表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹様はおにーちゃんを惚れさせたい  作者: 御霊流空
妹様はおにーちゃんを惚れさせたい
11/11

七日目「妹様はマルマルに会ってみたい 後編」

ー或斗視点ー


 先程の格ゲー対決からマルマルはちぇっ!と言いながら拗ねた様子でついてくる。

 結局のところマルマルが店内で暴れた結果、半ば強引に追い出されてしまったのだ。


「マルマルが暴れるから追い出されちゃったんだよ!

 これから何する?」

「だゃまれ! お前らチートだチート。寄ってたかってぼくをいじめて。お前ら、人間じゃねぇ!」

「あんま大きな声出すんじゃねえよ」


 マルの頭、目掛けて軽めにチョップする。

 いてっ!と声を上げながら、チョップされた部分を抑え、涙目で此方を見つめてくる。


「また、やったな。

 僕の神聖なる髪をこうも簡単に触るなんて。

 このブラコンチーター公然わいせつ罪野郎!

 今度は負けんぞ! もっかい勝負だ!」

「そうだ! そうだ! お兄ちゃんは妹とあんなことやこんなことをしたい変態ブラコン兄者なのだ!」

「おいおい! お前らは俺を何にしたてあげたいんだよ!」


 周りの注目が集まるたびに、誤解が周りへと広まっていく。

 こいつらと居ても碌なことがない、このままだと俺がとんだ変態野郎になってしまう。

 俺は素早く、走り始める。


「あーお兄ちゃんが逃げ出した!」

「或斗よ、逃げるな卑怯者!僕たちはいつもお前らに有利なゲームの中で戦ってんだぞ!

 現実だけではなく格ゲーからも逃げ出すのか!」

「もう、お前ら額にアザでも作って、市松模様の服でも着てろよ!」


 俺はなるべく早くその場から逃げ出すように全力で走りはし始める。


ーマルマル視点ー


 ……辺りを見渡すと、様々な人が行き交い騒がしい。

 そんな中、ポツリと僕は立ち尽くす。


「あの兄妹はどこ行ったんだよ」


 或斗が走り出した後、僕と紅葉もそれに続いて追いかけたのだが、あの兄弟の足が早すぎて置いて行かれてしまった。

 紅葉は毎日学校に通っているピチピチのJKで運動が出来るのはまた分かるが、或斗は引き篭もりの癖に紅葉よりも速く走り運動部と言われても遜色がなかった。


「化け物兄妹め、僕を置いていくなんて……」


 ここからどうすれば良いのだろうか……まあ、僕が追い付くのは無理だし、今日はお開きかな。後でラインで帰ることを伝えるとするか。

 そう考えながら、歩き始める。


「ねぇー君ぃ、一人? 俺とお茶しない?」


 チャラい声の方を向くと、制服を着ており、髪は染めているのか金髪でザ・チャラ男が此方へと話しかけてきていた。


「結構です」


 無視してその場から離れようとすると僕の道を塞ぐようにチャラ男は目の前に移動する。


「きみぃー、かわうぃーね! 俺と優雅なティーでもしない?」

「結構です!」


 男とは逆に向かい歩き始めると、此方を追いかけ、又もや進行を止める様に前へと出てくる。

 今度は走り出すと、男は素早く先回りし、道を塞ぐ。


「もう、さっきからなんなんですか! 道は塞ぐは人の胸をエロい目で見つめて」

「べ、別にみてねーし、推定Gなんて思ってねえし」


 顔を赤らめ、勝手に人のサイズを推定すると言うキモすぎる行動に流石に鳥肌が立つ。

 これはあれだ、もしかしなくても、ヤバい奴だ。

 こういうヤバい奴に絡まれた時の相場は無視だ。


「俺たちとてもお似合いだと思うんだよね。

 だってこんな場所で巡り会うなんて、これは運命。

 運命の赤い糸が俺たちをーーー」


 喋ってる隙にそっと歩き始める。

 すると、突然腕をガシッと掴まれ、驚きで少し声を出してしまう。


「無視してんじゃねえよ! 俺たちは愛し合った中だろ」

「いつ愛し合ったんだよ」


 掴まれていて、身動きが取れず解こうとするもしっかりと固定されている。

 さらに手を解こうとする度に力が強くなって行く。


「ちょっ、痛い。離して」

「話さないぜ、ベイビー」

「誰か……助けて……」


 怖い、このまま力尽くで来られたら、力の無い僕はどうすることもできない。

 小学生の頃、暴力を振るわれたあの日の出来事が一瞬だけフラッシュバックする。


「おいお前、何してる?」


 聞いたことがある声だが、その声はいつもよりも低く、少しの怒りが込められているのを感じる。

 僕はその声の主の方を見つめると、或斗が私の腕を掴んでる手を剥がし、僕の手を掴み自分の方へと手繰り寄せる。


「なっ、誰だお前! 俺とその子の絆を割こうたってそうはいかないぞ」

「普通に真流が嫌がってるでしょ」


 相手に冷静に会話を進める或斗の声はやはりいつもよりも低い。

 しかし、僕の手を掴んでいる或斗の手は震えている。僕を守る為に勇気を出して頑張っているのが伝わってくる。

 そう思うと、こんな状況なのにどうも体が熱い。


「……確かに、半ば強引でしたけど、これから仲を深めていこうとーー」

「ごめんなさい、真流はこれから俺とデートなんで。

 それじゃあ、すみません」


 そう言い、或斗は相手の返答も聞かずに私の手を引いて、歩き出す。

 後ろから見ると或斗の耳がリンゴのように真っ赤なのが見える。


ー紅葉視点ー


 お兄ちゃんを捕まえたは良いものの、マルマルと逸れたことを伝えると、また走ってまた来た道を大急ぎで戻り始め、何処かへ行ってしまった。


「妹に何も伝えずにどっか行って帰ったら、お仕置きという名の愛の蹴りを喰らわしたるわ」


 そんな事を言っていると、バタバタと急いで此方に迫ってくる足音が聞こえる。

 そちらを見ると、お兄ちゃんがマルマルさんの手を引っ張りながら此方へと迫って来るのが見える。


「二人ともどこ行ってたの……」


 お兄ちゃんの体から滝のように汗が流れ、ふらついている。その奥ではチャラそうな男が「おーい、巨乳ちゃーん」とある人物を探しており、お兄ちゃんが前に通っていた高校の服装を着ている……。


「紅葉……」


 私のところに着くと同時に倒れ込むように寄りかかって来る。

 お兄ちゃんの香りが広がって……今はそんな場合ではないな。


「或斗?」

「マルマルさん、場所を移そう。

 此処ではあのチャラ男にバレそうだし」

「あぁ……うん」


 そう言い、お兄ちゃんを抱えて歩こうとするが、重い。

 ヒョロヒョロの癖に身体だけは大きいから私だけじゃ持てないよな。

 そう思っていると、マルマルもお兄ちゃんを運ぶのを手伝ってくれる。


「或斗に何かあったの?」

「……また今度で良い?」


 マルマルはお兄ちゃんの顔を見ると、少し申し訳そうな顔をして頷く。


ー或斗視点ー


 ………頭は何か柔らかい感触、顔には球体状のものが二つ。

 これはもしや、膝枕。


 目をゆっくりと開くとそこには富士山、いやこれはエベレストが……。


「ざんねーん、膝枕アンド目を覚ましたら山脈が連なっているとでも思ったか。

 チッチッチ! 甘いのだよ兄者!」


 何処から持ってきたのか、頭には枕、顔には二つのマシュマロ型のクッション。


「何処からこんなの持ってきたんだよ」

「先ほどのゲーセンに戻ってクレーンゲームで取ってきてやったのだよ! はっはっはー」

「男子の夢を返しやがれ!」


 横になった状態から、腹筋に力を入れて起き上がる。

 紅葉はニコニコでいつも通りであるが、マルマルはとても申し訳なさそうに此方を見つめている。


「或斗……その……迷惑かけてごめん。無理させちゃったからこんなことになっちゃったんだよね」


 いつもはあんなに笑顔で余裕そうなマルマルがとても小さくかしこまっている。

 それぐらい心配を掛けさせてしまったと言うことだ。


「俺も勝手に逃げ出したりしたし、おあいこというか」

「僕が煽ったりしたからだよ……」


 紅葉を見ると、俺を煽り始めたのが自分だというのを思い出したのか、申し訳なさそうにマルマルを見ている。

 この二人がこのテンションだと、こっちまで調子が狂いそうだ。

俺はマルマルに手を伸ばそうとすると、マルマルは怒られると思ったのか、目をキュッと瞑る。

 俺は優しく、マルマルの頭に手を乗せて、子供をあやすように撫でる。


「大丈夫だよ。散々、あの妹様に日頃、迷惑かけられてるんだ。

 こんなことじゃ迷惑なんて感じない、だから……その、気にすんな」


 マルマルの後ろで妹様は「え? 私が迷惑?」みたいな顔をしながら自分を指さしてるのは置いとこう。

 マルマルは目を開いて上目遣いで此方を見つめる。


「或斗……」


 目を涙目にさせ、さっきまで落ち込みようが嘘のように飛びついて来る。


「うぅ……或斗! こんなにいい子に育ってお母さん嬉しい」

「お前は俺のお母さんじゃねえよ!」

「胸の大きさはお母さん並みだけどね……」


 そんなことを言い、マルマルに抱きつかれた俺を睨みつけている。

 何か柔らかい感触があると思ったんだまさか……。

 下を見るとマルマルのまんまるいもの俺の体にーー


「あぁ……」


 目の前が真っ暗になる。

 俺はバタンとぶっ倒れる。

プチ話


マルマル「或斗!? 大丈夫か? 紅葉ちゃん、或斗が!」

紅葉「このおっぱい星人が!」


 ペシンと頭と叩く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ