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最悪な1日

作者: マンチカン

最悪だ。


今日は朝から最悪だ。

寝坊して、ストッキングも伝線して色々な不幸が重なっている。


一番最悪なのはスマホを落としたことだ。


朝の電車に乗った時はしっかり持っていたのに、変なオッサンにぶつかった時に落としたと思う。


やっぱりスマホと定期を別々にしたのが不味かった。

会社に着いた時、絶望して悲鳴をあげそうになった。


しかも今日は今ハマっているゲームのイベント最終日。

仕事の隙をみて周回をすれば高ランクに入れそうだったのに。

スマホが無ければ意味がない。



とりあえずロックしているから変なイタズラをされることは無いと思うけど…

パスワードもお婆ちゃんの誕生日だから余程大丈夫なはず。



それでも…本当に最悪だ。





やっと仕事が終わった。

今日に限って後輩がデータを吹き飛ばして、その作業でお昼もまともに食べれなかった。


「先ぱぁ~い(涙)すみませぇんでしたぁ(涙)」


反省しているか分からない、あの甘ったるい声の謝罪が、こんなにもイライラするなんて。


やっぱり今日は厄日だ。

近いうちに厄払いをしてもらおうか。

本気で悩む。


「はぁ…やっと駅着いた」


こんなにも駅が遠くに感じるなんて。

私のスマホありますように!

そう祈る様に私は駅員さんに声をかけた。


「あ、あのすいません」



「はい。どうかされましたか?」


「あの、今朝スマホを落としてしまって…落とし物でありますか?」


「あー、はい、落としたスマホの特徴ってわかります?」


「あ、ピンクと白のストライプで王冠モチーフの飾りがついてます」



「んーと、ピンクと白のストライプで、王冠のモチーフですね。確認して来ますので、少々お待ちください」



「あ、はい…お願いします……」



頼む、頼むから私のスマホがありますように!!

1日最悪な日なんだから、最後くらいは良いことがあっても良いでしょう!


10分位待っただろうか。

駅員さんが戻ってきた。

心臓がバクバクしている。



「ごめんなさいね。お待たせして。スマホだけで結構な数があったもんで」


「あ、いえ、大変ですね」



あったの!?

なかったの!?

どっちなの!?


「それで、特徴に似たようなスマホの落とし物があったので、一度確認をお願いしても良いですか。」


「だ、大丈夫です!お願いします!」


思わず声が裏返った。

駅員さんがトレーの上にスマホを置いた。


「あっ!私のです!間違いありません!」


ピンクと白のストライプに、王冠モチーフの飾り。

しかも、この飾りは手先が器用な友達に作ってもらった1点ものだ。


「あ、それは良かった、良かった。では、お手数ですがこちらの書類に記入をお願いします。」


「はい!ありがとうございます!!」


無事にスマホが戻ってきて嬉しすぎて、手が震えまくった。

書くものを書いて、ニコニコで帰りの電車に乗り込んだ。


良かったぁー!

ここで無かったら、明日朝イチで買いに行くとこだった。


私は安心しすぎて、帰りの電車は爆睡した。

これもいけなかった。



……



…やっと家に着いた。

まさか、終点まで爆睡するとは思わなかった。


起きた時、見たことない景色で一瞬焦った。


「11時50分…かぁ」


今思えば、電車で周回すれば良かった。

今から始めても高ランクは無理だし…また、次のイベで頑張ろう。


スマホを充電した。

最後の力でメイクを落として、私はそのままベットに倒れ混んだ。


今日は最悪な日だった……




次の日はスマホのアラームで起きた。

昨日は鳴らなかったのに、今日はしっかり仕事をしている。


無意識にスマホを取り、アラームを止め、そのままゲームにログインした。


【イベントミッションクリア!

スペシャルなプレゼントがあるよ!】


ん…スペシャルなプレゼント?

なにそれ?


ポチポチして中身を確認する。



「え!?嘘ウソうそ!!?何で!?」


一気に頭が冴えた。

中身は高ランクしか手に入らないアイテムがあったからだ。



「えー!やだやだ嬉しいぃ(涙)」



思いがけないプレゼントで泣きそうになる。

ベットの上で子供みたいに足をバタバタした。

気が済むまで暴れ倒して、ベッドから起き上がり、そのまま勢い良くカーテンを開けた。


あぁ!こんなにも朝日が気持ちいい!!

昨日は最悪な日だったけど、今日は最高の日になりそう!!




最後までお付き合いありがとうございます。


たまにありますよね。

充電したつもりが出来てなかった。

仕事で変なトラブルに巻き込まれた。

思ったよりも髪型が決まらない。

などなど。


今回の主人公はアラームが鳴らなくて遅刻しそうになったり、ストッキングが伝線したり、電車で爆睡して終点まで来てしまったり。


一番の災難はスマホを落としてしまったことです。

スマホが無いとわかった時は絶望しかないです。

おまけにゲームイベントの最終日なら、尚更です。

全く周回も出来ないので、泣く泣く諦めるしかありません。



でも、次の日は高ランクに入りアイテムを手に入れてました。

主人公は最高の日になるっと喜んでいましたが、一つ疑問があります。


それは昨日、1日もスマホに触る事が出来なかったのに何故アイテムを手に入れる事が出来たのでしょうか。


しかもパスワードも主人公の誕生日ではなく、実家のお婆ちゃんのお誕生日に設定しています。


もしかしたら、主人公の知らないところでパスワードを知っている人物がスマホを拾い、イベントを進めていたのでしょうか…


皆様も落とし物にはご注意下さい。


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