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21.レベル上げマラソン

有名ダンジョンですからね。偶には鉢合わせもあります。

 朝の魔法の修練では、念話の話をする。

 アディとリシュは喜んだ。はぐれたり、追いつきたい時にかなりの広範囲で指定した人の頭の中に声を届けられるのは大変便利だからだ。携帯電話代わりに使われそうだ。


 修練が終わった後、朝食がてら今後の話をする。


 まず1つめ、ギルドにまだ報告していないダンジョン踏破を伝えて素材を買い取りに出す事。狗神(いぬがみ)と黒神竜素材は取って置く。


 2つめ、狗神と黒神竜の素材を鍛冶屋へ持って行き、戦争開始までの間に出来れば装備を間に合わせて欲しいとお願いする事。


 3つめ、時間が掛かると思っていたダンジョンを1日で踏破してしまった為、経験値効率の良さそうなダンジョンを探し、其処で期限までレベルを上げる事。



「「「「「「「とりあえず、昨日のダンジョンは嫌だな」」」」」」」


 炎獄とか氷結とか海とか、兎角(とかく)フィールドの状態がよろしくない。2回でもあんな所に行きたくない。


 あれこれ考えた末、戦争との兼ね合いもあり、王都のダンジョンを周回、で決定した。ライムをテイムした場所だ。またメタモル・アポクリファが出るようなら、一度ライムと戦わせてみたい。


 そこまで経験値が美味しいという訳ではないので、数を稼ごう、という事になった。後半の方が経験値が上がるのでそう提案すると、ラライナは40層からがいいという。そう言えば30層からは刺突しか受け付けない敵が(まば)らに出て来て美味しくなかった覚えがあるので採用。ボスからの攻略になるがいいのかと聞くと、全員が構わないとの事。


 20層分しかないので、1日最低3度攻略する、と決まった。


 まずはギルドへ報告だ。受付嬢は既に身構えている。


「今度は何があってももう驚きませんよ?マリーさんは人外だって解ったんですから!」


 ふふん、と鼻を鳴らして余裕のポーズ。別に私達は受付嬢を驚かせる為に此処に来ている訳ではないのだが。


「ソルデ領のメインダンジョンを踏破。うんうん。マリーさんですからね。…100階層を1日で?…う、うん、うん、そんな事も…きっと……ありえ…るんですよ、ね?――え、まだある?60層の狗神、100層の黒神竜アデルドヘイドを?……テイムした?………どっちも神って付いてるじゃないですかぁぁあああああ!!!!しかも竜!誰も倒せず未踏破の証になってるネームドの竜を!テイム!!イミが解らない――!!」


――五月蝿(うるさ)きおなごよな。我がていむされるのがそんなに騒ぐほどの事かや?こやつが一枚上手だったので感心したまでよ


 ごそり、とペットハウスが開き、漆黒が顔を見せる。受付嬢の顔が一気に引き攣り顔から血の気が引く。


 それを見た漆黒が口角を上げる。多分笑ったんだと思う。けど小さくても竜の姿だからね。威嚇(いかく)してるようにも見える。


「ひっ…あ、ああああ、騒ぐほど、の事ッ…では、ないですね…!私がっ、悪かった、でしゅっ!」


 噛んでる噛んでる。


 一応納得したのか、漆黒はハウスへと帰って行った。


 リシュとアディは我関せずと素材の換金に行っている。


「じゃあ全員のカードを…」


「!? 虹色!? それって通信で回覧が回ってきたUMのヤツじゃないですか!!一体本部で何やったらコレが出て来るんですか!?災害級の相手が出てくれば利用の機会もあるかも知れないってマスターが以前言ってたヤツですよ!?災害起こしてきたんですか!!」


「失敬な。災害など起こしていない。ただ、クラスSSSを自称してる試験官が初心者レベルで弱くて文句を付けたら全員鑑定されてな。そうしたらそのカードが出てきた」


「え…なんですかそれ。鑑定結果も回してくださいよマスター…。んんっ、あのですね、以前言ったじゃありませんか、試験官は人間だからちゃんと手加減して下さいって!」


「したぞ」


「え――…」


 物凄い疑わしい目で見られている。失敬な。


「後ですね、ずっとパーティで活動するなら、いい加減パーティ名を登録して下さいよ」


「パーティ名?」


 そんなものが必要とは聞いていなかったが…まあいい皆で適当な名前を…さっと一行を見渡すと、全員が顔を逸らした。皆ネーミングセンスを問われたくないようだ。仕方がないので適当に決める。


「じゃあ、家族の(ねぐら)で」


「はい、家族の塒ですね、登録しました。ダンジョン踏破の分も処置しましたのでお返しします。今後パーティ単位で依頼がある場合はPT名で。個人への依頼はお名前で依頼をさせて貰いますね」


 ソルナさんとの会話はちょっと疲れる。リアクションが激しすぎてこちらも受け答えに悩んでしまうからだ。


 何にしろ、ギルド報告は終わった。


 次は鍛冶屋だ。




「おい、起きてくれ鍛冶屋!!キュア!ヒール!」


「はっ!?今ワシは何を!?」


 最初は普通に対応してくれていて、新しい武器の話をすると嬉しそうな顔をしていた。新しい素材を早く出してくれと言われて黒神竜の皮を取り出したらそれを見ただけで倒れた。そして冒頭のやりとりに戻る。


「もう気絶はなしだぞ?黒神竜の皮とその他の素材、狗神の素材だ。出すぞ?」


「あっ、あ、店に入りきらんだろう、素材置き場に来て欲しい」


「解った」


 素材置き場に行くと、まだ以前のドラゴンの皮素材が3分の1ほど残っていた。


 鍛冶屋はそれを丁寧に巻き、倉庫の隅に片付けた。


「出してくれ」


 言われて黒神竜の皮をまず出す。鍛冶屋の目が爛々(らんらん)と輝き、今にも頬ずりしそうだ。


「狗神はどうする?」


「黒神竜より落ちるが、この毛並みじゃからな。ちょっとお出かけしたいけど危険もあるかも、なんていう場合の私服に使えそうじゃ。ただし暑いぞ」


「うーん、狗神は保留かな。黒神竜で今回は全員分の武具をお願いしたい」


「ほいほい、牙は何処じゃ?」


「ほら、これだ」


 アイテムボックスから黒神竜の牙やら骨やら内臓やら目玉やら竜玉などを出す。


「ほいほいほい!!キタ!!!!!む。今回は竜玉は1つか。誰に使う?」


「それなんだが、ありったけの防御力を込めてシュネーに装備させられないか?」


「そりゃお主の仕事よな。玉に防御の魔力を込めてくれればアクセサリにしてやろう。」


 そういえば、光魔法には結構バフ魔法が揃っているのに、今まで使っていなかった。忘れていた。


「シュネー、腕輪やペンダントやブローチなんかでどれがいい?」


「ブローチは失くすと怖いので腕輪で!手甲みたいにぎっちり腕に纏う感じが良い」


「ほいほい、なら黒神竜装備に加えてやろう」


「目玉も二つあるが、これはロッドの強化には向かないのか?」


「うむ…鎧に特殊効果を付けるのには向いているが…2人分じゃな。誰につける?」


「ではシュネーと「マリーでお願いします!無茶ばっかりするんで!」…アディ…」


 そんなに無茶をした覚えがないんだが…皆にはそう見えるんだろうか?


「魔法防御なんかがいいんじゃない?マリー」


「そうだな…ではシュネーも魔法防御で。物理は竜玉と指輪がある」


 竜玉に溢れそうな所まで防御魔法を込める。鍛冶屋に渡すと嬉しそうに受け取ったが、ふと何かに気付いたような顔をした。


「魔力の質が変わっておるな…神に祝福されたような感じがするのう」


 そうだ、全力で黒神竜と戦った際、必殺の1撃を求めて聖属性をバカスカ使った覚えがある…。いやまだ1戦しただけだ。そんな程度で神になるわけがない。


 目玉にも魔法防御の魔力を込めろ、と言われ、そちらにも溢れる寸前まで魔力を込める。


 珍しい素材に、鍛冶屋は頬を染めてうきうきしている。


「一応全員のサイズを測らせて貰うぞ。マリーなどはかなり体形が変わっておるからな。サイズ調整の機能は少し防御が落ちるからの」


 そう、(ようや)く完全な健康体になったのだ。確りと肉のついた体に微笑が漏れる。全員がサイズを測り終わり、鍛冶屋はメモを取っていた。


「で、悪いが…急ぎで頼みたいんだ。戦争の噂は聞いているか?」


「ああ聞いておるぞ。それに間に合わせたいという事じゃな…だいぶ無理をすれば…うむ、寝なければ完成する!10日じゃ。10日くれないか。あと神鋼が余っていたら出して欲しい」


 言われた通りに溜め込んだ神鋼を床に置く。鍛冶屋が笑顔になってほいほいと口癖を出す。


「10日か。間に合うかどうかといった所だな。感謝する。で、料金だが…」


「以前貰ったドラゴン素材で間に合っとるわい。無粋な話題を出すもんじゃない」


「だが特急料金も乗せたら…」


「カ―――ッ!!!要らんもんは要らんのじゃ!」


「…解った。じゃあ今回の素材も余ったら好きにしてくれていい」


「何じゃと!?お主はコレの価値がちゃんと解って言っておるのか?二度と手に入らないかも知れんぞ」


「解っている。だが恩は返したくなるものだ。そうだろう?」


「お主…お主は…鍛冶屋の神じゃ…」


 きらきらと涙で目を潤ませて鍛冶屋は言う。


「大事に使わせて貰う…お主らの装備も、急ぎではあれど、一切の手抜きがない事を約束させて貰うぞ」

「ああ、良ければこれを…」


 今朝薬草を錬金していたら出来たアイテムを渡す


「スタミナポーションだ。出来は悪いかも知れないが使ってくれ」


「ありがたく頂くとするわい」


「では宜しく頼んだ!」


 今回は気絶が1回で済んだ。良かった。…いや待て気絶しないで欲しい。



 欠けた刀は新しい刀を鍛冶屋がくれたので問題ない。家に戻って全員フル装備すると、転移でダンジョン前まで跳んだ。


 40層のボス前に飛ぶと、珍しく先客が居た。仕方がないので大人しく順番待ちをする。


 先に並んでいた男共のパーティーが、こちらにちろりと視線を向けると、厭らしい顔になって絡んでくる。


「おいおい、ハーレムパーティさんじゃねえの。俺ら男ばっかりでムサいんだよな。2人ほど分けてくれよオッサン」


 リクハルトが率いるパーティだと思ったようだ。年齢の高い男性だからな。


「断るよ。女性メンバーが欲しいなら、態度を改めた上でギルドで募集しなさい」


「はぁ!?俺らは此処の2人が良いっつってんだろうがよ」


 そう言いながら私とアディをじろりと見る。やめろ。鳥肌がたつだろう。


「生理的に無理。キモい」


「ここのボスに挑戦するには腕が足りないんじゃないか。無謀な輩に好感を抱く訳がない」


 辛辣なコメントに、暗に弱いと言われ、男達は激昂する。


「俺らはBランクの流離(るろう)の狼だぞ!?」


 肩を怒らせながらパーティ名を名乗ってドヤ顔をしている。殴りたい。


「聞いた事ない」


「私達~、SSSランクの人に勝ってますよお~?」


「嘘ばかり付くな!女ばっかりでしかも学園入学もしてなさそうな小娘が勝てる相手じゃねえだろ!」


「ほう…お前はその小娘に欲情するカス、というわけだな?」


 ぶちり、と血管が切れるような音がした。我慢の限界を超えたという事か。面倒だな。


「お前ら!一発ブチ込んで大人しくさせてやるぞ!」


 その台詞が言い終わるか否か。その程度のタイミングで全員の武器を破壊し装備衣服を切り裂いた。


 全裸のムサい集団の出来上がりだ。


「は?あ!?なに…なんだこれ!?」


「大人しくポータルで帰れ。出ないと今度は肉を剥がして骨にしてやる」


「……ッ!!!!」


 流石に武器も防具も服もない状態でボス戦に挑むのは蛮勇であると悟ったのか、ポータルに向かう男達。擦れ違い様に壊れた武器でこちらに攻撃をする者が居たので、手首ごと切り落とす。


「ぐぁあああああああ!?」


「余計な事をするからそうなる。早く帰れ」


「~~~~~お前らの顔は覚えたからな…ッいつか肉奴隷にしてや…」


 まだ余計な事を言う男が居たので口を切り裂いた。


「――!!? はぁが…!? ガァッ!!!」


「帰るのか、それとも私と一戦交えてみるか」


 一気に殺気を膨らませ、全開で男共に叩きつける。


「ひぃいああああ!!!化けモン…化けモンだぁあああ!!!!」


「ゆ、ゆるし、こ、ころさな…っあひぃいい!!!」


 口々に喚く割にガクガク震えた足の所為でポータルまで歩けなくなった男共を見て、失敗したなと溜息をつく。


「よっと」


 男共を1人づつ蹴り飛ばしてポータルに乗せてやる。


「りっ、りりりりりたーん!!!」


 漸く帰った男共に、はあっと溜息を吐く。無駄な時間だった…。


 後は、現在挑戦中の者が倒すか降参するかでボス部屋へ入れる。


 と、思った矢先に、バアンと勢い良く扉が開かれ、4人のパーティーが飛び出して来た。


「む、むりむりむり早かったぁー!!」


「なんだよあんなの勝てる訳ねえー!!」


 無駄口を叩きながらもポータルへ4人、飛び込んだと思ったらリターンで消えた。


 どうやら5人パーティーだったらしく、扉の中に1人残っている。


 残った青年は足を砕かれて動けない。見捨てて行くか?普通。


 ボスに留めを刺されかけている。瞬歩で足を砕かれた青年を掻っ攫い、小脇に抱えてひょいと扉の前に戻る。


「グレーターヒール」


 ずっとただ泣きじゃくっていた青年は思わず涙を止めて砕かれた方の足を動かす。


「治って…る、生きてる…ッ!あっ、ありがとうございます!ありがとうごじゃいましゅううう!」


 最後はまた涙で噛んでいたが、ぽんぽん、と肩を叩き、ポータルを指差した。こくこく頷いた彼は、一気にポータルに辿り着くとリターンで帰って行った。


 なんだか冒険者の闇を続けて見たような気分になったが、なんとか気合を入れなおす。


「さて行くか」


 開いた扉の先は、以前と同じだ。


凍土の女王(アイスクイーン)、弱点は火だ」


「ファイアブラスト!」


「「ファイアグレネード!」」


「アースマイン!」


「ウィンドシェーリング!」


「ファイアランス!」



 以前とは威力が段違いに増している攻撃に、凍土の女王(アイスクイーン)の体が半分溶け、核が丸出しになっている。


 留めはシュネーの槍だ。核を破壊し、ドロップアイテムが落ちる。


 女王の髪留め、神鋼、女王の魅了


 鑑定すると、髪留めは魔法攻撃の威力を上げるもののようだ。ラライナかリシュが使えばいいだろう。そしてまた女王の魅了だ。危ないからまたアイテムボックスのこやしにする。


 捨てたいけど何処に捨てていいか解らない。うっかり人間に影響が出る所には捨てられないし、スライムに食わせたらスライムが私に惚れてしまうかも知れない。それはなんか嫌だ。


 微妙な顔になりながら、先へ急ぐ。


 邪妖精の階層だ。相変わらず嘆きの精霊(バンシー)がいい仕事をしてくれて、大量の敵が集まった所を範囲魔法で殲滅していく。サクっと駆け足で通過。


 51層で敵がアンデッドに切り替わる。前回と同じくすし詰め状態だ。階段から範囲魔法、リッチは物理で。駆け足で問題ない。こちらもサックリ通過。


 60層、メタモル・アポクリファこと、ライムが居た層だ。


 扉を開けた瞬間、驚きながらも鑑定する。


「九尾の狐、弱点は光魔法、氷魔法、刺突だ!無効は火だ」


 それを聞いたラライナの顔が輝く。氷魔法が弱点の敵、全然居なかったもんな…。


 ボスの周りには2尾の狐が5匹(はべ)る。


「アイスワールド!!」


「乱れ突き!」


「ダークネスメイデン!」


「アーストライデント!」


「激流斬!」


「ウィンドアーチャー!」


 お。武器のスキルが生えてきたんだな。良いことだ。


「ホーリーアロー!」


 侍っていた2尾は消え、九尾が体を捩じらせて苦鳴を上げる。


「キュオオオオオオン!!」


 血塗れになった姿でこちらを睨む。攻撃の相手は――私か!?


 目の中に月のような文様を描き、一気にスピードを上げて私に食いつこうとする。瞬歩で避け、光を纏わせた刀でその口を横から割いた。頭蓋の上部を失った九尾はそのままの勢いで壁にぶつかり、ズンと音を響かせて倒れる。


 ドロップアイテムが落ちる。


 九尾の脇差、神鋼、九尾の紅玉


 脇差か…特に室内戦闘も自害もする予定はないんだが…まあ一応取っとこう。2本刺しは浪漫だよな。


 紅玉を鑑定すると持っている者のMPがじわじわと回復するアイテムのようだ。


 私はほぼ魔力切れすることがないので、残りの面子で話し合って決めて貰うことにする。


 小さい狐が出てこなくてほっとした。


 それにしてもボスが変わって居た事に吃驚した。ライムよりいくらか格落ちしている。


 テイムしたからリポップ出来なかったのだろうか。それなら狗神や黒神竜も変わっているのだろうな。



 短い階層をクリアしただけなので、他の面々は疲れも見せない。ラライナがいつもより元気な位だろうか。


 リターンで戻り、3回じゃまだ陽があったので、5回クリアしてからギルドに向かった。




「で、この物量の素材売却ですか…。……いつごろまでこの量が続きます?」


「戦争が始まるまでだな」


 40~60層を5回クリアしてきた事を伝え、いつも通りのテンションで騒いだ後は落ち着いたようだ。


「…買い取れるよう、売却頑張ります……」


「ああ、それとだな。ラスボスが変わってた」


「はあ?」


「元々のボスはメタモル・アポクリファだったんだが、今はテイムして此処に居るからな」


 ペットハウスが開き、ライムが顔を出す。自分の話をされているのが解るらしい。


「きゅ?きゅきゅうー。きゅっきゅ!」


 悪い、ライム。モンスター語は解らないんだ。


 よしよし、と頭?を撫でてハウスへ戻す。


「今は九尾の狐になっている」


「そのスライム、ラスボスだったんですか!?」


「スライムじゃないと言っているのに…せめてライムと呼んでやってくれ」


「名づけ方!!!貴方もスライムだと思って付けたんじゃないんですか!?」


「いや、思ってないが、小さく擬態してる状態だと似てるから付けただけだ」


「いやもう…はぁ、いいです。ライムちゃんで。ラスボス変更の報告、ありがとうございます…」

 疲れたような顔をして、受付嬢は全員のカードを受け取って処理した。




 明日もこの調子だと5周するのだろうか。まあいい、今晩も疲れたので、晩餐を摂って風呂に入ったら寝よう。


 いつもなら鑑定をせがんでくるリシュが大人しい。何か考えがあるのだろう。


 おやすみなさい!


場面の転換多目で読みづらかったらすいません><

読んで下さってありがとうございます!少しでも楽しく読んで頂けたならとても嬉しく思います(*´∇`*)もし良ければ、★をぽちっと押して下さると励みになります!受付嬢はちょっと何かを諦めたようです。

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