかな?」

「いいですよ。レポート見てもらっていいですか?」

「もちろんいいさ。」

「私は、ビジネスホテルに泊まりますから・・・」


小早川が言う・・・

「いや、小早川さんは、うちに泊まってうちには姉さんがいるから。姉さんA社の社員だから、いろいろ聞いたらいいさ。」

「そうなんですか?」

すると宇喜多が・・・


「よかったですね、先輩と一緒じゃ何されるかわからないですから(笑)」

早速、姉さんのところに電話をした。


「今、上杉先生から電話がきました。直江さんのお父さんのご病気峠を越されて安定してきたそうです。危篤ではなくなったので忙しいだろうから、すぐ帰らなくてもいいと伝言してください。と言ってましたよ。」

「ありがとう姉ちゃん、連絡場所に使わせてもらって・・・それとねもう一つ頼みがあるんだ。」


私は直江が行方不明であること小早川あきという女の子と一緒にいること、彼女をうちに泊めてほしいと話した。

「わかった、いいわよ。」

「それと、もう一つ頼みがあるんだけど・・・。」

「まだあるの?お金でしょ?」

「感がいいね・・・今から連れていく小早川さんに飛行機代、食事代と借金がある。とりあえず返しておいてくれないかな?」


「あんた!後輩の女の子にお金借りてるの最低!!」と怒られた。

「姉ちゃんは直江とのことみんな知っている、知らないのは小早川さんの存在だけ、君が自己紹介をすれば、全部話が分かるから、2人で直江のゆくへを推理してよ。」



というわけで小早川を自分の家に送り姉に引き渡し、私は宇喜多の部屋に泊まった。

まずは明日提出のレポートを手伝わされた。

「何で明日提出のものを今頃?」

「先輩だって身に覚えがるでしょ?これでも僕チーフですから。」

気がつくとレポート仕上げるために夜中の3時間で付き合わされた。

「先輩!小早川さんってかわいいですよね。彼氏いるんですか?」

「知らないけど・・・」

まさか直江が好きだったとは言えない。

「H大学じゃ、おれよりずっと頭いいし・・・」


「何言ってるんだ、君もH大学の大学院受けられるだろ。」

「先輩のようにはいかないですよ。」

「大学院いく?」


「いや、就職します。自信あります。大学の成績も悪い方じゃないし、おれチーフまでになったんだからどんな仕事でもやれる自信があります。いつも思うんです。勉強もアルバイトも充実した生活が送れるのは三成先輩のおかげだって。石田店長も言ってますよ、あいつがいなかったら、おれは中途半端に音楽を目指して今頃、くだらない人生を送っていた。あいつに感謝しているって。」


そうか・・・それぞれの人生がある。


私は宇喜多にお礼を言って、朝早く自分の家に帰った。

姉と小早川は一緒に朝食を取っていた。

「おれの分ある?」

「あるわけないでしょ?トーストだったら焼いてたべていいわよ。」

しかたがないのでトーストにバターを塗ってミルクをもらった。


「三成先輩、直江さんの行きそうな場所わかりました?」

「いや・・・昨日宇喜多に今日提出のレポート手伝わされていたから。」

「もう、のんきですね・・・」

小早川は笑って昨日姉と話したようだ。直江失踪事件の推理を姉が語り始めた。


「おそらく直江さんはここで過ごした研究室の2年間が一番楽しかったんだと思うの。それで女性の直江で研究室を訪ねた。思い出にしたかったのは、その時ここでジョンレノンが亡くなった夜のことだった。直江さんはジョンレノンが好きだった。これは宇喜多さんに聞いた話ね。


そこで次にビートルズのBGMが流れるレストランんでフランス語の本を読んでいた。残されたヒントはそれだけ・・・次は直江さんどこに行くと思う?」


「どこって??フランス語ならフランスに行くかな?ビートルズがキーになるならイギリスのリバプールか?」

「外国にはいけないわ。日本の中で考えて・・・」


「ビートルズと日本は関係ないでしょ?1963年に日本なら武道館かい??」

「日本公演の武道館に思い入れがあるはずがない・・・だってその時直江さんは5歳よ、フランスにいたはず。これは、お姉さんの推理だけど


昨日宇喜多さんの話でジョンの死んだ日のこと思い出して二人で泣いたって言ってたじゃない?ジョンレノンなら奥さんのオノヨーコが日本人なんだから、日本は結びつく。」


「オノヨーコと日本・・・・そうだ!ジョンが生前ヨーコと訪れていたのは、日本の軽井沢だ!」




Strawberry Fields forever (イチゴ畑を永遠に・・・)・・・③ 軽井沢へ




「ジョンが、音楽をはなれてヨーコとおとずれた町が軽井沢・・・」

「ていっても、軽井沢広いからな・・・」

「そう、だから軽井沢のジョンがお気に入りのアイスクリームの店とかあるよね?そういうところを当たるしかないかな・・・」


「なるほど・・・」

「ねえ、軽井沢からなにか絞り込めるもの思い出せない。」

「なにも、思い出せない。」

「簡単に答えないでよ。じゃあ・・・直江さんが一番好きなビートルズの歌は?」

「なんだろ・・・イマジンかな・・・」

「それ以外は?」

「え~と・・・ジョンレノン・・・」


「あっ、思い出した。ジョンのつくった傑作、ストロベリーフィールズフォーエバーがいいって言ってたことがある。」

「ストロベリーフィールズフォーエバーか・・・」

「いちご畑を永遠に・・・・」


「軽井沢にいちご狩りができるところないかしら・・・・」

「三成さん、そこ行きましょう?」

すると、姉がしみじみ言った・・・


「小早川さんのひらめきと実行力うちの会社にぜひ必要な人材ね。佐和子さんと一緒にフランス支社で働いてくれないかしら・・・・」

「いいんですか?私お姉さんの下で働きたいです。」


「おい!ここで就職活動するな・・・」

姉の家では最後は笑って軽井沢に向かった。




それから私は恥ずかしいが姉からお小遣いをもらって軽井沢に向かった。


ちなみにこのころは、東京から新幹線は出ていない。急行で軽井沢に向かった。


「直江・・・軽井沢にいるかな?」


「そこしか思いつかないわ。しかし・・・お姉さんはすごい人ね。」

「私、直江さんを尊敬していたけど、お姉さんも尊敬する人。」

「そう、じゃあうちに泊まってもらってよかった。」


「ビールごちそうになったの。全部包み隠さずお姉さんに話したわ。もちろん私がレズビアンだということも、三成さんが研究室で私と朝を迎えた時、私をいやらしい目で見て、犯そうとするのを、必死に理性で抑えていたってこともお話ししました。」


「そんなことまで言ったの?」


「一度前科があって、ある人と間違えを起こしたって、同じ間違えを2度起こさないってほめてました。」

「そんなこと褒めなくていいよ。まったくそんなことまで話したのかよ?」

「いや・・・私お姉さん尊敬してるいったけど、お姉さん私のことものすごく買ってくれてました。」

「もう一つ・・・楽しい話を聞きました。」

「なんだよ、まだあるのかよ。」


「三成さんが小学校4年生の話」

「ええっ?そんな昔の話」

「そう、三成さんおねしょしたんだそうです。」

「??」


「お母さんに言えなくて、お姉さんに泣いてどうしよう、どうしようって抱き着いてくるのはいいけど、おねしょでパジャマが濡れているでしょ?それで抱き着かれても払いのけたいのよ本当は、でもウォンウォンなくからしばらく我慢してたのよ。そしたらあいつなんて言ったと思う?」っておっしゃってましたが、三成さんはその時なんて言ったか覚えてますか?」


「ええ?おねしょしたのはなんとなく覚えているけど、姉ちゃんに抱き着いたことなんて覚えていないなあ?」

「覚えていないんですか?」

「教えてあげます、『おねえちゃんのおっぱいふくらんでいるから、顔うずめて気持ちよかった。』と言ったそうです。」


「えっ?そんなこと言わないよ。」

「あいつに最初に被害を受けたのは私です。っておっしゃってました。」

そんな話をしていたら軽井沢に到着する。駅につくと小早川はレンタカーを借りに行く。

「車で探した方が効率よいでしょ?」


「でも。車の免許持っていない。」

そう私はバイトと勉強に追われて免許を取りにいく暇もなかった。特に必要としていなかった。

「大丈夫です。私持ってますから。」

軽井沢にあるイチゴ畑を片っ端から探しましょう。」


小早川は運転になれているようだ。隣で乗っていてなにも違和感なくスムーズな発進、ブレーキもスムーズだ。私は地図を見ながらナビゲーターをした。1時間ほど車を走らせたら


「あっ!!」

イチゴ畑に直江をみつけた・・・・・

Strawberry Fields forever

(イチゴ畑を永遠に・・・)


Let me take you down

Cause I'm going to Strawberry Fieids

Nothing is real

And nothing to get hung about

Strawberry Fieilds forever


君を連れて行っていいかな

僕はイチゴ畑に行くよ

リアルなものなんて1つもない

不安になるようなこともない

イチゴ畑は永遠なんだ・・・・



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