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97.天地開闢とインドカレー

日本のカレーも美味しいですが、インドカレーも大好きです(*´∇`*)

 エリゴールの記憶は、この星の創生から始まっていた。


 基本的に1信教のこの星、女神メフェロエルしか存在せず、色んな物を創生していた。影のない光に満ち溢れた幸せな世界を作った筈であった。


 しかし、光に照らされた其処には影が出来た。影から最初に生まれたのは天秤の神リブラオルド。リブラオルドは、善と悪のバランスが取れていないことを嘆き、悪魔を作り出した。人の心に陰を吹き込んだりもした。


 ただただ平穏だったエストケルムに(いさか)いや戦争が起こるようになった。女神は嘆き悲しんだが、天秤の神は漸くバランスが取れてきたと喜んだ。女神が生み出すのは善たる生物。其処に影が出来て悪を吹き込むのが天秤の神。


 女神は天秤の神を悪神または邪神と定め、寝ている隙に殺害してしまおうとするが、天秤の神は眠るときには次元を裂き、見付からない場所で眠るようにしていた為、寝ている間には何も出来なかった。精々人の心の陰をなるべく払い、悪魔の囁きに耳を貸さぬよう託宣した。


 それまでに3人の聖女が居たが、彼女たちは戦闘力を持たず、ただ天秤の心から悪を払う技を使うのみ。そうこうしているうちに、聖女は天秤教によって殺害されてしまう。ただ、女神が創生したヒト種は基本的に善性に優れ、なかなか天秤の思うようには行かない。


 だが、創生されてから永い時間が経ち、その善性は人によってはほぼ存在しなくなった。天秤は喜んだ。女神が好しとするのは善が9、悪が1程の世界で、その1は悪魔だけが担う世界。天秤は人の善悪が半々の世界を望んだ。だから、眠りから醒めるたびに善の比率が上がっている事に苛立ちを覚えていた。まずは善なる象徴である、その世界の英雄や聖女を悪に絡め取ろうとするが、上手くいかない。


 仕方なく天秤は力ある善を殺して回ることでバランスを取ろうとする。大きな善が死ぬと、それを喜ぶ者が少数ながら存在する事も知って、その悪がより肥大化するように手を打つ――



 まあ、天地開闢記を簡単に言うとこんなところで、その後も小競り合いが続いていく。魔物を生み出したのも天秤らしい。そんな神話級の邪神に勝てるかと言われると――力不足だよな…。学園を卒業したら黒曜と武者修行するしかない。あと、ちらっと小耳に挟んだ、獄級の上を行くダンジョン、(デス)


 ネーミングまんま過ぎませんか。でも其処ならもっと力を磨けると思う。まだ獄級ボスで下手をすれば躓きかねない今はダメでも、世界中の獄級を制覇したら(デス)に向かおうと思っている。


 学園で大人しく本を読んでいると、マルクス君が話しかけて来た。あれ。もう大丈夫なのかい?


「さっきからタイトルが気になって仕方がないんだ。後で貸して貰えないかい?」


「いいよ。もうほぼ読み終わるところだよ。今日最後まで読み終わると思うから、貸すね」


 因みに最後は、大いなる善の使徒、大いなる悪の使徒が生まれた際に、この関係は崩れる可能性がある、だった。

 大いなる…ねえ。どれくらい大いなればいいんですかねえ。勝てる気が萎んでしまった事を考えると読まなかった方が良かったかも知れない。眉間の皺を解しながら、私はマルクス君に本を貸す。


「ほい」

「っあ、ありがとう…!」


 にこっと笑うマルクス君の隣には、良かったですねえ~と笑うリシュ。いやもうくっついてない?デキてると思うんだけど私!口出しちゃダメなの!?マルクス君、三国一の嫁ですよリシュは!

 昼休み、手を引かれてリシュの隣に自然に座るマルクス君。手には貸した本が開かれているところを見ると、自然と定位置に着いた感あるよ。ちらっと黒曜を伺うと、物凄く悩ましげな顔をした上でちょっと考えてから首を振った。あー、まだ早いのかー。祝福したいよお。


 今日はタンドリーチキンとサラダ、インドカレーだ。チャイとラッシーは選んでいいらしい。私はマサラチャイ派だ。あ。ちゃんと香辛料の味がする!ベストですね!!

 今日はインドカレーに挑戦したらしく、辛いのがダメな人も居るかも知れないからと、バターチキンカレーだ。

 ナンを取り出し、普通のナンとチーズナン、どっちが良いか聞いてくれる。私はチーズナンを選んだ。


 インドカレー久々だよ~~~生前結構贔屓にしてた店もあったんだよ。黒曜は良く解らないなりに私と同じ物を頼んで、私の食べ方を見て真似している。本当に可愛いな!!親鳥にくっついてるヒヨコ思い出すよ!

 リシュのインドカレーは生前贔屓にしてたとこのより美味しかった。料理スキル【極】凄いな…。


「今度茄子とマトンのカレー作って欲しい」

「はいはい。でもカレー続きにはしないわよ~」


 美味しいカレーを食べて、パンナコッタも食べて、ご馳走様だ。


 放課後、材料を買って聖水作って、畑から材料調達して、出来てる商品をバックヤードに転送。靴底も靴屋のバックヤードに転送。最近は自分達で品出ししてくれるようになったので、転送だけでOKだ。後はオート設定する。


 冒険者衣装に着替えて今日の分の日課行って来ます~。

 マフィートに飛んで80層から開始。さくさくさくっと進んでダンジョンから出る。

 もう一回80層から開始。さくさく倒してダンジョンから出る。まだ時間あるな。天地の魔法強すぎる。

 3度目、さっくり進んでダンジョンから出る。

 そろそろいいか、という事で冒険者ギルドへ行って、カフスとフールフールの紋章を3つづつ出してやる。


 受付嬢の目がギラリと輝いた。

「3つづつ!!!オークションで売っていいんですよね!!!?売れた分はカードに振込みますから!!!」

 ギラギラした受付嬢に、いつもの場所で周回してた事を告げてカードを渡す。


 まあ金額が大きいだけに、仲介料もそれなりに取るという事なんだろう。

 カードを処理して貰って黒曜と帰る。



 次の日の早朝も、黒曜と混合魔法などの撃ち分けを練習し、出来てる商品を転送。オート設定。学園ではマルクス君とぎこちなくも話し、お昼はマルクス君とリシュの距離が縮まっているのを観察する。


 放課後に買出ししてから聖水を作ってオート放置。出来てる商品は転送。


 そしてまたマフィートのダンジョンを3周する。そろそろ敵に歯ごたえがなくなってきた。明日は勇者戦だ。

 受付嬢にまた3つづつドロップ品を渡すと小躍りして喜んでいた。


「今回でこの周回は終わるから、それで最後な」

「えっ…わ…解りました…」


 見るからにしょんぼりするんじゃない!充分だろ!!いくつ渡したと思ってるんだ!

 カード処理してもらい、明日の勇者に備えてご飯の後はさっと風呂に入って寝る。

 さて、どのくらい強くなってるのやら。




ちょっと短いですが、キリの良いトコで終わらせました。次は勇者戦ですね。頑張って欲しいものです。

読んで下さってありがとうございます!少しでも楽しく読んで頂けたならとても嬉しく思います(*´∇`*)もし良ければ、★をぽちっと押して下さると励みになります!

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