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act.12 魔石


 討伐ギルドで登録と依頼を受けたイグナールとモニカは依頼の準備のために武具店、魔石店、道具店などが立ち並ぶ通りにやってきていた。


「討伐対象が異常繁殖したスライムだからと言っても準備は怠れないわよね」


 2人が選んだBランクの依頼とは異常繁殖したスライム討伐だ。一括りにスライムと言っても環境によって様々な種類が存在し、地域によって特色が異なる。共通して言えることはゼリー状の楕円に近い形をしていることだ。


 上位の魔物に捕食されることが多いためか強い繁殖能力を持ち、環境に合わせる適応能力に長ける。時には人を捕食、吸収し高い知能を持ち合わせた個体へ変異する場合もあると言う。

 

「あぁ、魔界が近いバージスのスライムだからな。ディルク達といたときはデボラさんの風魔法で楽勝だったからよかったけど、剣しか使えない俺と水属性のモニカじゃ分が悪いからな」


 デボラ・イッテンバッハ、勇者ディルクを支える女性であり風属性の魔法使いだ。一部では尊敬と畏怖の念を込めて、嵐の魔法使いとも呼ばれているらしい。だが、本人は荒々しい感じが気に食わないと迷惑がっている。


「デボラさんかぁ……なんて言うか素晴らしい人だったなぁ。風を扱うからって理由でピッチリして体が強調される装具を身に着けて、いやもはや男にはそれが凶器だと――」

「ちょ! 最低! これだから男の子って! わ、私だって負けてないもん……」

「いやデボラさんには大人の余裕と言うか、妖艶さと言うか……そういう色気がモニカには足りないと言うか――」


 言い終わる前にモニカはカバン攻撃を繰り出すもまたもや見切られ空を切る。


「あぶねぇだろ! そういうところだぞ!」

「ふん!」


 モニカはふくれっ面でそっぽを向いて見せた。誰から見てもモニカは不機嫌を前面に押し出した態度だ。


「見て見てイグナール! 魔石店あったよ!」


 そっぽを向いた先にたまたま目的の店を見つけ、先程何があったのか忘れたかのようにいつものモニカへと戻り、店を指さす。


 宝石は魔力を蓄える性質を持ち、品質の高いものほど蓄えられる魔力量が多くなる。魔石店とは主に魔力の込められた宝石、魔石を売買する店のことである。


 自身の魔力を込め疑似的に魔力量を増やしたり、自身と異なる属性の魔石を持つことで他属性の魔法を行使することも出来る。


 宝石は数に限りがあるため、魔力が尽きてしまった魔石は吸収能力のあるスライムに食べさせ、魔力の残滓を処理することで元の宝石に戻し再利用することが多い。


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