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妹様はおにーちゃんを惚れさせたい  作者: 御霊流空
妹様はおにーちゃんを惚れさせたい
4/11

三日目「妹様はおにーちゃんと眠りたい」

-紅葉視点-


 体が重い、少し気を抜くと意識が夢の(ネズミーランドじゃないよ)に行ってしまいそうだ。

 今日が土曜日で良かった、もしも学校のある日だったら終わっていたな。

 昨日、お兄ちゃんとゲームをしていたらいつの間にか朝になっていた。


「お兄ちゃんはこの後どうするの?」

「寝ようかな」

「じゃあ、私もねるー」


 そう言い、お兄ちゃんのベットにピョンと飛び乗り、ジャンプする。


「お兄ちゃんも飛んで写真撮ろうよ」

「あの飛び方したらこのベット壊れるぞ」


 私はお兄ちゃんのベットで寝転び、枕に顔を突っ込む、するとお兄ちゃんの香りがする、少し汗臭いけれど、落ち着く良い香りだ。


「ん? なんか枕の下に置いてる?」

「いや、何も無い筈だけど」


 枕をめくるとその下から胸が大きい可愛いアイドルの写真集が出てくる。するとお兄ちゃんは素早くパッとそれを奪い隠す。


「なんでも無いよなんでも無い」


 お兄ちゃん……胸が大きな子がタイプなのか、私は自分の胸元を見ると、これといった膨らみは無かった。


 Tシャツに隠れているだけだ、わ、私だってBカップあるし……。

 お兄ちゃんの足を無言で蹴る。


「何だよ」

「なんでも無いよ。ただ格ゲーの練習してるだけだよ!」


 そう言って私はお兄ちゃんの部屋を走って出る。お兄ちゃんのバカ、最低、変態、巨乳好き。

 一階に下りて、テレビを付けて、さっきの出来事をなるべく早く忘れたい。


「あれ? 紅葉、お兄ちゃんとゲームしてたんじゃ無いの?」


 お母さんが話しかけてくる。いつもの優しい声に少し安心する。


「何で知ってるの?」

「昨日、ゲームしてる時のあなた達の煽り声が凄かったからね」


 昨日のゲーム中の会話を思い出す、お兄ちゃんと煽り合い、物凄い騒いでいたのを思い出す。


「……なんか、すんません」

「良いのよ。昔みたいに二人で楽しそうにゲームしてくれてて、嬉しかったのよ」


 確かに、私が中学生になった辺りから一緒にゲームもしてなかったかもしれない。

 お兄ちゃんがまだ学校行ってて、忙しくてゲームする事も無かったからな。


「でも、どうしてそんなに怒ってるの?」

「なんでも無いよ。お兄ちゃんが最低なだけ」

「? まあ何で怒っているのかは分から無いけど。また昔みたいに遊んだ後、疲れて一緒に寝て欲しいわね」


 懐かしいな、そう言えばそんなこともあったっけ。


「でも、勝手に夜中に忍びこむのは駄目よ。

 前みたいに」

「はい…以後気を付けます」

「じゃあちょっとお母さん今日は用事あるから、夕方には帰って来ますので」

「はーい、いってらっしゃい」


 お母さんが外にお出掛けする。

 なんか暇になっちゃったな、する事も無いし、貯めてるアニメ見て寝るか…。


ー1時間後ー


「ふぁ〜もう眠いし、寝るか」


 その瞬間、リビングのドアが開く、其方に目をやると、そこには身長が私よりも30センチ位高い、ボサボサの髪の男の子が入ってきた。


「お兄ちゃん……」

「その…紅葉、あのな俺は、俺は……はぁ、これは言い訳なるな。

 だから、そのごめんなさい」

「!?」


あのお兄ちゃんが謝ってくれた、いつもだったら何となくあやふやになって仲が戻ってしまう為、ちゃんと謝らないのに。


「その、こういう時どうすれば分からないんだけど、嫌な思いをさせたのはごめん」


「多少俺だって、大きいのが好きだ」


 私は少し、ほっぺをむすっとさせる、これ本当に謝ってるんだよね。


「でも、あんなアイドルより紅葉の方が可愛いと思う」


 ……多分だけど、私の為にこの一時間、考えていてくれたのが伝わる。

 不器用なお兄ちゃんの精一杯の慰めなのが伝わる。

 だからこそ、少しむかつくけれど、こういう所がズルい、昔から優しかった。

 ゲームで負けて私が泣いた時もこんな風に不器用に慰めてくれた。

 そう言う所全部含めて私はお兄ちゃんが大好きなんだよね。


「もう、仕方ないな。特別に許してやろうじゃないか」

「本当?」

「うん、こっち来て」


 お兄ちゃんをソファに招く。そして、座らす。

 お兄ちゃんは少し、不安そうな顔でこちらを見ている、多分まだ怒ってるんじゃ無いかと不安なんだろう。


「お兄ちゃん」

「何だ?」

「大好き!」


 ギュッと抱きしめて、お兄ちゃんの少し硬い胸元で目を摘むる。

 すると、急に眠気が襲ってくる。

 このまま寝たって良いよね。


「…………」


ー或斗視点ー


 妹が抱きついてから目を閉じて、動かない。

 これは許して貰えたのだろうか…少し不安で顔を覗き込む。


「すぴー」


 寝てしまったらしい、まあ、徹夜していて寝ていなかったからな。

 じゃあ俺も部屋に戻って寝るか、真剣に何を言うか考えていてそれどころでは無かった。


(ん?)


 そこである事に気が付いた。

 これ俺が動いたら、紅葉を起こしてしまうかもしれない。

 動けない……仕方ないか、紅葉が起きるまでこの体制で待つしか……。


 俺も眠たくなって来た、紅葉が抱き締めて、体が暖かく、気持ちが落ち着く。

 やばい…俺も寝ちゃう……。


「………」


ー夕方ー


 リビングの扉が開く。荷物を持ったお母さんがちょこちょこと歩いてくる。


「ただいまって、二人とも……」


 お母さんは少し微笑み、二人が仲良く寝ているのを見る。


(懐かしいわね。昔のあの子達を見ているみたい)


 毛布を持ってきて、掛けてあげる。

 そして、昔の事を思い出しながら、二人の頭を優しく撫でる。


「二人ともおやすみ」


 或斗と紅葉の顔はどちらも幸せそうな顔をして寝ていた。

プチ話


紅葉「お兄ちゃんは大きい方が好きなのか……」


 携帯で[胸の大きくする方法]を検索した。

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