アンジオテンシンⅡと解説君
4月1日に、なろうに執筆してらっしゃる「記憶者B」様がコロナウイルスの光明か?とアビガンとアンジオテンシンⅡの話題「これって新型コロナに効くんじゃないの?」を投稿されました。やりとりしていて、アンジオテンシンⅡの受容体に蓋をする薬は予防薬で、坑HIV薬の方が確実にコロナを仕留めるかも、と思いました。
「コロナウイルス怖いわね」
亜紅が夕食後の食器洗いをしながら言った。
「あれも細胞の受容体に結合して人体に入り込むらしいよ」
正太郎がタブレットで調べものしながら言いました。
「アンジオテンシンⅡ」
解説君が言いました。
「うん。解説君が知ってるみたいだな?」
正太郎は解説君に向き合いました。
受容体には種類があって、アレルギー物質が結合するとくしゃみや鼻水がひどくなったりするらしい。そんな受容体のうち、アンジオテンシンⅡが結合する受容体に今回のコロナウイルスが結合して人体に入り込む、ということらしい。
アレルギーの場合と同じく問題の物質が結合する前に薬で受容体に蓋ができればコロナウイルスも予防できるんじゃないのかな?
「素人判断で言っててもしょうがないよなぁ。できるんならもうすでにやってるはずだし、できないんなら、それなりの理由がアンジオテンシンⅡにあるってことだろ?血圧降下の関係とかで受容体に蓋をするともしかしたら心臓に負担がかかるのかもしれないし」
「それでも、手をこまねいて待ってるだけってなんだか悔しくて。正太郎、解説君、なんとかならない?」と亜紅がエプロンの裾で手を拭いながら言いました。
「一つの方法がだめなら他の方法をさがすか?」
「そうですね」
情報がとても欲しかった。素人でも、何かの突破口が見つかるかもしれないと思って、解説君たちは情報を探し回っていた。
〜日経バイオテクONLINEより以下抜粋〜
スパイク蛋白質がACE2受容体に結合して侵入
コロナウイルスは、一本鎖プラス鎖のRNA ウイルスであり、ゲノム(RNA)配列は約30kb。家畜を含め、様々な動物に感染することが知られており、ヒトでは呼吸器感染症を起こす、いわゆる一般的な風邪の原因の1 つとして知られている。また、それとは別に、2002 年から03 年にかけて中国を中心に感染が広がった重症急性呼吸器症候群(SARS)や、2012 年以降に発生している中東呼吸器症候群(MERS)の原因もコロナウイルスだ。今回の新型コロナウイルスは、そうしたコロナウイルスに続いて同定された。現在のところ、新型コロナウイルスは、ウイルス表面に発現しているスパイク(S)蛋白質が、ヒト細胞上のアンジオテンシン変換酵素II(ACE2)受容体に結合することで、ヒトの細胞質内へ侵入、感染すると考えられている