四日目「妹様はおにーちゃんとお出掛けしたい 前半」
ー妹様視点-
今日は日曜日、一週間に一度くる完全な休日である。そんな日に何もしない筈がない!
階段をいつもの如く駆け上がる、物凄い音が鳴っているが、私にはお兄ちゃんのドアしか見えていない。
「とう!」
ドアへ足から飛び込み、ドアを思いっ切り吹っ飛ばし、一緒にお兄ちゃんの部屋へと飛び込む。
その瞬間一気にお兄ちゃんの香りがする。
「グッドモーニング、マイブラザー!」
中に入ると、お兄ちゃんはまだ寝ていたが、ドアの破壊音で目覚めたようだ。
「お前が入ってくる前まではグッドモーニングだったよ」
「ハハハ、つまりベリーグッドモーニングになったと言う事かな、兄者よ」
「バッドの方だよ!」
お兄ちゃんは関わって来んなとでも言うかのように、深く布団を被り、ATフィールドを展開する。
「ATフィールド破壊!」
私はジャンプして、お兄ちゃんへと飛び込み、もごもごと布団の中へと入る。
又もやお兄ちゃんの香りがする。
「お兄ちゃんよ、今日は折角の日曜日何だよ。お出掛けしようよ」
「引きこもりの俺からしたら毎日が日曜だよ」
お兄ちゃんの最強の言い訳に言い返す言葉が無くなる。
触れずらいし、お兄ちゃんせこい。
私はほっぺをむすっと膨らませる。
「お兄ちゃん行くよ。ほら起きて」
「行くったてどこに何するつもりなんだよ」
確かに、お兄ちゃんとお出掛けしたいとその場の発想でよく考えていなかったな。
「うーん、デートしよ?」
お兄ちゃんは少し顔を赤らめる。純粋で可愛いくて、意地悪してみたくなっちゃう。
「兄妹同士なんだから、デートって言わねえよ」
「お兄ちゃんでも顔が赤いよ」
「俺だって男なんだよ、うるせー」
そう言って布団を引っ張り、私を追い出す。やはり期待以上にいい反応を見せてくれるのでからかいたくなってしまう。
「おにーちゃん、さあ起きるのだよ。アニメートやら何やら行くから」
「はあ、もう寝れねえ」
お兄ちゃんは面倒臭そうに起き上がる。結局行ってくれるんだ、アニメは偉大だな。
「じゃあ、外で待ってるよお兄ちゃん」
私はそう言い、お部屋へと素早く移動する。最高に可愛い服を着なきゃね。
ー或斗視点ー
紅葉に朝早くから、お出掛けについて来るように起こされた。
最初は行くつもりなんて無かったが……。
家のドアを開けて、外に出ると、白いワンピースを着た、まさに天使と言ってもおかしくない少女が手鏡をみながら前髪をいじり待っていた。
こんな可愛い妹様が、外に一人で出るとすぐに男の人が寄ってきてしまうからな。
兄としてそれから守る義務があるからな今日は仕方ないから付き合ってやるか。
「お兄ちゃん、一様整えて来たんだね」
「紅葉の横で歩くからな、少しくらいマシにしなきゃ、お前が嫌だろ」
いつもなら絶対に着ないであろう、センスの良いお洒落な服(紅葉が買ってきた)を着てきた。
髪も少し抑え、前髪で目が隠れないようにした。
「お兄ちゃん、かっこいいよ」
「はいはい、お世辞は結構です」
そう言い俺は歩き出す、それに続いて紅葉が歩き出す。
ー二十分後ー
少し歩き、ここら辺で一番繁栄している場所に来た。
ショッピングモールも、あるし大体の物はここらで買えるであろう。
「紅葉はどこに行きたいんだ?」
「うーん、そうだな…お洋服屋さん行く?」
「何で疑問系なんだよ」
「いやー本命のお店は後で一人で行きたい所があるんだよね。
だから、先に私の服を見てもらうかなって」
一人で行く所があるのか、何かそんなに買いたいものがあるのだろうか。
それにしても、やはりさっきから視線が凄いな、やっぱり紅葉一人で行かせなくて良かった。
「到着ぅ!! 安定のユニクロさん、いつも助かってます」
そう言いながら入店する。中に入ると物凄い量の服が並んでいる、膨大な服の前に圧倒される。
「じゃあ着て行こうかな、お兄ちゃんが良いなと思った奴にしよ」
ぴょこぴょこと素早く移動し、良さそうな服を取っていく。とても楽しそうだが、高校生には見えない。
「ほら、お兄ちゃん行くよ」
十数分経つと、多くの服を持って、こちらに来る。俺の腕を引き、丁度あった試着室の前の椅子に俺を座らせる。
「可愛い妹様の生着替えだぞ、覗いちゃ駄目だからね」
「誰が覗くか!」
紅葉はニヤニヤしながら、試着室へと入っていく。
またからかいに来やがって、いつか絶対に痛い目に遭わせてやる。
そこから、紅葉のファッションショーが始まった。
「お兄ちゃんこれはどうかな、私は少し小さいからちょっと幼い感じのお洋服」
体に合う、ふりふりのお洋服でポーズを決める。
「それとも、逆にちょっとクールなお洋服でギャップを狙ったり」
黒が多めの、紅葉が着ていなさそうな服でカッコいいポーズを決める。
「それともちょっと大人びた大人のお姉さんみたいなのが良いのかな?」
おへそや肩が少し出た、露出の高いお洋服で少しセクシーなポーズで此方を見てくる。
俺は紅葉の頭にチョップする。
「いで!」
「そういう服装は大人になってからしなさい」
紅葉は頭を撫でながら、はーいと言いながらその服を元に戻す。
ああいう服は兄として許しません。
その後も色んな種類の服を着て行ったが、結局、最初の可愛らしい紅葉の体に合った服にした。
プチ話、お食事編
紅葉「うわ、ハーピィーセットのおもちゃ可愛くないか」
或斗「小学生?」