店主は他の人間の様に奴隷だからと言って、亜人種を必要以上に無下な扱いはしていない様だ。
必要以上にしていないだけで、人並みに無下な扱はしている訳だが……。
聞き方に依っては言い訳にも聞こえる店主の話を黙って聞いていると、「 用心棒をしてもらえないか 」と言う内容に変わっていた。
店主がマオとニュイ人にんリ形かに用よう心じん棒ぼうを頼たのみたい時じ間かんは、開かい店てんする午ご前ぜん10時じ 〜 閉へい店てんする午ご後ご20時じの10時じ間かんだ。
報ほう酬しゅうは日にっ給きゅう制せいで、1人り10.000Bsバース、昼ひる食げランチと夕ゆう食げディナーには賄まかない飯めしを付つけるとの事こと。
マオとニ器きュイ人にんリ形かの2人りを用よう心じん棒ぼうに雇やといたいとの事ことなので、毎まい日にち20.000Bsバースの出しゅっ費ぴをする事ことになる。
ニ器きュイ人にんリ形かはマオの決けっ定ていに従したがう意い向こうな為ため、マオは用よう心じん棒ぼうを受うける事ことにした。
昼ひる食げランチと夕ゆう食げディナーの心しん配ぱいをする必ひつ要ようがなくなるのは有あり難がたいと思おもったからだ。
セロフィートが≪ ヨロンロの街まち ≫から離はなれた場ば所しょに建たっている《 神しん殿でん 》へ出で向むく前まえに、余よ裕ゆうで遊あそんで暮くらせる程ほどの大たい金きん──1億おくBsバース( 約やく1億おく円えん )をお小こ遣づかいとして貰もらっていた。
然しかし、マオはセロフィートから貰もらった小こ遣づかいを無む駄だ遣づかいする気きは更さら々さらなかった。
何な故ぜかと言いうと、ニ器きュイ人にんリ形かが居いてくれるからだ。
ニ器きュイ人にんリ形かはセロフィートが精せい製せいした地ち球きゅうテッラに1体たいしか存そん在ざいしていない賢けん者じゃの石いしだ。
生せい物ぶつを呑のみ込こめば、体たい内ないで骨ほねも残のこさずに消しょう化かしてしまうし、物ぶっ体たいを呑のみ込こめば、体たい内ないで黄おう金ごんに変へん化かさせてしまう。
ニ器きュイ人にんリ形かが居いてくれれば、生いきる為ために必ひつ要ようとなる金きん銭せんに困こまる事ことは先まずなかった。
更さらに今こん回かいはセロフィートが不ふ在ざいな為ため、普ふ段だいは使つかえない様ようにされているニ器きュイ人にんリ形かの能のう力りょくを特とく別べつに解かい禁きんしてもらっていた。
セロフィートの様ように〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉を構こう成せいして何なにかを作つくる事ことは出で来きないものの、物ぶっ体たいや鉱こう石せきを別べつの物ぶっ体たいや鉱こう石せきに変へん化かさせる事ことが出で来きる様ようになっていた。
例たとえば、石いし,土つち,砂じゃ利り,砂すな,水みず,草くさ,花はな,葉は,枝えだ,ゴミ,チリ,埃ほこり,野や菜さいくず,生なまゴミ…等など々などを黄おう金ごん,銀ぎん,鉄てつ,銅どう,アルミム,宝ほう石せき…等などに変へん化かさせる事ことが出で来きるのだ。
紙し幣へい ←─→ 硬こう貨かに変へん化かさせたり、黄おう金ごん,銀ぎん,鉄てつ,銅どう,アルミム…等など々などは価か値ち分ぶんを硬こう貨かに変へん化かさせる事ことも出で来きる。
今いまのニ器きュイ人にんリ形かは賢けん者じゃの石いしではなく、大だい賢けん者じゃの石いし──すらをも超こえた、 “ 超ちょう越えつ者しゃの石いし ” となっていた。
そんな訳わけで、マオはセロフィートが≪ ヨロンロの街まち ≫へ戻もどって来くる迄まで、働はたらく必ひつ要よう等など全まったくないし、用よう心じん棒ぼうを引ひき受うける必ひつ要ようも本ほん当とうはないのだ。
マオとニ器きュイ人にんリ形かが飲いんレレ食しょくリッ店てんトンの用よう心じん棒ぼうを引ひき受うけてくれる事ことに対たいして、店てん主しゅは大おおいに喜よろこんだ。
亜あ人じん種しゅのウェイターとウェイトレスも嬉うれしそうに尻しっ尾ぽを振ふって喜よろこんでいるみたいだ。
マオは手て当あてをされてはいるものの怪け我がだらけのウェイターの傷きずを治なおしてあげようと思おもった。
実じつはトイチ八賢悳壹が回かい復ふくヒール魔ま法ほうマジックや治ち癒ゆキュアラ魔ま法ほうマジックを幾いくつか覚おぼえてくれたお蔭かげで、アミュレットに記き憶おくされている回かい復ふくヒール魔ま法ほうマジックをマオも使つかえる様ようになったのだ。
器き用ように魔ま法ほうマジックを使つかいこなし、自じ在ざいに魔ま法ほうマジックを操あやつり、アミュレットに記き憶おくされている魔ま法ほうマジックを応おう用ようして、様さま々ざまな創そう作さく魔ま法ほうを生うみ出だすトイチ八賢悳壹は、アミュレットで使つかえる魔ま法ほうマジックを日ひ々び増ふやしている。
トイチ八賢悳壹のアミュレットに記き録ろくされている魔ま法ほうマジックの熟じゅく練れん度どは何どれも高たかい。