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スピリット・ソルジャー  作者: エムガエス
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第1話:破壊されたスクールライフ

念の為のキャラクター紹介

佐々(ささき) 龍一(りゅういち)

髪型以外は普通の男子高校生、ちなみに髪型は黒色のポニーテール。


蔵馬(くらま) (れん)

少し気の弱そうな男子高校生、基本的にいつも一緒にいるが誠と佐々木の話を聞いているだけだったりする。


以上!

 場所は東志英団高校2年7組、誠は無事に自己紹介を終え、現在は休み時間である。


  クラスの生徒たちはそれぞれグループになって楽しく談笑したりしていた、誠も男子生徒3人と楽しそうに話していた。その会話を聞きながら誠は辺り見回した。すると、教室の窓際の後ろ端で退屈そうに椅子に座っている短髪の女の子が見えた。他の女の子と比べ腕が太く、顔の右頬には切り傷のようなあとがみられた。少し女子高生らしくない容姿だったので、誠はついつい見てしまう。それに気づいた一人の男子生徒が誠に小声でこう言った。


「鬼原、もしかしてあの女のこと見てるのか?」


  誠はその男子生徒にこう言った。


「どうしたんだ佐々木(ささき)、なんかあるのか?」


  佐々木は誠に説明した。


  彼女の名前は「神崎 京子(かんざき きょうこ)」どうやら学校一の問題児と評判らしい。授業中に教室の窓から飛び降りてどこかへ行ったり、学校の物を壊したりしているらしい。それだけではない、学校の不良に絡まれたさいになんとパンチひとつでその不良生徒をやっつけたらしいのだ。これだけなら良かったのだが、神崎が殴った不良生徒は直線上に吹き飛び、その先にあった教室を半壊にしたらしいのだ。吹き飛ばされた不良生徒は全治8ヶ月の大怪我を負い、半壊した教室は未だに工事中なのだそうだ。このことが原因で一部の生徒たちからは"学校一最強の女"とも言われているそうだ。


  「どうしてそんな奴がこの学校にいるんだよ!」


  誠は声を潜めて佐々木にそう言った。


「知らねぇよ!多分教師とかに脅してるんじゃないのか?」


「脅し!?そんなもん無視してさっさと...」


  誠が退学という2文字を言い切る前にもう1人の男子生徒がこう言った。


「ちょ、ちょっと黙ったほうが...」


「どうしたんだ?蔵馬(くらま)?何をそんなに焦って...」


  そう言って、誠は佐々木の顔を見ると自分の背後の何かを見ていた。誠は今までの会話と彼ら2人の顔色から何かを察して、恐る恐る誠は後ろを振り向く。そこにはさっきまで話の話題になっていた神崎 京子の姿があった。腕を組み、こちらを睨んでいる。


  誠は唾を飲み込み、恐る恐るこう言った。


「あぁ...ど、どうもぉ...イカした身体をしてるじゃねぇか....なんかそれどころじゃな」


「いい度胸じゃないか!」

「よくもまぁそんな陰口を...聞こえてたぞ」


  佐々木、蔵馬の二人は「ひっ!」と声を出す。


  神崎は彼らを見て呆れたのか、片手で頭をかきながらこう言った。


「なんだ...覚悟はできてなかったのか...まぁ結局は普通の野郎なわけだ...」


「野郎じゃねぇよ、訂正しろ」


  誠はそう言って席を立ち、神崎を見る。その瞬間、佐々木と蔵馬だけでなく、楽しく談笑していたクラスの生徒たちも騒然としていた。しかし、両者はその状況を気にせず睨み合う。しかし、神崎はなにかに気付くと鼻で笑いこう言った。


「あぁ...お前もしかして...いや、まさかな」


  神崎はそう言うと窓のほうまで歩き、窓を開けると「帰るわ」と一言いって窓から飛び降りた。


  誠は神崎が帰ろうとしているのを見て、窓のほうまで追ってこう言った。


「おい!どこ行くんだ!待て!」


  しかし、神崎は誠の前から姿を消してしまった。


「あいつほんとに飛び降りて、何をしたらそんなことできんだよ...」


  誠はそう言って、窓の外を見ているとふとさっき神崎が言っていたことがフラッシュバックしてきた。


「あれは...どういう意味だったんだ...」


  誠はあの言葉の意味を考えていると、それを止めるかのように学校のチャイムが鳴った。


  誠はその後も心残りはあるものの普通に授業をうけた。生徒たちは一生懸命に先生の話を聞いてその内容をノートに書いているなか、誠は話こそ聞いているもののノートは書かず、ずっとペン回しをしていた。

  そして5限、6限と続き、7限目の授業中にあることが起きた。


  どこからか爆発音とコンクリートの壁が崩れ落ちる音が聞こえてきたのだ。

  クラス内の生徒たちは驚いて、その中の何人かは音のしたほうにが気になりどうにかして見ようとする。先生はクラスの生徒たちを一言で鎮めると、単身で教室を出ていってしまった。


  当然、この状況に誠も驚いていた。すると、佐々木が誠の元へ駆け寄りこう言った。


「なぁ...これもしかして、神崎の仕業じゃねぇか?」


「あっ...ってな訳ねぇだろ、なにか爆発したとかそんなのだろ」


  「そんなわけないだろ、仮にもメトロポリスの財力で創った高校だぞ?最新の設備を備えた高校だ、そもそもこんな爆発音がする時点でありえないことなんだよ!」


「じゃあなんであいつはこんなことしてるんだよ」


「それは...わからんが、とりあえずあいつがやったに違いな」


  佐々木がその言葉を言い終わろうとした次の瞬間、教室の前の扉が爆発し、扉は直線上に吹き飛んだ。

  扉のあった場所は黒い煙で溢れる、そしてその煙の奥には誰かの影があった。

  生徒たちは教室の後ろへ逃げ、怯えていた。その中で誠と佐々木はもしやと思い、唾を飲む。しかし、そこから出てきたのはガタイのいい赤いマンバンヘアの男だった。

  その男は教室の後ろに集まってる生徒たちを見てこう言った。


「俺は紅桜 漠也(べにざくら ばくや)だ!神崎 京子っていう女をぶっ倒しに来た!」


  辺りは騒然とする。当然の事ながら、神崎は今どこかに行ってしまっているいるわけが無い。そのことを生徒の一人が漠也に伝えた。

  すると漠也は近くにあった黒板に手をつける。すると次の瞬間、その手から爆発が起きて教室の黒板を壁ごと破壊したのだ。破壊された壁の奥で隣の教室の生徒たちが叫びながらどこかへ逃げる様子が確認できる。なかには爆発の被害にあって倒れている者もいた。その様子を見てこちらの生徒たちも恐怖のあまり叫び出した。しかし、漠也がそれを許すことはない。「うるせぇ!」と一喝し生徒たちを黙らせる。

  漠也はある程度黙った生徒たちを見てこう言った。


「3時間前にここで神崎の気配があったっていう情報がでてたんだが...さすがにくるのが遅すぎたか...」

「ただ、さすがに誰か連絡先ぐらい持ってるだろぉ...早く呼べぇ!」


  漠也のその一言で生徒たちは神崎の連絡先を知っている人を片っ端から聞いていく。ただ、誰一人として神崎の連絡先を知る人はいなかった。

  漠也はその状況を知ると、ため息をついて生徒たちにこう言った。


「あぁ...もうわかったわ...」

「神崎 京子がくるまで一人ずつ殺してやる」


  漠也のその言葉に一同は騒然とする。

  おそらく逃げられない、何も出来ないこの状況下で生徒たちは恐怖するのであった。

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