78.獄級デート再び3
勇者戦前の最後のレベル上げですね
早朝に起きて、錬金部屋でオートの設定をして聖水をたっぷり樽に詰める。
今日がレベル上げ最後の日だ。太陽魔法と龍魔法はまだ次の魔法が出てこない。
「サンライズ、ブレス、サンライズ、ブレス、サンライズ、ブレス…」
修練場で魔法の鍛錬をしていると、黒曜も隣に並んで同じ魔法を練習し始める。
それぞれレベルが5に上がったあたりで何か生えた感覚。
紅炎祓魔(神聖+太陽の高等合成魔法)生物・物に憑く邪悪なものを焼き尽くす
紅炎 辺り一帯を太陽の紅炎で包む
紅龍降臨 紅炎で出来た竜が敵を飲み込む (太陽+龍の高等合成魔法)
龍気開眼 術者の目が龍のものになり、睨んだ相手の自由を奪う。睨んでいる間のみ有効
おお 何か一気に生えたけど、紅炎祓魔以外がちょっと微妙なような…。や、レベル5だしな。10になったら凄いの生える気がする。
そのまま朝の修練ギリギリまで練習していたが、8までしか上げられなかった…あと少しなのに!
7と8でぽつぽつスキルは増えたけど、どうも威力に欠ける気がしてならない
明日決戦だし、ダンジョンから帰ったら10まで上げよう
朝食の席で、今日は何処に行くか地図を広げながら相談する。
「元エスタークにもう一個あったと思うんだよな。東端の方に」
「じゃあ其処にしようか」
「黒曜は何処がいいとかないのかよ」
「獄級なら何処も大差ないし、内部の情報がそもそもないから選びようがないな」
「まあ、そう言われるとそうなんだけどさ」
もぐもぐ。朝食美味しい。リシュのトーストはしっとりもちもちしてる。表面だけがカリっとしてる。
「んじゃ元エスタークでいっか」
残りの2つ目玉焼きとベーコンを食べる。私はベーコンはカリカリ派なのでこれは大変良いベーコンエッグですね!
最近和食が人気だったのでレストランにもう一品増やしたって聞いた。何が増えたんだろう。
「んはー、ご馳走様!」
「ごちそうさま」
手と口元にクリーンを掛けて、いざ獄級へ。
ダンジョンから少し離れた所に転移。森の中だが、ダンジョン周りだけは食い散らかされて禿げている。
敵が良く見えて丁度いい。飛行し、メテオでお掃除。
ダンジョン入り口に範囲魔法とメテオ。
足を踏み入れ、駆け足で駆逐していく。1~19層はいつもと大差ない。20層ボス部屋が見えた。目で合図して一気に扉を開ける。
「鑑定!悪魔アサグ!弱点は特になし、無効は物理と土!」
岩で出来た丸い巨人のような体に、全身に幾つもの目がついている。3つ腕、3つ足を持つが、首はない。
「ロックウォール!」
分厚く太い腕が黒曜のロックウォールを1撃で破壊する。
「ホーリーケージ!」
直ぐに破られるのは覚悟の上で、詠唱時間を稼ぐ。
「穢れたるもの、我が領域にその存在を認めず。清らなる聖なる光よ全てを浄化せよ。穢隔聖光陣」
拘束魔法だ。こっちなら動きを止められると思う。
「重力場」
黒曜も重力魔法で相手の動きを止めに掛かってる。
「荒ぶる神の厄災」
「我が身に刃向けし反逆者。そなた等は内から弾けて消えよ。黙示録之大禍」
蔦と重力場で身動きの取れない巨人に、重力の鈍器が叩きつけられたように、その体の3分の1を持っていかれる。続いて破壊の因子が体中に潜り込み、体の内部から何度も爆散する音が聞こえる。蔦が侵食を終えた。ゆっくりと切断するように魔法陣が閉じられる。
「グォオォオオオオオオ!!」
末期の咆哮だけを残して、巨人は崩れた岩を残して消える。核は破壊されていた。魔石も。
ドロップはアサグのソードメイス、神鋼、アサグの眼
ソードメイス使うやつはいないので売る。アサグの眼は錬金素材だった。アムリタの素材のひとつらしい。取っとこう。
「よし、進もう」
「うむ」
21~39層も、特に変化はなく、いつも通りに駆け足で進む。40層。ボスだ。目で合図して一気に開ける。
「鑑定!邪精霊ネビロス!弱点は聖、無効は闇と物理!」
見た目は法衣を着崩した死神のようだ。ふわりと宙を漂っている事から、実体が無く幽体しかもって居ない為物理が通じないのだろう。こちらに両腕を伸ばして迫ってくる。触れるだけで魂にダメージを与えてくる敵だ。拘束する。
「ホーリーケージ!」
「悪しきもの断つ鉄槌の刃よ、今こそ奮え断罪の剣閃!纏龍技、浄悪魂葬!」
「悪しきものよ、我が前に膝を付け聖滅!」
まるで物理攻撃が効いているかのように、魂を斬る黒曜の刀がネビロスを裂いていく。私はその切れ端を溶かすように消滅させていく。
「ォォォオオオオォオオオオオオオ」
腹に響くような重低音が響いたかと思えば、ころりと核と魔石が転がった。核は踏み潰して魔石を回収。
ドロップは、ネビロスの鎌、神鋼、ネビロスの雫
鎌は誰も使わないので売り物。雫は…身に付けさせる事で相手を徐々に死に至らしめる?だめだこれヤバい。アイテムボックスのこやしエリアにぽいっ。
特に疲れもないのでそのまま進む。41~59層はやはり変化がなく、駆け足で殲滅していく。60層、ボスだ。目で合図して一気に扉を開く。
「鑑定!悪魔ビュレト、弱点は水と聖、無効はなし!」
青白い馬に乗った、貴族服を着こなした猫が、トランペットの音が鳴り響く中ゆったりと現れる。
「ロックウォール!」
「それが吾が前にての礼儀と申すか!貴様達は愛憎転換の秘儀にていがみ合うが良い!」
フシャーっと毛を逆立てた猫が発言すると同時に、黒曜の存在が耐え難い苦痛を産む。
「私から離れろ!触るな!!」
「そなたこそ、息をしているのも許しがたい…!」
「ほっほ、余程仲が良かったと見える。さぞ相手が憎かろうて」
「「五月蝿い!猫!!」」
「わ…吾を猫と言ったか…!!許し難し。この爪にて成敗してくれる!」
「ホーリーケージ!」
「――万物よ跪け、音にも聞こえよ我が龍術、纏龍技、一閃万葬!」
「ニャガガガガッギィアアアア!!!」
「お前との決着は後だ。先に邪魔な猫から消す…!」
「嫌な事に気があう。お前との勝負にはこの猫は邪魔だ」
「何故だ!!憎いのはそちら同士であろうに、何故吾を攻撃する!?」
体を引き摺るようにして後退する猫は、もう余り余裕がない。
「女神よご照覧あれ!代行者が天罰を下す!天降雷神焦!」
「纏龍技双極の限」
「ニャガァァアアアアアアアア!」
雷に打たれ、気と勁の融合技を叩き込まれた猫はくたり、と倒れた。ふわりと核が浮かぶ。私はそれを握りつぶす。
「っ、んあ?」
「!?」
「…っさっきまでの嘘!!違うからな!!!ちゃんとお前が好きだから!!!」
「解っている、私こそそなたに酷い事を…」
「「全部猫が悪い」」
「まあでも折角素材取れそうだから持って帰るか…」
ドロップはビュレトのダガー、神鋼、ビュレトのトランペット
ダガーはいいな。リシュにでも装備させようか。ビュレトのトランペットは…吹かれた音を聞くと戦意と勇気が上がる。戦の指揮官向けかな。シュネーに渡そう
しかし不和は状態異常には含まれなかったのだろうか。含まれるかと言われると確かに不明なんだけど。
「しかし偉そうだったなあの猫」
「猫の王様だったのだろうか?」
「いや、悪魔だし。…偉かったのかも?まあ…次行こうか」
61~79層は特に変化もなく、駆け足で踏破。80層前。ボスだ。目で合図して、一気に扉を開く。
「鑑定!悪魔フルカス!弱点も無効も特になし!」
白髪と長いあごひげをたくわえた、残忍そうな老人の姿をしている。青ざめた馬に乗り、鋭い槍を此方に向ける。
「ロックウォール!」
「ホーリーシールド!」
2枚掛けでどうにか槍先は鼻先三寸で止まる。多分これ、持たないだろうけど。
「ホーリーケージ」
馬で距離を取っていたフルカスを捕らえるが、直ぐにガシャアン、と破壊音が聞こえる。破壊している間に、私は唱え終わった。
「穢れたるもの、我が領域にその存在を認めず。清らなる聖なる光よ全てを浄化せよ。穢隔聖光陣」
まだ残りの枠を壊していたフルカスに蔦の文様が刻まれ、腕と足、馬の足、という順で拘束されていく。
「むうううううう!不遜である!騎士道にはない狡っからいやり方!気に食わぬ!!」
じゃあお望み通り騎士っぽいやり方の方で決着つけますか。
「――夢幻の刻よ刻め、その足跡を。盤倉流奥義、無間不断刃!」
「――万物よ跪け、音にも聞こえよ我が龍術、纏龍技、一閃万葬!」
ばしゃりと音がして、馬はサイコロ状に斬られていたが、フルカスには浅かったらしく、動けない体を捩って内部の痛みに耐えている。
「九の型・無限乱刃!」
音速からの更に加速、分身した私の刃がフルカスの全身を切り刻む。
「む、む、むおおおおおおお!」
蔦を引き千切ろうとしているようだが、その蔦は今迄切れた事がないんだ。
「二ノ型多重斬衝!」
「勁震連斬!」
「お、おのれ、こんな罠で儂を…むおおおおおお!!!!」
「頭落とし」
ごとりとフルカスの頭が落ちる。蔦が一気に侵食し、魔法陣を閉じた。スキルの効果も切れる。両腕にグレーターヒールを掛ける。浮かんできた核を潰し、残っていた魔石を回収。
「騎士道って…全裸に槍持った騎士って私始めて見たんだけど」
「私もだ……」
ドロップ品は、フルカスの槍、神鋼、フルカスの馬の置物
まず槍は売り物、馬の置物は…家内安全のお守りだこれ。家に置いておこう。
「まあ…取り合えずお昼ご飯食べてなかったし食べよう!」
リシュの昼食を広げると、以前食べたいって言ったミートパイが入っていた。黒曜座椅子でサクサク食べる。粉は後でクリーンしよう。あ。サツマイモバターだ、これも好き!後はシーザーサラダとパンプキンスープとコーラが入ってた。好物ばっかりで私はにこにこだ。っ!?え?今黒曜、小声で「尊い…」って言った!?
えっうちのファンクラブ、黒曜に何を教えてるの!?拝む代わりに黒曜は私をむぎゅっと抱き締めてすりすり頬ずりを始める。いや、いいからお前も食えって。美味しいぞ?顔を捕まえてあーんでミートパイを咥えさせる。黒曜は何かを噛み締めるようにミートパイを味わっていた。やめろよファンクラブ、ウチの子純粋だからすぐ信じちゃうから!変な事教えちゃ駄目!!
ゆっくり味わって満腹。黒曜座椅子に凭れ掛かって腹ごなしする。黒曜は嬉しそうに髪に顔を埋めている。
腹ごなしが済んだら次へ移動だ。お互いクリーンを掛け合って、入り口に進んだ。
81~99階層も変わりなく、駆け足で進む。100層、ボス部屋だ。扉が他と変わらないのでまだ続くな。
「お茶菓子余らせたくないから、此処クリアしたらお茶してもいいか?」
「いいぞ。無理に食べたりはしないように」
「大丈夫!」
目で合図したら扉を一気に開く。
「鑑定!アンドラス!弱点は火、聖、無効はなし!…不和持ってる!気をつけろ!」
天使の体に梟の頭がついている。黒い狼に跨り、その手には剣が握られている。
また全裸だ。なんでだよ。
「ロックウォール!」
「ホーリーケージ!」
目が合うなり襲い掛かってきた剣戟を、ロックウォールが崩れながら留め、そこにホーリーケージが被さる。
「み、みな殺し…!殺す、殺す、殺せ!殺しあえ!」
流石にこんな解りやすい状態異常は弾いてくれたようだ。
「穢れたるもの、我が領域にその存在を認めず。清らなる聖なる光よ全てを浄化せよ。穢隔聖光陣」
「――万物よ跪ひざまづけ、音にも聞こえよ我が龍術、纏龍技、一閃万葬!」
蔦が絡み始め、焦った様子のアンドラスに、纏龍技が襲い掛かる。こちらも、狼は耐え切れずにサイコロ状に分解されるが、アンドラスはギリギリ耐えたようだ。体の内部の痛みで身を捩るアンドラスにどんどん蔦が文様を増やしていく。
「女神よご照覧あれ!代行者が天罰を下す!天降雷神焦!」
天から頭、その延長線上に天罰の雷が降る。体の芯を一気に焼かれたアンドラスは、くたりと倒れ、閉じた魔法陣にミンチにされた。核も壊れたようだ。魔石も。
ドロップはアンドラスの小手、神鋼、アンドラスの羽
小手は私達がしている物の方が良かったので、ソラルナにあげよう。羽は、失せ物探しに使えるようだ。とっとこう。
「よし、御菓子食べよう御菓子!」
お茶の用意をして、茶菓子のケーキを取り出す。モンブランだ!好き!上に載ってる栗をほくほく味わいながら、クリームを一口。んー美味しい!中には生クリームも詰まってる。スポンジがあんまり好きじゃない私を気遣って、底は砕いたビスケットをバターで固めた生地が敷いてある。リシュさん解ってるー!うまうま食べながら言う。
「なんか今回の獄級は、クセの強いのを集めて出してきた感がないか?」
「あー…解るなその気持ち…。ラスボスは一体どんなのが…」
「クセの塊みたいな敵は嫌だな…」
ぼりぼりとクッキー生地を味わいながら、お茶を飲む。おいしい。
食べ終わってお茶で一息ついたら次の層に行く。
101~119層、特に問題なく、駆け足で踏破する。120層。扉が豪華だ。此処がラスボスのようだ。
目配せして、一気に扉を開ける。
「鑑定!イポス!弱点は聖、無効は炎!過去未来を読む気をつけろ!」
その姿はガチョウの頭と足、ウサギの尻尾を持ったライオンの姿をしている。手だけが人間のように5本指だ。
爪が振り下ろされる。
『お前は殺される』
「ロックシールド!」
「ホーリーケージ!」
見えていたかのように、イポスはケージを避ける。
「バインド!」
避けた体が流れているうちにバインドで拘束。
「ホーリーケージ!」
『天秤に殺される』
「耳を傾けるな。隙になる」
バインドを引き千切り、ホーリーケージをその爪で裂く。
「穢れたるもの、我が領域にその存在を認めず。清らなる聖なる光よ全てを浄化せよ。穢隔聖光陣」
ホーリーケージを犠牲にして、拘束魔法を唱え終わる。
「――万物よ跪け、音にも聞こえよ我が龍術、纏龍技、一閃万葬!」
『神に挑もうとする蛮勇』
蔦の文様が刻まれ、その体に侵食していく。黒曜の纏龍技がイポスを斬るが、浅くしか入らなかったらしい。
痛そうに身を捩るだけで終わる。
ガチョウの頭が食い千切ろうと機敏に動いて襲い掛かってくる。
「ホーリーシールド!…ッぁああああっ」
「纏龍技千刃挽歌!」
間一髪のホーリーシールドは微妙に遅れてわき腹を持っていかれる
黒曜の纏龍技は躱される。
『その蛮勇がお前を殺す』
「グレーターヒール…っ」
蔦の文様が侵食を広げ、下半身だけが残る。その足で間合いを詰めると、回転蹴りを見舞われる。
「オゴッ…」
フールフールの紋章が輝き、何事もなかったように体は無事だ。どうやら胴を両断されたらしい。身代わりのミサンガをつける。
『神の摂理を弁えぬ者』
ゆっくりとだが、蔦は侵食を進めている。片足は封じられた。残った足で地を蹴り、黒曜の頭を捥ぎ取る。
――フールフールの紋章が輝き、黒曜の体が無事に戻る。黒曜は身代わり人形を出して懐に入れる。
『お前は死ぬ!お前は死ぬ!お前は死ぬ!』
ゲラゲラと下品な笑い声と共に、全身を拘束されたイポスは、蔦の魔法陣が閉じようとするのに抵抗している。
「女神よご照覧あれ!代行者が天罰を下す!天降雷神焦!」
天から1直線に雷に体の中心部を焦がされ、哄笑は止んだ。蔦の魔法陣は閉じ、肉片が散らばる。
「きっつい…」
核は破壊されていた。魔石が奇跡的に無事だったので回収。
「2人共に死んだの初めてだったな」
「悪足掻きが凄かった」
「だなあ」
「フールフール倒しておいて良かった」
ドロップはイポスの肩当、神鋼、イポスの爪
肩当は私のものより良かったので、交換する。装備していたアジ・ダハカの肩当はアディに渡そう。
イポスの爪は呪いの媒体だった。アイテムボックスの禁忌物区画に放り込む。
2人座り込んでスポーツドリンクを飲み、飴を齧って、休憩していた。
息が整った頃合で、声を掛ける。
「いこっか」
踏破を記録し、リターンで外に出る。冒険者ギルド前まで転移。
「で、今回最後の獄級デートはどうでしたか?」
「ラスボスはマトモだったけどイロモノが多かった…」
「イロモノ…?」
「全裸で槍持った騎士とか…凄い偉そうな猫とか…そのあとにまた全裸で剣持ったのが出てきたり…」
「今日は裸族と戦闘してきたんですね」
「猫だけ服着てた」
「…イロモノですねえ…あ、持ち込まれた素材の猫がその偉そうな猫ですか」
「そうだ」
取り合えず、ボス情報と最終階層の情報を提供する。
「ええっ…私イポスって聞いた事なかったんですけど、そんなに強かったんですか!!???」
「未来視持ちは結構強いな」
でもちょっと借り物の気配がしてた。強化されていたかも知れない事を話す。
「じゃ、はい、カード」
「はい」
てきぱきとカード処理を終え、手元にカードが戻ってくる。いつもこれくらい落ち着いていればいいのに。
素材売却でまたギルド資金を根こそぎ掻っ攫って来た黒曜と合流。転移で家に帰ったら晩餐だ。
「今日は凄い疲れた…2人とも即死判定貰ったし」
「あら…じゃあ早く寝ないと、明日が本番だからね~」
即死対応のアイテムを複数持ち歩いているのを皆知っているのでこんな反応である。
「うん、晩餐食ってちょっと黒曜と打ち合わせしたら寝るわ。風呂パスで」
「ちゃんと風呂に入った方が疲れが取れると思うよ」
「ああ…それもそうか…湯船で寝ないように気ぃ付ける…」
晩餐は美味しい。美味しいけど疲れてしまってだらだらと口に運んでる有様だ。黒曜も疲労が滲んではいるが、こちらはゆったりペースで普通に食べているように装う余裕が残っているようだ。ブルーチーズのニョッキ美味しい。
最後のデザート、アップルパイまで綺麗に平らげてご馳走様した。
気力を振り絞って風呂に入り、黒曜の部屋へ行く。
「私だ。入れてくれ」
「うむ」
「まずレベルの確認な。どうなった?」
●マリエール・フォン・サリエル/聖女/太陽の女神(盤倉圭吾)15才/女
レベル8370
HP8589760/MP8672340
力9756700
体力9647830
精神力8516970
知力9678540
忍耐9378420
徒手空拳10
刀剣術10
礼儀作法8
鑑定10
アイテムボックス10
錬金術10
念話8
テイマー10
影魔法10
生活魔法10
光魔法10
闇魔法10
雷魔法10
土魔法10
緑魔法10
氷魔法10
風魔法10
水魔法10
火魔法10
太陽魔法8
龍魔法8
時空魔法10
聖魔法10
神聖魔法10
罠感知10
罠解除10
大物狩り
生態クラッシャー
ドラゴンキラー
ビーストキラー
インセクトキラー
プラントキラー
アンデッドキラー
アモルファスキラー
デーモンスレイヤー
スタンピード潰し
導師
女神の愛し子
ダンジョン踏破者
ダンジョン荒し
バケモノ姫
●黒曜・天津埜焔・皇/15歳/男/太陽の夫神
レベル8370
HP8743650/MP8421530
力8526410
体力8637520
精神力8563710
知力8672340
忍耐8942530
徒手空拳10
刀剣術10
纏龍技10
礼儀作法10
アイテムボックス10
錬金術10
鑑定10
テイマー7
影魔法10
生活魔法10
光魔法7
闇魔法10
雷魔法10
土魔法10
緑魔法10
氷魔法10
風魔法10
水魔法10
火魔法10
太陽魔法8
龍魔法8
時空魔法10
聖魔法10
罠感知3
罠解除3
念話10
女神の加護
導師の弟子
ダンジョン踏破者
龍を裡に秘めるもの
太陽神に愛を注ぐもの
太陽神の眷属
龍の主
カイブツ王子
※愛し子であるマリーを幸せにしている為、加護がついた。太陽神と魂をリンクさせた為、同じ寿命を持つ神族の末端になった。レベルやパラメータの上がり方は太陽神のものに準ずる。器に龍を従えている。龍族への特攻+50%
「うわ、此処3日の獄級が変に強いなと思ってたら、ランクの高い獄級だったみたいだな…レベルの上がり方半端ない」
「そうだな。でも皆を連れて行かずに2人でスタンピードの獄級を巡っていたのだからこんな物かもしれないぞ」
「パラメータはこれで勝ててると思うから、後は慢心しないよう、気をつけて戦おう。以前とはベツモノと考えた方がいい」
「そうだな。シールドか拘束を出来れば常に掛けて置きたい所だが…」
「私もそうしたいが、相手の強さによっては破られる速度に詠唱が間に合わないかも知れない」
「まあその辺りは臨機応変だな」
「そうだな。明日多分また昼ごろに来るようだから、早朝に、太陽と龍の魔法を10にしておきたいな」
「了解だ」
「あふ…、もう駄目だ寝る…」
「ああ、ゆっくりお休み」
半分閉じかけた目を懸命に開けて、私は自室に戻ってベッドに入ると一瞬で意識を落とした。
これで勇者に勝てるかな?詳しくは続き(明日書く予定)で。
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