表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
145/155

128.半年間のレベリング

長くなっちゃうのでキリのいいとこで切りました、レベリング回は2回です

 取り合えず、ケイタイで連絡のつく連中全員に、3年後じゃなくて、今から半年後に帰る事を連絡した。指定日より1日早く戻る心算である事も。今回はちょっと場所を変え辛い事も話し、王様に謝った。兵も避難して欲しいと伝える。相手は勇者ではなく神なので、間違っても戦いに出て来るなと強く言っておいて欲しいとも。


 レメトゥスが私を見て思い出したのかも知れないと思うと、駆けつける場所を変える訳にも行かないと思ったんだよな…。そもそも天秤神は記憶や人格が以前と違うレメトゥスに歯痒い思いをしてるようだし。ただしレメトゥスにも善人を殺さない誓詞を受けて貰う。映像越しに見ただけだけど、いくつかの臓器が上手く働いてない事が読み取れた。2年程度しか持たない筈。完全に治してやることと引き換えだ。


 あと、直ぐ帰らなかったのは、天秤神が全盛期の師匠と逃げたとはいえ戦って逃げ延びた経歴を持っているからだ。

 いくら弱点になる魔法を持っているとはいえ、鍛えざるを得ない。半年鍛えてなんとか師匠に近づいてみます。


 半年って事は、6回あの悪夢を繰り返せるという事で。黒曜は来なくても大丈夫なのに、健気に付き合うと言ってくれてます…。後、戦うのは基本私になりそう――天秤のターゲットが私だから――なので、経験点を私に集中させてくれるらしい……うう。出来た旦那様やで…この借りは帰ったら逆に私が経験点を貢ぐ事で返すから!!師匠も付き合ってくれるらしい。なんかごめん…。


 帰るたびにご飯作ってあげるね…師匠に食べたいもの考えといて、と言うと、レメトゥスの言ってたオムライスと唐揚げとやらが食べたい、と言い出した。食の記憶は遥か遠い昔の出来事で、メニューの名前なんて覚えてない、との事。


 取り合えず、考えてもしょうがないので、鍛えに行く。師匠と黒曜と一緒に例の場所へGO!

 最初からもう作業モード…。サタンはアイスワールド役が2人居た方が安定するから、と師匠が引き受けてくれる事に。アンリ・マユは私の神殺しの方が強いから私が担当になった。残り3人はくじ引きで決めた。アスモデウスが黒曜、ベルフェゴールが私、ベルゼブブが師匠。(盾は黒曜が出す)


 ところで前回もなんだけど、ちゃんと死骸が残った敵全部アイテムボックスに詰めてる(特に師匠が闘った敵は綺麗)んだけど、アイテムボックスの限界ってどうなってるんだろう。急に破裂したりしないよね…?


 黒曜に聞いてみると、「では私はあまりアイテムボックスに何も入れてないので、ボスの死体を入れるのは私のアイテムボックスにしよう」と言ってくれた。取り合えず感動した。もうほんと私優先の黒曜…好きだ!!売ったお金は師匠に上げるお金だから、ちょっとでも多くしたいじゃないか。経験点もないまま付き合ってくれて。師匠はLike的に好きだ!


 という訳で、今回1回目の1000回周回は、タイムを縮めて23日でクリア!しかしスタミナはまだ足りないようで、帰ったら爆睡した。やっぱり8時間じゃなく24時間寝た。でも今回は私達、自分の足で歩いて寝室まで行けたし、クリーンも自分で出来た。ちょっとマシになってる。今回も黒曜と同衾出来た。女神の力を大分奪っただけあって寝相改善、霊験あらたか~!


 起きたら一先ず師匠のリクエストで、でっかい卵を使ってオムライスをデミグラスソースで。唐揚げは鶏 (メス)の肉で山盛り。サラダはポテトサラダにしてみた。スープはオニオングラタンスープで。そして困った、もう牛乳も乳製品もない、と困っていると、女神が牛乳とチーズと生クリームを山盛りくれた。ありがたい!折角なのでピザも焼いてみた。肉はゴリラ肉で、玉葱とベーコンとコーンとアスパラを乗っけてみた。デザートは木苺パフェ。冷蔵の魔法を掛けておく。黒曜が持っていってくれてる間にパラの実ジュースを冷やしながら4人分。


 配膳が終わったら頂きますだ!

「頂きます!」

 私はまず恒例のパラの実ジュース一気だ。うおおおおおお美味しい~癒される~なんかぎゅんぎゅん上がってる~!


 実はオムライスにケチャップは私があんまり好きじゃないんでデミグラスソースなんだよね。他の人もそれで良かったかな…。ちらっと様子を伺うと、感涙しながら食べてるのが見えたので、気にしないことにした。うん、上出来。美味しい~!


 唐揚げはメスの肉だもの!不味い訳がない!カリッカリのあっつあつでジュワァですよ。肉汁多いなあ美味しい~!


 実は男子は唐揚げが好き、ってどっかで聞いて、まだ厨房に半分残ってるんだけど、奪い合うように食べてる。うわあ。私が箸を出しにくそうにしてるのに気付いた皆がそっと箸を除けてくれた。うう。すまんね…一個取ったらまた奪い合い始めたので、奪い合いしなくてもまだ半分厨房にある、と言って置いた。でもなんか奪い合いするのとまだある事は別次元の話だったようだ。食べ辛い…。


 ピザはベーコンとゴリラ肉の味の違いやチーズが蕩けてるところやアスパラ柔らかい…コーンと玉葱が甘い…美味しい~!チーズや牛乳は、女神が私の真似をして聖水掛けて美味しくなりますように~と祈ってくれたらしい。美味しいです!!


「んんんんんふ~!美味いのじゃ、全部美味いのじゃ!ぽてとさらだ気に入ったのじゃ」

 おおうこのラインナップでポテトサラダを上げてくるとは。

「んんんんん!!俺はこの唐揚げとピザとオムライスが気に入った!!!」

 師匠それ殆ど全部に近い。

「んんんん。どれも本当に美味しい…流石私のマリー…」

 へへへ。照れる。ありがと黒曜。


 オニオングラタンスープを飲みながらポテトサラダをつつく。他の皆は唐揚げのお代わりに厨房へ行った様だ。


「パフェに手をつけた子にはもう料理しませんよー!」

 一瞬女神がびくっとした。甘いもの好きだし、パフェって見た目がもう美味しそうだもんね。


 ご飯を食べ終わって、パフェを食べながら珈琲を飲む。ふあ~癒し~。甘いもの沁みる~!

 でも師匠ってあんま甘いもの好きなイメージがない。今度煎餅焼いてあげようかな。

 ちらっと見ると、全員陶酔しながら食べてたんで、気にしない事にした。生クリーム美味しい!

 下がコーンフレークのお店とかあるけど、下までアイス派です。最後までアイスと生クリームで締めたい。


 女神がふにゃふにゃになってる…溶けそうな顔してるよ。

「マリ~これはいかんのじゃ…けしからんのじゃ…次もこれが食べたいのじゃ…」

「続けて2回同じものは出さないよ。他の人の事も考える!」

「うう。じゃあ次の次で…お願いじゃ~」

「うーん……まあいいか。んじゃ次の次ね」


 食べ終わって、黒曜椅子に座って寛ぎタイム~…。これ終わったら2回目行かなきゃ…。もう私、全世界の禿の人の救世主になれそうだよ…。



 さて、2回目。周りの敵の掃討が、刀のあの大飛燕だけで出来るようになった!これはかなり気の量が増えている。硬に回す気も十分残っている。今回もくじ引きで相手を決めて、いざタイムアタック!今回はなるべく魔法を使わず、刀で勝負してみたが、意外と行けた。サタンのアイスワールドは除外。ないと蒸し焼きになる。


 今回は21日。ちょろちょろと日数が減って来ている。其の分作業と化しているという事だ。良い事ではないけど、経験点を稼ぐには必要だ。


 そして今回もへろへろで帰ってきたけど、8時間睡眠で起きれた!えっこれ大分スタミナついてない!?横で黒曜も同じくらいで目を醒ましてたから、どっちもスタミナついてきたって事だよね!嬉しくてちゅーしてから寝室を出た。


 今日は…海鮮丼と蛤のお吸い物と野菜の炊き合わせ、デザートはお萩が2種。勿論砂は完璧に抜いてます。漁村でマグロを手に入れ損ねたのは失敗だった…。悔しいけど緑茶はない。緑茶はないんだ…。嘆いてたら女神がまた…ねえ、何処から持ってきてるの?天界?それとも公爵家?


 キッチンでごそごそ用意してたら師匠も起きてきた。黒曜に運んでもらってる間にパラの実ジュースを作る。


 海鮮丼を見た師匠がゲッという顔をした。

「おいこれ、生のままじゃねえか」

「生のまま食べる料理なんで」

「今迄お前の料理がハズレだった事は無かったけど…これは流石にハズレだろ…」


 全員に、パラの実ジュースとあったかい緑茶を配膳し、ワサビを溶かした醤油を師匠の丼に掛けてやる。多分量とか解ってないと思うので、女神にも。黒曜は知ってるだろうけど、羨ましそうな顔をしてたので、黒曜のも掛けてあげる。


 そして恒例のパラの実ジュース一気。今回も美味しいしぎゅんぎゅん上がってるー!

 男らしくない師匠は、海鮮丼をじーっと見つめたままお吸い物を啜っている。

「んんん!このスープは美味いな!中の貝も凄く美味い!」

 いや、嬉しいけど丼を食え、丼を。


 まあいいか。海鮮丼は私の好物なのでうまうま食べる。海栗(うに)が甘~い!サーモンもいいかんじでちょっと熟成されてる!おおーハマチがぷりっぷりだ!

 一心不乱に丼に舌鼓を打ってると、漸く師匠が丼を手に取った。だがまだ目が疑っている。ぱくりと一口。


「んんんんん!!!生なのに!?」

「生だから美味しい食べ物もあるんです」

 馬刺しとか食べないタイプか。


 そこからは唸りながらがつがつ食べ始めた。今回は丼は御代わり作ってないんだよね。野菜の炊き合わせなら御代わりあるんだけど。食べ終わった師匠が期待した目でこっちを見てくる。

「今回、丼は御代わりないんです。野菜の炊き合わせならあるんですけど…」

 いや、そんな全員ショック受けないで…黒曜まで!?


「わかりましたわかりました、残った材料で作ります」

 もっかい厨房で3人分の丼を(こしら)え、テーブルに戻る。

「これで終わりですからね!?次はまたの機会にして下さいね!」


 私がやらなくても皆自分でワサビと醤油を小皿で合わせて丼に掛けている。

 私は野菜の炊き合わせでほっこりする。生物の後にこういう優しい味があるのっていいよねえ。レンコン美味しい…


 気付くと全員もう丼は食べ終わって野菜の炊き合わせを食べている。組み合わせが良かったのかうっとり食べて貰えて嬉しいよ。こういうのは派手な美味さっていうのはないからね。ほっこり美味しいからね。炊き合わせは御代わりあるってさっき言った所為か、自らお代わりしに行く3人。そんなに量あったかな??と思ってると案の定取り合いに。


 私が出てって3人の頭を殴り、平等に分けて鍋をクリーンする。


 全員が食べ終わったら、もう一度緑茶を淹れなおしてお萩を出す。あんこときな粉だ。と言っても、きな粉はあんこのお萩にきなこをまぶしてあるだけだけども。きなこだけだと物足りないんだ、私が。


「変わった見た目だな…もぐ」

「んんふ~!これも美味しいのじゃ!ちょっと甘さが控えめだから豆の味が良く解るのじゃ!」

「懐かしいよマリー!んんんん。私はこれが好物だったんだ。凄く美味しく作ってくれてありがとう!」

「んんんんん!!甘さが丁度良い!美味い!!!」


 良かった。和菓子も受け入れOKみたいだね。黒蜜きなこ味のクッキーとか作っても大丈夫そうかな。


 後は、コーヒーを啜りながら黒曜座椅子でまったりだ…。ふう~落ち着く~…。まあ完全に落ち着いたら3回目に行きますけれどもね!



 さて、3回目。くじ引きで相手を決めて、レッツ作業!黒曜も大飛燕だけで周りの敵を散らせるようになってきてる。ボスは作業ゲーになりました。そして今回のタイムは20日!またタイム縮んだけど、多分これ以上は縮まないと思う。移動速度とかあるからね。もうボスはほぼワンパンに近いし、この辺が最短タイムだろう。また禿を救う櫛を増やしてしまった。


 なんと今回、戻ってきてお茶する余裕があった!お茶菓子として黒蜜きな粉クッキーを作って出してやる。まったりしてから寝室へ。しっかり8時間寝ましたとも。


 今回はドラゴンのステーキにテールスープ、シーザーサラダにじゃがバター。デザートにリクエストの木苺のパフェだ。一応煎餅も作っておいた。ごはんと水は女神が用意してくれる。

 黒曜が運んでくれてる間にパラの実ジュースを作る。そして4人分配膳した。


 私は先にパラの実ジュース一気で!美味しい!癒される!ぎゅんぎゅんする!!


「んんんんんん!!!ステーキ美味い!!解りやすくガツンとくるな!」

「んんんふ~!またじゃがバター!美味しいのじゃ!!」

 ポテトサラダといい、女神はじゃがいも好きかも知れないな。

「んんんん、あの集落のドラゴンかな?凄く肉の味が濃くて美味しいよマリー!」


 私はテールスープに夢中だ。凄いいい出汁出てる!竜骨凄い!!美味いよ~!!

 全員がスープを啜る音がしたな、と思ったら全員んーんー唸ってた。美味しいよね!?この出汁!!


「旨みが半端ないなこのスープ…すげえ」

「やっぱり全部美味しいのじゃ~!」

「竜の骨って出汁が取れたんだね…凄い旨みだよマリー」

「このサラダに掛かってる白いソース美味いな」


 結局全品唸ってくれて、美味しく食べて貰えて嬉しい限りだよ…。テールスープは結構多目に作ったんで、3人がお代わりしても大丈夫なはず。ステーキはお代わり焼いてません。


 3人がごそごそ厨房を漁って、テールスープをお代わりしてにこにこ戻ってくる。お腹の満ち具合はご飯で結構なんとかなるもんねえ。皆が食べ終わったのを見計らって、デザートと珈琲を持ってきて配膳する。


 パフェを見た瞬間から女神の顔が蕩けてる。男子勢にもパフェを配膳するけど、テーブルの真ん中に煎餅も置いてあげた。ハッとした顔で黒曜が煎餅に手を伸ばそうとするけど、パフェ溶けちゃうのでNGです。


「黒曜、パフェは溶けるから先に食べてから煎餅。ね?」

「あ…そうだな。つい…」

 パフェを掻き込みながら、ずっと煎餅見てる。前もそうだったけど、かなりの好物のようだ。


「んんん、パフェも美味しいけど、私はこの煎餅が好きだ…ありがとうマリー」

「そんなに美味いのか?その茶色いの」

 師匠も興味を惹かれたようで1枚齧る。

「んんんん!!!こりゃ…うめえな!!菓子は甘いもの以外もあるんだな」


 煎餅を気に入った師匠と黒曜の間で取り合いが始まる。

「私と女神に1枚づつ残してね」

 ハッとした顔をして、1枚づつ私と女神の前に煎餅を置く。


 女神は舐めるようにゆったりとパフェを1口づつうっとりと食べている。そうか。そんなに好きか。でも暫くパフェはなしで。あんまり続けると嫌がる人が出るんだよ?

 其の後は珈琲飲みながら黒曜座椅子でぺったりくっついて黒曜成分を充電。落ち着いたら次の周回だ。



レベリング回というより食レポ回ですね。美味しそうなもの食べてるの見るの好きなんですよね。

読んで下さってありがとうございます!少しでも楽しく読んで頂けたならとても嬉しく思います(*´∇`*)もし良ければ、★をぽちっと押して下さると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ