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真犯人なんていないの!
そっと窓を開けて、外に出る。
夜の黒。
風の音。
体に染みる冷気。
「やあ、客人」
ダイアがオリビアの声で話す。
黒ずくめの剣士。
無言で剣を抜く。
……強い?
オリビアが心の中でつぶやく。
(先日の実技試験の相手より強いです)
ダイアが口に出さずに答える。
剣士がにじり寄る。
「名乗りもしないとは、不粋ですね」
剣士が斬りかかる。
ダイアは手に持っていた木剣を振る。
剣士の剣が木剣に刺さりからめ取られる。
ダイアは剣士の腕を取り、投げた。
剣士は立ち上がるや走り去った。
「判断は悪くない」
……大丈夫なの? 逃がして。
「怪我させずおどすつもりだったのでしょう。当てる気がないようでした。剣を抜けばおびえて逃げるとでも思っていたのかもしれません」




