4.アデライド/邂逅
亜紀さんはパパっ子です( • ̀ω•́ )
朝から父に叩き込まれた訓練メニューをこなし、朝風呂で汗を流して朝食へ。少し居心地の悪そうな父が無言で席についた。
禁止薬物は燃やすと煙を吸った者に影響がある薬物であった為、燃やせず。そこでスライムに消化させる、という案が通った。ウチのトイレもスライム入りトイレです…。
便利に使われてるなあスライム。もう半分ほどは消化されたようだ。
そこにパン籠を持ったリシュが厨房から現れた。
「パンがね、硬かったのよ~。石かと思ったわ」
そこで料理スキルで酵母を促成栽培、パン作りは全てリシュがやったらしい。
食卓へバスケット入りで提供されたパンは、ふわふわで自然の甘みがあって大変美味しい。
これには他の3人の家族も絶賛で、毎日食べたい!という要望が上がる。
既に酵母を培養している為、使い方は料理長に教えておいたというリシュの言葉に歓喜の声が上がる。
「「「「ん~♥美味しい!!!」」」」
いやー。胃袋を掴むって大事だわ。パリっとした皮にふわふわの中身。膨らんだおかげで石のパンの何倍も大きく、腹持ちもバッチリだ。
だからと言って全てがメシマズの国ではなかった。空豆のクリームスープも、2つ卵の目玉焼きにカリカリベーコンも、サラダも美味しかった。ドレッシングが少し微妙な程度かな。白い油浮いてたし。
食後は紅茶だ。コーヒー派の私はちょっと悲しい。コーヒーがないかと料理長に尋ねたが、聞いたこともないという。
なんという事だ…これは早めに冒険者になってコーヒー豆をゲットする旅に出ねばならない…!私は立派なコーヒー中毒なのだ。
そして、〆のデザート。アップルコブラじゃないですか!何故バニラアイスが乗ってないのおおおお!?これも料理長は聞いたことがないという。冷たい菓子など載せればすぐに溶けてしまうのでは、と返された。
いや、溶けるよ?溶けるけどそんな一瞬で溶ける訳じゃないからね!?なんならアフォガードが食べたいよ!コーヒーないから無理だけど!
「では次はアイスの作り方を教えておきましょうね~」
ふおおお流石料理レベル9!!リシュ様宜しくお願いします!!
来年からは学園に入学するのだ、そうしたら妹と父に逢える可能性が高い。
公爵家の娘としては余りに酷い点数を取る訳にいかない。頑張って家庭教師の授業を受けよう。唸れ私の知力104!
そうそう、これくらい平穏な時間がいいんだよ。まあ…まだ私の性格が変わった事を知らない方々には遠巻きにされているんだけどね…。
まだ入学前だからか、一日のスケジュールには結構余裕がある。
冒険者に登録だけでもしておこうかな?レベル上げも少しはやっておかないとパラメータがね…力10に納得出来ない。いや、多分アデライドちゃんは修行なんてやってないだろうからしょうがないんだけど。
それを話すと、家族は微妙な顔をした。どうやらお貴族様は、冒険者なんていう野蛮な場所には関わらない。関わるとすれば依頼を持っていく時のみ、というのが常識らしい。
自分の能力を上げられるというのに、野蛮も何もあったもんじゃない。私は登録すると決めたんだ。
いざって時に助けられる側じゃなくて助ける側に回りたい。
そう説明すると、父母は苦笑しながらOKを出してくれた。リシュは自分も登録してみたいと言う。
しかしリシュには、土魔法を使えるようになるまで攻撃手段がない。使えるように訓練してから登録に行くように説得した。
兄は悩んだ末に自分も剣技は使えるから一緒に登録に行くと言い出す。兄は過保護だ。私がアデライドであった頃から見捨てずにずっと心配してくれていた。その気持ちは凄く嬉しいので、一緒に登録しに行く事になった。
リシュはちょっと拗ねていた。
いや、多分冒険者ギルドは攻撃手段も回復手段もない人間を登録してくれないよ?
拗ねないで、と背後から囁くと、すぐに土魔法覚えますからね~!と返ってきた。涙目のリシュ可愛いな。
丁度いい事に今日は学園が休みらしい。
朝食後、兄とおでかけだ。
西洋風の美しい町並みなのだが、道が舗装されておらず剥き出しの地面がでこぼこしていて歩き辛い。父にちょっと相談してみよう。領内の事だから多分動いてくれるのではないだろうか。
全部が木製なわけではないが、ゴムなどのアイテムがないから靴底が木製だ。多分これも影響しているだろう。コーヒー以外に欲しいモノが増えた。ゴムだ。
冒険者ギルドに着くと、思わずキョロキョロしてしまった。野卑な会話の飛び交う様、昼間から酒を飲んでいる筋肉質の男達。依頼表を眺めて悩んでいる人。
これぞ冒険者ギルドだ。凄い。想像通りだ!
受付嬢のいるカウンターへ行こうとすると、顔に傷痕のあるごつい男が絡んでくる。なんというテンプレ。凄い。冒険者ギルドだなあと更に実感してしまうじゃないか。
「お貴族様が達成できる依頼なんざねぇんだよ。尻尾巻いて出て行きな。どうせレベルも1で大したスキルも持ってねえんだろ」
「そうですね、レベルは1です。でもスキルは結構イケてる方だと思いますよ私」
にっこり。テンプレなんだからちゃんと喧嘩は買っておかないとね。
「…痛い目に合いたいらしいな?」
男が私にごつい手を伸ばし、掴もうとする所をスッと懐に入り込み、背負い投げだ。机と椅子も巻き込んでガダァン!!という痛そうな音がする。道場じゃないし、受身の取り方も知らないだろうからなあ…何本か折れただろうな。骨。白目を剥いて気絶した男は放置だ。
「すいません、ギルドに登録したいんですが、お願いできますか?」
何故か受付嬢の顔が青い。おかしいな。ギルド内での決闘はある程度認められてるって聞いたんだけど。あ。そうか。屋内スペースじゃなくて訓練スペースでやらなきゃダメだったかな?
「っあ…、はいっ…あの…貴女のその技…マリエールさんと関係ありますか…?」
まりえーるさん。誰だその人。
「いえ…多分知らないと思うんですけど…」
「あ…もうすぐ来られる時間なんですが」
とん、と軽やかにギルドに入ってきた女性に私は愕然とした。細い。細いなんてもんじゃない。骨と皮だけとは言わないがかなりそれに近い。
え?この人も冒険者!?
「あ、マリエールさん、お帰りなさい…今日も大漁ですか…?」
「そうだな。いくらか間引いてきた。東の森が少し怪しいようだ。すたんぴーどとやらの気配がする。ダンジョンが何処かに隠れてる可能性があるな」
「ありがとうございます、すぐにマスターに伝えて準備しておきますね」
…この口調。そしてこの自然体に近いがいつでも迎撃できる隙のなさ。
「…圭吾、パパ…?」
「!この感じは…亜紀か?」
細い細い体を注意を払いながら抱きしめる。体に当たるのは骨の感触だ。
「パパー!心配したよ!何その体!?酷い目に合わされてるの!?それとも即身仏目指してるの!?」
「この年齢で即身仏は目指さないぞ。うむ、飯が貰えなくて難儀していたのだが、もう冒険者で稼げるからな。ちゃんと食えるようになったから安心しろ」
「ホントに!?ダメだったらウチに来てもいいんだよ!?」
「大丈夫だ。こちらではマリエール・エデランドという。マリーと呼んでくれ」
「っぷふ、パパがマリーって!凄い違和感ある~。私はアデライド・フォン・サリエル。アディでいいよ。…何かあったら助けに行くから。手紙、やりとりしよう?」
「はは、娘と文通とはこそばゆいな。構わないぞ」
「あと、レベル上げに良いとこあったら教えて!」
「レベル1で剣を持つなら西のダンジョンがいいんじゃないか?」
あれ。ちょっと待って。マリエール?…それヒロインのデフォルトネームじゃなかった?
「パ…マリー、これから顔のいい男がわんさか寄ってくるかも知れないけど頑張って!!」
「わんさか?それは…面倒だな。大丈夫だ。なんとかしよう」
お互いの住所を交換していると、受付のお姉さんが少し引き攣った顔で割り入って来る。
「あの…やはりお知り合いだったんですね…はぁ…。御用件はお嬢さんとお兄様の登録でお間違いないですか?」
忘れてた。そういや兄居たわ。そっと振り返ると捨て犬のような目をしながら、私、マリー、気絶した男をちらちら見ている。
「はっ、はい!お願いします!因みに攻撃手段は…徒手空拳と剣術です!素手の方がちょっと強いんですけど、魔物には毛が武器になってる事もあるって聞いたので剣術メインで活動する心算です」
受付嬢は何故か頭を抱えた。これクラスEで始めていいのかしら…さっき倒した男はクラスCだし、同類のマリエールさんはクラスAだし…
ぶつぶつと小声で悩む受付嬢に、マリーは声を掛ける。
「この子ならまだひよっこでな。CかBあたりでいいんじゃないか?」
「!ありがとうございます、ではお嬢様、クラスCでカードを作らせて頂きますね!――因みにお兄様は…?」
「「同門じゃないです。普通の貴族です」」
「あ、剣術は持ってますんで」
「はい、ではクラスEからでお作りしますね。少々お待ちください!」
蚊帳の外に置かれて沈んでいると思いきや、やはり兄は愛情の人だった。
「前世のお父さんかい?逢えて良かったな…ちょっと感動してしまったよ。クラスは置いてけぼりになってしまったけれど、いつか追いついて頼れる兄になるからな。皆頑張ろうな!」
思いの外嬉しそうに冒険者カードを眺め、兄は言う。
「マリーさん、妹が世話になります。どうぞ良くしてやって下さい」
「こちらこそ、アディに良くしてくれている様で安心しました。これからも家族として暖かく接してやって下さい」
うわあ、なんかこそばゆいなこれ。でも嬉しい。マリーの肩に頭をぐりぐりこすり付けてにへにへ笑ってしまう。
「マリー、私修練欠かしてないから!今度、一緒に冒険しようね!あとコーヒーとゴム見つけたら私の分も取っといてー!」
「コーヒーか。私も飲みたいんだがまだ見てないな。探しておこう」
「今日のところはこれで解散、だね。名残惜しいけど婚約者とお茶会があるんだよね」
「婚約者が居るのか!?パパより強い男なんだろうな!?」
「そんな人そうそう居るわけないでしょう!?シュネー王子だよ、身分でなら勝ってるね」
「弱いのか。そうか。しかし王族で。でも弱いのか。弱い男の嫁になるのか…」
「まだ婚約段階だからね。絶対結婚するとは限らないよ。――んん、ごめん時間がない…またねマリー!」
「ああ、また此処で逢おう」
帰宅と同時に、あれこれと手に持ったメイド衆に暗に遅いと愚痴られた。
だってパパが居たんだよ…しまったリシュを登録しないまでも連れて行けば良かった…!!私の馬鹿!
そんな事を考えている間にも、一斉にドレスを剥ぎ取られ、スポーンとバラの浮いた風呂に突っ込まれてわしわしと髪も体も洗われてしまう。化粧水やオイルマッサージでぴかぴかになったと思えばすぐに赤と黒のグラデーションに赤いバラがあしらわれた少し大人っぽいドレスを装着。何度も丁寧に梳りながら水分を取り、複雑な形に結われていく髪、同時進行で薄化粧を施される。
「間に合いましたわ!早く馬車へお急ぎくださいアデライト様」
「あっはい!急がせてごめんね、ありがとう!」
砕けた言葉で礼を言われたメイド衆はビックリしたようにこちらを見ているが構っている暇はない。
馬車まで駆け寄って乗り込む。御持たせはリシュの焼いたクッキーだ。だって店で買うより美味しいんだもの。
お城には、着いてからがまだ長い。庭が滅茶苦茶広い。王子ごとに宮殿も違うし初めての人は迷っちゃうね。シュネー王子の宮が近づいてきたら馬車から降りる。
ここからは口調をちゃんと改めないと。
微笑っては居ないが穏やかなシュネー王子に迎えられ、エスコートされる。お茶会の席に着く頃には少し雰囲気に慣れた。
相変わらずの美貌だ。プラチナブロンドの髪から覗くアメジストの強い瞳。余り直視していると、ぼんやりと魅入られそうになる。
「あの…シュネー王子…」
「何かな?」
「今まで…本当に申し訳なく思っております…。態度や…言葉も…お茶を掛けた事も全部。婚約を解消されても文句は言えませんが、謝らせて下さいませ」
「ふむ…噂どおりだな」
「噂?」
「癇症の酷いサリエルの姫が、別人のように態度を改めた、と宮廷雀が噂していたのだ」
なにそれ情報早過ぎない!?うちのメイドすらまだ知らない子がいるんだけど!
「今更となってお恥ずかしい限りですが、許して頂けますでしょうか…?」
「許すも何も。これは政略での婚約だ。好悪は関係がない。どんな貴女でも受け入れる覚悟はしていたが、噂が本当なら有り難い話だな。心労が減る」
これを解読すると、私が何をしようが蚊ほどの興味もないから立場だけは弁えろ、となるのだろうか。
「その見目でしおらしくしていると、見た目はこれ以上ない程の美少女と言ったところか。公式の場ではそうしていてくれると非常に助かる。お願いできるかな?」
「…はい。公式の場でなくても、もう癇癪を起こしたりしないとお約束しますので」
いかん、泣きそうだ。何この事務的な関係。結婚は幸せの為にしたい私的には破棄して欲しいところだけど…このキラキラした見た目で非常に真面目なんだよね、シュネー王子。国を背負う覚悟を既に決めている男にとって、嫁の1人や2人動じる事無く受け止める心算なんだろうけども。
なんだかなあ。何も期待されてない感が凄い。そういや王妃教育はまだ受けてないけど、それも気にしてない…?うう。耐えられない空気だ。話題を変えよう。
「あっ、あのこれ、妹が作ったクッキーなのですが、非常に美味ですので一緒に如何ですか?」
メイドに用意して貰った皿に、見栄えするようクッキーを並べる。そして1枚食べてにこりと笑った。…上手く笑えていたかは良く解らない。互いに持ち寄ったものは本人がまず飲食し、毒などは入っていないと示すのが貴族のルールだ。
「頂こう」
そう言いながら、シュネー王子も提供したお茶を一口飲もうと――
パシッと音を立て、私はカップを持つ手を掴んだ。衝撃でカップを落とし、割ってしまう。しまった。また紅茶を王子に掛けてしまった…。
「!?舌の根も乾かぬうちに――…」
「ダメです。毒です。飲んではいけません」
ポットに目をやると、中の紅茶の全てが毒入りである事が私には解った。私ごとヤル気ですねこれ。
「何故そなたにそんな事が解る!?」
ああ、やっぱり言葉だけじゃ不審だよね…
「ステータスオープン」
アデライド・フォン・サリエル(盤倉 亜紀)14才/女
レベル1
HP101/MP520
力10
体力21
精神力61
知力104
忍耐26
徒手空拳7
刀剣術5
礼儀作法1
毒探知3<new>
毒無効1<new>
毒吸収2<new>
闇魔法<未取得>
緑魔法<未取得>
「なんだこれは…何故ステータスを個人で出せる…?毒探知…これか。それにしてもスキルの数が多いな。普通は2~3個程度だった筈だが…名前の横のものはなんだ?」
命狙われた直後だというのに余裕過ぎませんか?
毒殺が失敗したのに勘付いたのか、今度は矢が王子目掛けて飛んでくる。
私の動体視力を舐めるなよ。矢の柄の部分を掴み取り、飛んできた方向へ投げ返す。悲鳴が聞こえたので犯人に当たったと思われる。矢に毒が塗ってあったのは解ってたんだよ。他人様を殺そうとするなら、殺される覚悟があって然るべきだ。
一連の動作に、唖然とした表情のシュネー様。
「そなたは…一体…」
「それより畳み掛けて来られると厄介ですね。お部屋は安全ですか?」
安全確認をしようとしているのに、空気を読まない顔を隠した暗殺者が茂みから飛び出してくる。走る勢いを利用し、そのまま地面に叩きつける。そして手足の関節を勁で潰しておく。
これなら情報取れるんじゃないかと思ったら、口の中の毒物を噛み砕いたようで、苦しみながら死んでしまった。先に確認しておけば良かった…。まあどうせ貴族派かシュネー王子の兄弟か。その辺りだろうけれど。あ、いや私も消そうとしていたなら、貴族派一択かしら。
「ちょっとお茶会の雰囲気ではないですね。貴族派の過激派と何かありましたか」
「解らない…。いや、先日そなたが倒れてからか。ココがチャンスだと言わんばかりに狙われている」
…1、…2、3。3人居るな。先刻から毒使いばかりで素手じゃ厳しい。
「王子、剣をお借りしてもいいですか」
「……解った、渡そう」
王子が剣を手放すと同時に3人が同時に踏み込んでくる。
「…ァアアッ!」
抜刀からの居合い。王子の剣が細めで良かった。少し刀に似て扱いやすい。
「1つ」
背後から来る敵を半回転しながら首を飛ばす。
「2つ」
左手側の敵は踏み止まって仲間の死体に驚愕の視線を向けている。
敵を前に意識を逸らすとか舐めてるな。瞬歩からの頭飛ばし。
「…3つ。今のトコ他には居ませんね…っあ」
慌てて王子を突き飛ばし、同じ方向へ逃げる。――と同時に、3人の体が爆散する。
「これで終わりでしょうか。今のうちに安全な場所に。貴族派の可能性が高いので宮内の方が護衛が多くて良いと思います」
お茶会にも護衛は居たのだけどな。全員喉から斬られて茂みに隠されてる。これは間近にも護衛を置かなかった王子が油断し過ぎだ。――あ、私毒効かないじゃん。無駄に剣を借りてしまった。
「アデライド。そなたを見縊って居た様だ…」
「はい?」
「今のそなたこそ私が求めていた伴侶だ。無駄のない動き…素晴らしい…」
シュネー様御乱心か!?やめろ、それ以上美形を輝かせるな。眩しすぎる!
王子はうっとりとした表情で頬を紅潮させる。
どうやら狙われやすい王族には、武力を持つ伴侶が常に傍に居る事が最良だと思っていたらしい。これは…事務的お付き合いの延長なのか、惚れられたのか非常に判断に迷うところである。
宮まで王子を連れて移動したところで、髪へのキスを受けた。
「今日はここでお別れだが、今度は外で観劇でもどうだろうか。これまで付き合ってきたが、これからは義務ではなくそなたを愛せそうだ」
「…今日の出来事でそう言われてしまうと私は反応に困ってしまうのですが…」
「ああ、そうだね。今までそっけなかった私が掌を返したのだから、すまないねアディ。これからは大事にする。そなたを振り向かせてみせるよ…また連絡する」
最後に掌へキス。ええー何だろう…思ってたのと違う…なんか…なんかああああ!
因みに冒険者ギルドで父に会った事を伝えると、リシュはぶんむくれて、その日は会話をしてくれなかったよ…いやごめんて…
王子は義務とか関係なく、強い女がお好きのようです。楽しく読んで頂けていれば幸いです。宜しければ★をぽちっと…