一幕間一 Break.1 第一章完結のお礼
「こんにちは!この物語の主人公をさせてもらってる、天翔零です。第二章に進む前に、少しだけ休憩です。何よりも、まずここまで読んで下さり、ありがとうございました!」
零がスッとお辞儀をすると、横から翔がブー垂れた顔してツッコミを入れてきた。
ちなみに舞台の上には、向かって左から零、翔、ルミ、光太の順で横に並んでいる。
「おいっ!零。第一章は俺が完全に主役だったんだから、まず俺から読者様に挨拶するべきだろ」
「アハハッ♪そーだよね翔、ゴメンゴメン。ただ、翔は第一章本当に頑張って疲れたろうから、先に僕からの方がいいかなと思って」
「んだよ、それーーーそれじゃ俺が悪もんみたいじゃねーか。だよな、ルミ?」
翔は隣に立つルミに完全同意を求めたが、ルミは前を向きながら可愛く唸っている。
「う~ん、確かにそうなんだけど……零さん優しいねっ♪」
翔を零にパッと笑顔を向けたルミ。
「ええっ!?なんだそれ」
「ルミちゃん、ありがと♪」
ショックで顔をしかめた翔の側で零はクスッと爽やかに笑うと、そのままルミを労う。
「ルミちゃんもお疲れ様♪ルミちゃん翔と息バッチリ合ってたし、元気な女の子のヒロインとして凄く良かったよ」
「ありがとう!零さん」
「ちなみに、ルミちゃんの中で特に印象的な場面てどこだった?幾つかあると思うけど」
「う~んとね……」
ルミは可愛く斜め上を向きながら思い返した。
「色々あるんだけど、まずは最初のシーンかな。『ねぇ、何を捨てれないの?』っていう所。翔にどんな表情で声かけようかなって色々考えたし……後は、大濱さんとのシーン」
「あぁ、あそこも良かったよね」
「うん。何か、人に優しくするのって簡単じゃないんだなって思ったから」
「そうだね。人を好きになったり思いやるって、すれ違う事も多いよね……」
零が少し切なそうな顔でルミに答えると、ルミは同じように切ない表情を浮かべた。
「ただラストのシーン、あそこはすれ違うどころか翔と引き裂かれちゃったから、本当に凄く悲しかったよ……ねっ?翔」
「おっ、おお。もちろん。あのシーンは辛かったなーーー。ルミと引き裂かれるシーンだし、拳武さんの『キミの小説が、キミそのものなのだ』っていうセリフもマジで刺さっちゃったわ……」
翔がしみじみとした感じで話していると、隣から光太にせっつかれた。
「つーかさ、翔。俺の事忘れてね?」
「忘れるワケねーだろ光太、隣にいんのに」
「どーだか。お前エビフライの件、ガチで根にもってんじゃねーだろーな?」
「んなワケあるか」
「まっ、ならいいんだけどよ。俺も翔の親友としてルミちゃんとの仲応援してくし、第二章でも頑張らせてもらうしさ」
「だよな。まさか光太があんな……」
翔がそこまで言いかけた時、光太はサッと翔を止めた。
「バカッ!今、ネタバレ晒すなよ」
「あっぶね!いやーーーハハハ、つい、な。ごめんちゃ」
「ったく、頼むぜ」
光太は、苦笑いしながらごめんのポーズを取る翔の隣で、しゃーねーなーという顔をしながら片手で頭をクシャッと掻くと、零にスッと顔を向ける。
「零さん、翔の事よろしく頼みます」
「もちろんだよ、光太」
零は爽やかな微笑みを光太に向けると、みんなに少しすまなそうな顔をしながら話し始めた。
「光太も、もちろん翔とルミちゃんも、第二章からは僕かなり厳しい役を演じるけど、付いてきてね!」
零が凛とした雰囲気で言った瞬間、翔は零の肩を右腕でガシッと組んで笑う。
「なーに言ってんだ零。あたりめーだろ。俺たちゃ二人で一つなんだからよ」
「翔……ありがとう!」
すると、ルミも零に向かってニコッと笑った。
「そーだよ、零さん。私も頑張るから、一緒に頑張ろっ♪」
「ありがとう、ルミちゃん」
光太も同じだった。
「そーだぜ零さん、第一、翔一人じゃおっかなくて見てらんねーし」
「うっせーよ、光太。まあでも、確かにこっからはマジで戦っていかなきゃなんねーからな」
翔が気合を入れると、零は一瞬瞳を伏せ嬉しそうにフッと息を零した。
「みんな、ありがとう!そして読者様、次話から第二章が始まります。翔と僕との出会い。そして、一筋縄ではいかない奪還劇の始まりです!」




