69.化粧品2
化粧品、後一回続きます、御容赦下さい><
もしかして万が一、放課後には売り切れている可能性は0じゃない。昼休みに抜け出して店舗に行くと、まだ店舗側には商品が残っていた。バックヤードは全滅だ。
何故だ、今回はクチコミの効果はない筈なのに!Rosaの名前の信用で試し買いするお客が多いようです、と店員は言う。なんという事だ…既にブランド力が生まれていたのか…。
まあこの世界で売られている化粧水はハーブを漬け込んだハーブ水だし、後に塗るクリームも、水と植物油を無理矢理しこたま掻き混ぜて乳化させたクリームと、水銀入りのおしろいと紅があるだけだ。
取って返して学園に。お昼ごはんを食べる。美味しいよぉ~!やっぱり神はリシュだと思う、と言うとリシュに笑い飛ばされた。何故だ。私は本気だ。クリームコロッケ美味しい。色んな具材をスモークサーモンで巻いて輪切りにしたヤツも美味しい。名前は知らない。
お肌ががさがさで化粧のノリが悪い、と言われた。ファンデは作ったんだからもう知らん、と言いたいところだったけど、可愛い娘のお願いだ…。ついでに元嫁もこころなししょんぼりしている…。解った。解りました!作りますよ!!
家に帰ると錬金部屋へ行って、黒曜は髪用品を、私はカフスで調べながら基礎化粧品を作る。
まずはクリームから…。
●クリーム
ヒマワリの種から、乳化ワックスを作って聖水と混ぜ合わせる。
別の釜でオリーブオイルからオリーブスクワランを精製。
その2つの釜の中身を合わせて錬金で確り混ぜ合わせる。
これで先ず保湿クリームの出来上がり。ローズのオイルも入れてバラの匂いにしておく。
石英と向き合ってクリーム・Rosaのロゴを浮き彫りにしたガラス容器を作っていく。小分けに詰めて出来上がり。
●化粧水
サトウダイコンからベタイン、化学式から、ビタミンC誘導体を作成。
あとはこの二つと聖水を、沈殿物がなくなるまで錬金釜で思いっきり混ぜる。
これもローズオイルを入れて香り付けする。化粧水用のガラス容器に化粧水、とRosaのロゴを浮き彫りにするように作成し、小分けに詰めて出来上がり。
さて肝心なのは此処からだ。化学式しか出て来ないものがたっぷりだ。
●美容液
椿からグリセリンを、化学式からヒアルロン酸原末を錬金し、良く混ぜる。
更に聖水を入れてよく混ぜる。冷やすとヒアルロン酸原末が溶けていく。
獣の皮からコラーゲンを精製、色々混ぜた方の釜へ注ぐ。ビタミンC誘導体を混ぜて出来上がり。
これはかなり多目に作った。先ほどまでの2倍はある。石英とプラスチックからプッシュ型の美容液用の入れ物を作る。美容液とRosaのロゴ入りだ。冷えていないとヒアルロン酸原末が沈殿するので、入れ物に冷やす機能もつけておく。作った半分の量を小分けに容器に詰めていく。
で、化粧下地・ファンデーション・フィニッシュパウダーも作った。多分もう店頭にない気がする。
各6000個。もうこれ以上はしんどいので、勘弁して欲しい。
店のバックヤードに転移して在庫を置き、店頭の方に基礎化粧品を並べる。
王家に持っていく分と家族の分はもう分けて取って置いてある。
ケイタイで連絡を取ると、待っているといわれたので、王城に基礎化粧品を包んで持っていく。キラキラした顔の王妃様が嬉しそうに私の説明を聞いてくれた。
リビングに居たアディを捕まえる。「なんで私が!?」じゃないんよ。君が言いだしっぺなんよ。懇々と説得したら渋々納得してくれたようだ。リシュはパンの仕込があるので捕まえられない。
先ずは材料があるものの錬金をお願いする。そこら辺は、シャンプーなどの材料も含まれる。1種出来上がる度に、容器への詰め替えも頼む。アディめ。まだ錬金7か。ランク上げさぼったな!まあ7あれば化学式からの錬金以外には対応できるだろう。
まだ晩餐まで少し時間があったので、目の周り商品を仕込んでみる
あと2日でビューラーが納品される。それまでにアイライナー、アイシャドウ、マスカラとトップコートを用意しておきたい。
●マスカラ
トウダイグサから、キャンデリラワックスを作る。ホホバオイルを用意する。
ヤシの実に圧力を掛けて錬金すると、グリセリンが出来る。化学式から錬金し、4つの材料を作る。
色剤以外の材料全てを良く混ぜ、斑なく混ざるまで錬金で掻き混ぜる
最後に色剤を確りと色づくまで混ぜ、偶に手の甲に垂らして確認、ドロドロになるまで混ぜて、マスカラが出来た。
マスカラ容器にするのに、石英と共に獣の毛皮と黒の染料をを混ぜる。前世で見たことある形で、蓋側にブラシのついた薄い黒のマスカラ容器になった。マスカラ、Rosaの銘も入れておく。そして小分けはアディに頼む。
●クリアマスカラ
芋から澱粉を錬金。次は微生物だからうまく行くか解らないが、錬金溶液に微生物の名を念じながら釜を掻き混ぜる。出来た。
澱粉と微生物を混ぜ、時空魔法で1月程短縮する。キサンタンガムが出来上がった。
アクリルポリマーを科学式から錬金し、3種の材料と聖水を混ぜてとろとろになるまで錬金で攪拌する。
トップコートというよりはクリアマスカラになってしまったが、これでパンダ目にはならずに済むだろう。
容器は透明、クリアマスカラ、Rosaの銘を入れてガラス容器を作る。さっきの毛皮も余ってたのでブラシ付きの蓋も作る。そこからはアディにお願いした。
●アイライナー
アーモンドを炭になるまで錬金釜で燃やす。確りと微細な粉になるまですり潰す。
椿油を混ぜ、丁度いい粘度になるまで量を調節しながら混ぜる。出来た。
ガラスの小瓶を作り、アイライナー、Rosaと刻印しておく。
晩餐で、アディが言う。
「こんなに大変な作業だと思ってなかった…気軽に頼んでごめんなさい…」
しょぼくれた風に謝ってくるものだから、頭を撫でてやる。
「作業する時は必ず出来る範囲で手伝う事。それで許してやる。ホントに大変だったんだからな」
「はぁい…ごめんね、有難うマリー」
ラライナは錬金が使えないけど、手伝い出来る事があれば…とおずおず言い出してくれた。小分け係一人ゲットだ。
作った商品を容器に移し替えるだけの作業をして欲しいとお願いすると、喜んで引き受けてくれた。
ラライナはトリートメントをおっかなびっくりしつつも小分け作業をしてくれた。
各自小分け作業に勤しんでいる中、私はもう一度ケイタイで確認し、今出来た商品を1つづつ包装して王城に跳ぶ。王妃様に献上し、使い方を説明する。目力が強くなって顔が一気に華やかになりますよ、と言っておいた。
やさぐれたパパ心。黒曜さん、癒してあげて下さい
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