7.マリエールは頭の心配をされた
ダンジョンまで辿りつけなかった…次こそは家族PTでダンジョンへ!
父・兄の嘆願もあり、マリーは少しスケジュールを見直す事にした。
どうしても魔法の鍛錬をしたいなら、いつもより2刻早く起きればやれなくもないが、それでも大丈夫か、と問うマリーにがくがくと頷く2人。
母・リシュ・アディは少し顔を顰めたが、2人の気持ちは良く解るようで、OKを出した。
朝食の前に2刻の魔法修練、晩餐の前に2刻の徒手か、それぞれの武器である刀・剣・短剣の修練を交代で毎日。
そうなると、早朝から全員で魔法の修練を2刻。朝食後、男2人はそれぞれ仕事と学校へ向かうが、マリーとアディとリシュは此処の所疎かになっていた礼儀作法の授業をラライナから伝授され、昼食後からは家庭教師から授業を受ける。男二人が帰宅する時間までは勉学に励み、合流したところで徒手空拳と武器の修練を毎日交代で。
二人が勉強している間、ラライナはこっそり抜け駆け修練をしていた。
もはやリシュの新作料理のレシピについては寝る前にヒールを受けながら必死で起きて羊皮紙に書き込む事しか出来ない。時間は無限ではない。
休日は、武器が出来るまではそれぞれが気になる修練を各自行う。武器が出来ればダンジョンに向かうのだ。それまでに能力底上げの基盤を作らねばならないとマリーに言われ、全員がそれなりに必死で、しかし後の事を考えると笑み零れもしつつ楽しく鍛錬が出来ている。いい傾向である。
2週間の間のそれぞれのステータスはかなりいいものになっていた
リクハルト・フォン・サリエル 36歳/男
レベル15
HP360/MP120
力157
体力110
精神力65
知力140
忍耐40
賢人5
剣術8
徒手空拳2
礼儀作法10
生活魔法10
火魔法10
女神の加護
導師の弟子
※愛し子であるマリーを幸せにしている為、加護がついた。また、導師の弟子の称号で非常にレベルとパラメータが上がりやすくなっている。
ソラルナ・フォン・サリエル 16歳/男
レベル1
HP110/MP65
力20
体力30
精神力60
知力101
忍耐40
剣術8
徒手空拳2
礼儀作法10
生活魔法10
風魔法10
水魔法5
女神の加護
導師の弟子
※愛し子であるマリーを幸せにしている為、加護がついた。また、導師の弟子の称号で非常にレベルとパラメータが上がりやすくなっている。
ラライナ・フォン・サリエル 32歳/女
レベル5
HP200/MP300
力40
体力65
精神力85
知力180
忍耐42
短剣術8
徒手空拳2
礼儀作法10
生活魔法10
氷魔法10
女神の加護
導師の弟子
※愛し子であるマリーを幸せにしている為、加護がついた。また、導師の弟子の称号で非常にレベルとパラメータが上がりやすくなっている。
アデライド・フォン・サリエル(盤倉 亜紀)14才/女
レベル1
HP105/MP522
力15
体力26
精神力64
知力107
忍耐30
徒手空拳9
刀剣術9
礼儀作法7
アイテムボックス5
生活魔法7
鑑定5
毒吸収2
毒探知2
毒無効1
闇魔法7
緑魔法5
氷魔法4
土魔法4
風魔法6
水魔法4
火魔法5
時空魔法3
女神の加護
導師の弟子
※愛し子であるマリーを幸せにしている為、加護がついた。また、導師の弟子の称号で非常にレベルとパラメータが上がりやすくなっている。
リシュリエール・フォン・サリエル(盤倉 美鈴)14才/女
レベル1
HP65/MP402
力10
体力15
精神力258
知力107
忍耐43
調理9
礼儀作法9
癒し手(精神)7
鑑定7
アイテムボックス5
短剣術7
徒手空拳2
生活魔法7
土魔法8
緑魔法3
氷魔法3
風魔法6
水魔法4
火魔法2
時空魔法3
女神の加護
導師の弟子
※愛し子であるマリーを幸せにしている為、加護がついた。また、導師の弟子の称号で非常にレベルとパラメータが上がりやすくなっている。
マリエール・フォン・サリエル/聖女(盤倉圭吾)14才/女
レベル62
HP10310/MP16201
力9523
体力8200
精神力10600
知力7200
忍耐13350
徒手空拳10
刀剣術10
礼儀作法8
アイテムボックス10
生活魔法10
光魔法10
雷魔法10
土魔法10
緑魔法10
氷魔法10
風魔法10
水魔法10
火魔法10
時空魔法7
大物狩り
生態クラッシャー
ドラゴンキラー
ビーストキラー
導師
女神の愛し子
※今世と前世のパラメータがどちらも反映されている珍しいケース。聖女の称号の所為である。ステータス成長にも影響がある。また女神の愛し子の称号で、大切にされていれば常に幸運を引き寄せる。レベルとパラメータの上昇度は他に類を見ない。
転生組は、家族が持っている魔法を真似し、それぞれ取得している。
ソラルナから貰った風魔法が大人気。空が飛べてしまうのだ。転生組とソラルナは輝く笑顔で空を飛んだ。飛びまくった。
そして隣家から謎の飛行物体が出た、怖い、という訴えに少し自重を覚えた。
マリーは時空魔法のレベルが上がり、アイテムボックスが拡張されただけではなく転移魔法を覚えた。アディとリシュはまだ覚えていない。特訓中だ。時空魔法にディメンションという魔法があったので、主にそれを使用してレベルを上げている。アイテムボックスは修練に向いていなかった…。
光魔法だけは、マリーしか取得出来ない様だ。アディとリシュが何度唸っても無理であった。
聖女補正には誰も追いつけない。ガンガンとスキルレベルを上げていくマリーに、他の5人が嫉妬したのは言うまでもない。ゲーム内で悪役令嬢という役を振られていた所為か、アディも少し習得が早かった。
導師の称号を得たマリーから教わっていると、全員習得効率が上がった事もある。
そして今日はお待ちかねの武具の受け取り日だ。2週間という工期の短さから、全ては受け取れない可能性が高いとは思っているが、いくつか受け取れるだけでもとても嬉しい。現時点で最高の素材を注ぎ込まれているのだ。期待も高まるというものだ。
わくわくした気持ちで鍛冶屋を訪ねると、片手に短剣を持ったまま倒れている所を発見、慌ててマリーが駆け寄ってヒールとキュアを掛けると、ぶるぶるっと頭を振って鍛冶屋が目を醒ます。黒々と刻まれた隈といい、どれだけ徹夜していたのか…魔法では疲れが取りきれず、少しぷるぷると震えているが、目だけは輝かせている。
「全部、作りきった…!ワシの最高傑作を見てくれ…!」
よたよたと工房から全てのアイテムを持ち出そうとして重量に負けているのを見かねたマリーが殆どの作品を持ってカウンターへ運んだ。
龍哭の剣 攻撃力15000 (レジェンダリー)×2
龍哭の刀 攻撃力16000 (レジェンダリー)×2
龍哭の短剣 攻撃力10000 (レジェンダリー)×2
龍鱗の軽鎧 防御力18000 (レジェンダリー)×4
龍鱗の小手 防御力8000 (レジェンダリー) ×4
龍鱗の肩当 防御力10000 (レジェンダリー)×4
龍鱗の足甲 防御力9000 (レジェンダリー)×4
龍玉のロッド(土)魔力25000 (ゴッズ)×1
龍玉のロッド(氷)魔力25000 (ゴッズ)×1
龍皮のローブ(土)防御力10000 (レジェンダリー)×1
龍皮のローブ(氷)防御力10000 (レジェンダリー)×1
「どうじゃ、満足の行く仕事をしたと思っておるが、そちらの感想は?」
「ああ、凄い…凄く良い仕事をしてくれた!恩に着る!」
「で、素材がかなり余っておるのだが、まずは返却を…」
「いや、これだけの仕事をしてくれたんだ、是非貰ってくれ。そしてまた誰かに最高の武器を売ってやるといい」
「こ…っこれだけの素材を…!?お主、頭が少しおかしいのではないか?金で買えるようなものではないんじゃぞ?オークションなどに掛ければ屋敷の2つや3つは買える金額になるというものを…!!!」
「私は職人ではない。素材は素材のあるべき場所へ。鍛冶屋が持つのが一番だろう?」
「あ…ありがとう…ありがとう…これを…ワシに…本当に…ありがとう…!勿論今回の依頼の支払いには充分であるし、これから先ワシが生きている限りはメンテナンスもタダじゃ。いくら硬くていい武器であっても、メンテナンスを怠っては装備が磨耗してしまう。必ず来るんじゃぞ!」
「こちらこそありがとう!言葉に甘えさせて貰うとするよ…あ。もしロスクという男がドラゴンの牙を持って来たら良くしてやってくれないか?」
「ほいほい、わかったぞい、特別に無料サービスしてやろうじゃないか」
全員が自分の装備を手に取り、笑み崩れている。新しい装備は嬉しいものだし、今回はかなり良いものが手に入った。一生支えてくれるレベルのものだ。
「週末は冒険だな。皆心構えは出来ているか?」
「「「「「バッチリ!」」」」」
楽しい週末になりそうだ。
冒険者として稼げるようになってから、マリーはご飯さえちゃんと食べれれば金銭にはあまり執着していません。
読んで下さってありがとうございます!少しでも楽しく読んで頂けたならとても嬉しく思います(*´∇`*)もし良ければ、★をぽちっと押して下さると励みになります!個人的に鍛冶屋は書いてて楽しかったですw